2013-08-14

映画風立ちぬ」でのタバコの扱いについて(回答)

2013年8月14日

日本禁煙学会 理事長 作田学 殿

映画風立ちぬ制作担当者 一同

映画風立ちぬ」でのタバコの扱いについて(回答)

2013年8月14日付け標記要望おいて、映画風立ちぬ」なかでのタバコの描写について苦言を頂戴しました。ご指摘のとおり、現在、我が国を含む177か国以上が批准している「タバコ規制枠組み条約」の13条であらゆるメディアによるタバコ広告宣伝を禁止していますしかし、参照を指示された別冊を拝見する限り、この条項はタバコ販売の広告宣伝を禁止しているのみで、本作品が条約違反ということには到底なりえません。

上記文書では、教室での喫煙場面、職場上司を含め職員の多くが喫煙している場面、高級リゾートホテルレストラン内での喫煙場面など、こと細かに列挙していただいております

特に肺結核で伏している妻の手を握りながらの喫煙描写を問題視しておられますしかし、夫婦間の、それも特に妻の心理を描写する目的で、この場面でタバコが使うか使わないかについては、表現の自由にかかわる問題であり、集団的な圧力製作者にかけることの問題点学会が十分認識されているのかはなはだ疑問です。

また「学生が『タバコくれ』と友人にタバコをもらう場面などは未成年者の喫煙助長し、国内法の『未成年喫煙禁止法』にも抵触するおそれがあります事実、公開中のこの映画には小学生も含む多くの子どもたちが映画館に足を運んでいます過去の出来事とはいえ、さまざまな場面での喫煙シーンがこども達に与える影響は無視できません。」というご指摘については、「言葉狩り」ならぬ「表現狩り」に近く、NHK-BS等での過去実写映画の再放映についても逐一喫煙シーンをカットすべしというような、現代の映像焚書坑儒につながりかねません。

誰もが知らない無名学会ではありながら、有名医師や弁護士が名を連ねている貴学会表現の自由重要性を無視することはいかがなものでしょうか。研究者法律家社会的責任がいろいろな場面で取りざたされている昨今、貴学会におきましてもぜひ基本的人権の尊重をした学会活動をお願いいたします。

なお、このお願いは貴学会誹謗中傷する目的は一切なく、貴学会ますます繁栄し今後とも非喫煙者生活やす社会の構築に関わられることを心から希望しております

どうぞその旨をご理解いただき、学会活動にあたっては表現の自由の扱いについて、特段の留意をされますことを心より要望いたします。

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