2013-04-24

女子高生の股の中の記憶

長い雨が振り終わって、青空がそこに広がっていた。

僕は女子高生の股の中のどしゃぶりの思い出を思い出していたロンリーホリデイ

生きるとか死ぬとかどうでもいいと(カッコつけつつ)言ってて、作家を目指して引きこもっていたロンリーデイズ。

次第に人に会うのが億劫になってきて、コンビニの店員との微妙な受け答えすらもドギマギするようになって、

かかってきた知り合いからの電話に次第に出られなくなって、そしてメールも返信しなくなったロンリールーム。

「ほら、あたしの股を見て」と股を広げてくるようなお馬鹿な女子高生が目の前にいたような夢を見た気がするし、

見なかった気もする。「よし、じゃあ作品のためだ!」と、女子高生リフレに行こうと池袋のお店を検索したのだが、

どうやら先日ガサ入れが入っていたロンリータウン。

僕は何もなしとげていないほぼ二十歳のロンリートゥエンティ。

しばらく雨が降ったんだ。しばらく、黒い雲が空を覆って、しとしとと、雨が、振り続けていたんだ。

高円寺アパートで、日の当たらない部屋の中で、さらに日の当たらない日々を送ってそこにじっとりと座っていた。僕。

突然。

何故かはわからない。ただ、ドアのチャイムが鳴った気がした。雨はまだやんでいないのに。

ピンポーン。

て。

ユニクロで買ったスウェットを履き潰してボロボロにした格好のまま、僕はてっきり宗教の勧誘かと思って、玄関に出た。

出たんだ。

そこにはね、そう、股を広げた女子高生などは居なかったよ。女子高生は股を広げちゃいけなかったんだ。

本当は誰も居なかったんだよ。「そこ」にはね。

ただ、なんとなくピンポンの音が聞こえた気がして、ドアを開けてみたら、少しだけ雲が減ってる気がしてたんだ。

携帯を見た。2週間誰からの連絡もないけど、なんだか数カ月後には、2週間に一度くらいはメールが来るような気がして。


なんとなくだったんだ。僕が外に出て。歩いて。

ちょっと咳をして。ちょっと野良猫にウインクをしてみた。

長い雨が振り終わって、青空がそこに広がっていた。いや、広がっていた気がしただけなんだけど、ちょっと青く見えた。

高尚なひきこもりではないけれど、ちょっと考える時間があったから、僕はまっすぐ歩くことに躊躇しなくなった。


そう思って、今歩いている。

女子高生は股を広げなかったけれど、僕はちょっとだけ世界を広げてみようと思って。ロンリーライフ

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