2013-04-07

大学生GID(性同一性障害)の互助サークルを作れないだろうか?

私は性同一性障害当事者で、大学3年生になる。新歓期なので前々から思っていたことを書きたい。端的にいうと、大学生GIDの互助サークルを作るべきなのではないかと思っている。なぜならLGBTサークルでは解決できない問題を多々はらんでいるからだ。これに関して他の方の意見を聞けたらよいと思ってここに書く。

日本でも近年セクシャルマイノリティ、いわゆるLGBT(レズゲイバイセクシャルトランスジェンダー)に関する認知が高まりつつあり、都内の大きな大学ではセクシャルマイノリティのための互助の場としてのLGBTサークルなども増えてきた。早稲田にはGLOWが、東大にはUT-toposが、中央大にはLHが、慶応にはKolorsがある。関西地区にも大量にLGBTサークルを有する大学がある(これらのサークルのなかにはインカレのところもあるので他大から参加してくる場合も多々ある)。これによって多くの当事者に場の提供出会いの機会の提供がなされ、大きな成果になっていることは間違いないだろう。

だけど、これではGIDにとっては足りないと思う。何故これでは足りないのか?

LGBTの中でもT(トランスジェンダー)は問題の性質的意味で圧倒的に特殊だからだ。

特に以下の3点が大きな問題となってくる。

1. 必要とする助けの内容が違う

2. 数が違う

3. 見た目の問題が発生する

1.必要とする助けの内容が違う

LGBTサークルの主な目的は以下のようなもの

しかGID場合社会の理解が得られても、自分と同じ人たちと交流しても全く問題は解決しない。GID自分性別を移行しなければならないからだ。身体に薬を入れたり、外科手術をしたり、パスできるようなファッション、所作、(mtf場合は化粧やボイストレーニングでの変声)などをマスターしていかなければならない。就職活動バイト探しすら困難を極める。自分の望む性別就職できる人は今はまだ稀だろう。

上記の「性別移行に関わる問題」を解決するには多くプラクティカル情報交換や、お互いのフィードバックを出来るようなGIDコミュニティがあった方が良いのではないだろうか。特に外見的問題をより多く抱えるであろうMTFにとってはこういった情報交換が同世代の間でできる場が極めて少ないことは当事者にとって大きな問題となっているように思う。

ジェンダークリニックでは医療行為として診断や投薬はしてくれるが、GIDにとって必要性別移行のコーチングはしてもらえない。ある程度のパス度が確保出来ている人は実際にその性別集団内でやっていけるだろうが、それ以前の段階の人はアドバイスを受ける場すらあまり無い。大学生当事者同士でのやりとりは非常にプラスとなるだろうと思う。

トランスジェンダーの問題解決に本当に必要なのは生物学的な性と違う性で生きていくスキルの上達だ。それは他の運動系サークル文化系サークルと同じように日々しっかり知識を入れて、練習して、フィードバックを受けることが必要で、その目的を達成する上ではLGBTサークルだけでは足りないのだと思う。(繰り返すがmtfにとっての女装は非常に難易度が高い)

2.数が違う

ゲイレズビアンバイセクシャルは全人口の4%くらいとされている。(100人に4人程度)

一方でトランスジェンダーは全人口の0.01%程度である。(1万人に1人程度)

このレベルで少ないとなってくると、ちゃんとサステナブルコミュニティを維持するために必要な人数が、単一の大学内では保てなくなってくる。そうなってくると「都内」や「関西圏」といった単位インカレコミュニティとして運営していく必要が出てくるだろう。実際LGBTサークルのなかでも半数くらいはゲイで、トランスジェンダーは1割以下といったところが多いようだ。

3.見た目の問題が発生する

1でも少しだけ述べたが、GIDLGBTの中でも見た目の問題に多く悩まされる。生物的な性と違う格好をしていたらある程度見た目が不自然になるのは仕方ないことなのだが、そうなるとひと目見ただけで「GID集団だ」ということがわかってしまうし、アウティング意図せず自分GIDだとバレること)の危険性は非常に高まる。そうなると運営上のプライバシーの確保はLGBTサークルよりも一段落難しくなってくると思う。

以上のことを踏まえてどのようなサークルがありうるか考えてみた

目的

大学生GID性別移行をお互い助け合う」

活動内容

・月1回の「勉強会

都内でプライバシーの配慮された空間内で(その空間内ではお着替えやお化粧などもできることが望ましい)、性別移行に関するTipsの共有をしたり、実際にワークショップ形式で異性装、ロールプレイなどを行う。あとは交流会でわいわい。性別移行のその人のレベルに合わせて今必要なことを提供できると良いと思う。何も分からない新入生には異性装の機会を、ファッションいまいちな人にはコーディネートのアドバイスを、パス済で女子コミュニティの中でのコミュニケーションに問題を抱えてる人にはそのTipsを。

・個別の「コーチング

性別移行ができている人からまだの人にいろいろ直接アドバイスをする。服の買い物とかも。直接のフィードバックがやはり成長の近道なので。

バイト就職活動の支援

サークルとしてバイト正社員職を斡旋サークル構成員に対しては就職活動を支援。実際にある程度のパス度を担保できた段階に来たら、望む性でまずバイトしてみることはとても良い経験になる。そういった機会を企業側と協調して構成員に提供することができると思う。また、実際の就職活動においても団体として貢献できることは多々あると思う。企業に対してもリクルーティングできるというメリット提供することができるだろう。

・各大学に対してGIDへの配慮(体育の授業とかで)を求める

新歓

・各大学LGBTサークル連携してサークル内のメーリスで流してもらう。

ホームページによる集客

リアルでの情報収集が困難なGIDの人の情報源は、ほぼネットであるのにかかわらず、GIDLGBT系のサークルHPの運営はあんまり丁寧じゃなかったりもする。(逆にHPの運営の丁寧さとサークルの勧誘の成功度合いはLGBT界隈だととてもよく相関している気がする)ホームページには少し力を入れたらいかがだろうか、もう少しSEOを頑張るだけでも相当リーチは広がるはず。ソーシャルメディア活用はプライバシーの問題があるため、リーチを「広げる」という意味では意外と筋が悪いと思う。

活動資金

・加入費

企業からスポンサー

・(OBOGの資金援助)

筋がよいのは企業からスポンサーを募ることだと思う。ファッションアパレル系や新しいIT系企業などはセクシャルマイノリティに対して非常に理解があり、そういう活動に対しての援助の効果もしっかり理解してくれているので。また、先輩がとにかく後輩にGIVEして、その恩を育っていった後輩が今度はその後輩に大してGIVEしまくるという連鎖が起きるといいと思う。また、資金的な援助は難しいかもしれないけれど、ジェンダー的な学問をやっている教授の支援を得ながらその大学のその学部に支援を求めるなど、いろいろやり方はあると思う。



まとめ

大学生というのはGIDにとっては相当なチャンスだ。地方から出てきた人にとっては、一から新しく人間関係を構築できるチャンスだし、一人暮らしを始めた人にとっては、望む性でフルタイム生活してみることが出来るチャンスだ。ホルモン療法をはじめるのも大学生のうちであれば見た目をほぼ完全に女性に持っていくことも可能だ。大学生のうちに性別移行をはじめれば望む性で正社員として就職できる可能性も大いにある。そんな時期であるのに、性別移行の難しさや、当事者同士のコミュニティの無さから何もアクションできずにいる潜在的なGIDは相当数いるはずだ。そういった人をシステマチックに援助できる仕組みが作れると、良いのではないかと思う。そしてそうやって大学生を援助することで、社会にしっかり飛び立つGIDが増えることで、社会に対しても大きなインパクトをもたらすことができるのではないだろうか。

(自分MTFなのでややそちら目線の記事になってしまったことは申し訳ありません)

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