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第63回ちばてつや賞の作品のひとつが話題になっていたから、ついでに入賞した全部の作品を読んでみた。
私は普段それなりに漫画は読むけれど、特にこだわりはなく、自分好みのイケメンがいるからとかそういうくだらない理由で選ぶから、どんなにくだらない作品でも読める。
ストーリーよりも視覚的に楽しけりゃオッケー的な。ウェブ漫画を読むにあたってもそう。自分好みのカッコイイ人がいれば読み進める。
ストーリーがどんなにクソつまらなくても、イケメンがなんかしてるってところがオイシイから。
でも、今回のちばてつや賞受賞作品たちは違う。べつに私好みのイケメンは一人もいない。独特で個性的な絵もあったりと、ふだんの趣向からは大きくずれてる作品ばかりだ。
まず表紙買いはしないだろうなというところ。
視覚的にオッケーと思った「コンプレックス・エイジ」という、30代ゴスロリ女の話を読んだのをきっかけに、他の作品すべてを読むことになった。
それは絵よりも内容がよくて、心に来るものがあったから。他の作品もそうなのだろうと思って読んだら、本当にそうだった。
私のお気に入りは「動物園のオムライス」に、「ダチョウの王国」。「3.1415…」も痴呆おばあちゃんのくだりが好きだ。
こういうのって、書店ではなかなか探しあてることができない。
特に私みたいな人は「キャラ・フィルター」が邪魔をするし、書店ポスターの「感動!」「泣ける!」「おすすめ!」「話題!」なんていうありきたりな評価の言葉も好きじゃない。
書店で働く人たちはみんな。感動とか薄っぺらい言葉よりもストーリーだけ簡潔に書いてくれてればいいよ…。
もう一つの理由として、プロの作家はなんとんく流行を意識して絵柄やストーリーを考えたり、または編集する人たちが変えていくのかなぁと思う。とりあえず需要と供給は少なくとも意識される。
その点ではアマチュアの人たちの作品って、描きたいものをドストレートに描いているっていうか、なんだかやりたいことやってます!!っていうのが伝わってきていいなぁと感じた。
たとえどんなに絵が簡潔化されていたり、個性的すぎる絵柄だったり、デッサンが狂っていたりしても、本当に心をつかむ漫画ってストーリーがいいものなんだよねぇ。
もう商業になっちゃったけど、 ホリミヤとか面白かったよ。