2013-09-04

「臨床環境医」悪者にされ過ぎワロタwwww

http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/NATROM/20130829%23p1

などで「臨床環境医」が一部の人から嘲笑と憎悪の対象となってるwww

ブコメを見てすぐ気づくけど、一部の「臨床環境医」ではなく、「臨床環境医」全般がその対象だ。

でも、「臨床環境医」って本当にそんな存在のん

シックハウス症候群マニュアル―日常診療のガイドブック という本がある。「日本臨床環境医学会」が編集した、この8月に出たばかりの本だ。厚労省科研費の報告書が基になっているという。

学会編集たからといって、即「学会会員一致した見解」とはならない(w)のはそうだけど、まあ現時点での臨床環境医で作る学会代表的な見解が述べられている、とみなして良いだろ。

また、これは「シックハウス症候群」についてのマニュアルであって、「化学物質過敏症」MCSを主対象とした本ではない。しかし、症状的にきわめて似たところもあって(ww)、臨床環境医がこのマニュアルに基づいて行うシックハウス症候群の診断が、化学物質過敏症についての診断と方法・考え方で大きく異なる、と思える人はいないだろう(とくに実際に読んでみれば)。

w 実際読んでみると、シックハウス症候群を「広義」でとらえようとする者と「狭義」に限定しようという者といて、やや不整合がみられる。しかし、強調しておくべきことは、学会編のこの本のトーンは「狭義」路線が採られていることだ。

ww そもそも用語のさす範囲が人、場合によって違うようだ。たとえば、http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20130902142408605 でいう「化学物質過敏症」は「狭義のシックハウス症候群」と呼んでも差し支えなさそうに思える。

全体で79ページの薄いマニュアルであるが、たとえば、その51ページには

すなわち、既存の疾患では説明できない患者場合、本症を疑うという側面もあり、除外診断を旨とすべきである

「除外診断を旨とすべきである。」 実際、全体の1/5の分量、「Ⅱ.診断の手順」内では半分以上にあたる16ページが「鑑別疾患」にあてられている。そのうちでもアレルギーは8ページ、中毒は非常に短いが、精神心理は4ページ、それに感染症3ページ。十分であるはいえないかもしれないが、とりあえず「臨床環境医」が、他の疾患との区別を重視していることは明らかだろう。

このように同じ建物の居住者に集団発生することがあるため、シックハウス症候群との鑑別上、肺結核症は常に想起されるべき疾患の1つである

だそうである

69ページ以下がQandAであるが、そのQ10専門医にご相談くださいという言葉をよく聞きますが、何科を受診すればよいですか」に対しては、症状部位によって、眼科、皮膚科内科

初めに受診するのがよい。これらの症状が複合的にある場合は、環境医学専門医受診を勧める。

とはっきり書かれている。

こういうことが「臨床環境医」の学会編集した最新の冊子に書かれている。

ちなみに60ページの「自然天然素材」という項では、スギヒノキなどのテルペン類に触れており、かつては筏で木材を流したりしてるうちに揮発した、昔と今では建物の気密性が違う、など、「天然素材から、昔もそうだったから」という主張を批判している。

くりかえすが、これが「臨床環境医」の団体が編集した記述だ。

こうしてみると、冒頭のブクマのように「臨床環境医」全体をひとからげにして非難する、というのはどう考えても2013年日本の実態に沿うものはいえない。

もちろん、いろいろと突っ込むところはあるだろう。当然だ。それは、1.この本の内容そのもの、2.実際の臨床環境医がここに書かれているような診断とかけ離れてことをしている、に二分される。ただ、2.についていえば、でたらめな診断をくだす医師は臨床環境医以外にもたくさんいるわけであり、「臨床環境医」全体を非難しようというのなら、当然それなりの定量的エビデンスが求められるだろう。 個別の例で非難することはできるが、それがどこまで敷衍できるのか示せるのだろうか。また、患者に向かって「あなた胃潰瘍主治医に言われているようだけど、胃癌ですね」と(とくにネット上で)安易に言うことができないように、主治医でもない人間安易に憶測を述べる危険もある。

ともかく、「現在日本の臨床環境医」についてが中心に論じられるべきなのは言うまでもない。

さて、冒頭のブックマークなどで「臨床環境医」全体を非難嘲笑している者と、「奇跡のリンゴ」という映画などでの「農薬」の扱われ方について批判していた者は、かなり重なるようだ。

農薬」については「40年前と今は違う、日本の基準は安全だ」と言いながら、「臨床環境医」については「昔も今も、外国日本もすべてひとからげにして非難する」wwww 空気を吸うようにダブルスタンダードを用いるニセ科学批判者の特徴がよく現れているwwww

  • 率直に言うとどこがダブルスタンダードなのかわかんない。 臨床環境医と患者さんの関係に詐欺師と被害者の関係に似たものを私は感じます。 これにエビデンスを要求するの?具体的...

  • アレルギーにしろ、アトピーにしろ、原因が即座に特定できないタイプの病気について 誤診なんてよくあることだから、誰かを悪者にするのではなく、セカンドオピニオンを求めろと言...

  • 「農薬」については「40年前と今は違う、日本の基準は安全だ」と言いながら、「臨床環境医」については「昔も今も、外国も日本もすべてひとからげにして非難する」wwww 言いたいの...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん