2013-07-24

ヴィトゲンシュタインさんについて

一応20世紀哲学者だけど、最後の本である哲学探究』を書いたのが、確かギリ第二次大戦の終わり頃だったと思うから最近というほどでもない。「初歩的な勘違い」と言うけどさ、20世紀の初めごろなんて、それこそ「科学万能」の期待がまだあって、ヴィトゲンシュタインさんの分野である論理学にしても、「論理学が完全に言語曖昧さを解消し、哲学の問題を解決する」という期待感だって、まあ、あったわけ。

というか、むしろそれからたった半世紀で「言葉には定められた『意味』がある、というのは幻想だ」ということが常識として定着しちゃったということ自体が、すごいことなんだよ。

それに、前期の哲学だって、全く無効というわけではないんだよ。ごく日常的な場面とか、あらかじめルールが定まった言語世界…たとえば、コンピューターによる日常言語分析みたいな分野で、大きな力を発揮してる「生成文法」の考え方(N.チョムスキーさんなんかの)は、「論理哲学論考」がその出発点になったと言われてる。ネット翻訳サイトとか、翻訳アプリとか、意外なところで前期の哲学の子や孫たちは、今でも活躍してるんだよ。



http://anond.hatelabo.jp/20130722020017

  • 自分は哲学を専攻していたわけじゃないので、思想史的な詳細とか厳密なあれこれはすっ飛ばす。 こちら( http://anond.hatelabo.jp/20130724000643 )の人が既に仰っているけど、そもそもこれが...

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