2013-04-06

ちょっと聞いてくれ。俺はもう何が何だかからなくなってきたんだ。

でもなんか、こんなことは増田しか言えなさそうなんで、書いてみた。

前提として、俺はもうすぐ40になる地方公務員だ。働き出して20年近くになる。

最初から二つ目職場を、2年で異動になった。

それがケチのつき始めで、いくつもの職場を転々としてきた。

1年しか居着かなかった職場も三つある。

新人の頃、一つ目の職場飲み会二次会で、説教をされた。

曰く、仕事を覚えろ。毎日仕事をもしこれが完成しなければ辞めるつもりでやれとか。

精神論を信用していない俺には、全然響かない言葉ではあった。

そう説教した人間は、毎日サビ残をして、予算書にくびったけで電卓を叩きまくっていた。

何を悩んでいるのかさっぱりわからなかった。いつも顔色が悪かった。胃薬を飲んでいた。

俺は紙で何億もの予算管理するのは、大変で非効率的だと感じていた。

効率化しないのかと聞いたことがある。この場合は、パソコンでも使えと言う意味だが。

誰でもができる方法でないといけないから、変えられないと言う返答だった。

まり、異動して次の人間が来た時に、その人間パソコン使えない人間だったらどうするのかと。

知ったことかと思った。世の中には既にExcelWordAccess存在していたのだ。

仕事を覚える前に、鉛筆の握り方覚えろよと。

百年前の人間が紙と鉛筆仕事していたからって、今の俺らも紙と鉛筆しか使えないなんてことはないだろうに。

結局、仕事のものが忙しいので、仕事の遣り方を見直す時間がないのだと考えるしかなかった。

とは言え、組織の硬直性と言うものに直面した俺は、それを学習し、今後は何も言わないことにした。

言うだけ無駄だ。言えば言った人間阿呆扱いされるんだ。やってられるか。

正直に言うと、俺はその仕事を俺がするんでなくてよかったと思った。やっていたら発狂するかもとも。

俺の仕事は、遅かった。そりゃ、紙を使っていたからだ。

台帳を開いて、対象者を選び出し、書き写してリスト化し、全員に葉書を送る。無論、全て手書きだ。

ゲロ吐きそうだった。

既にコンピュータで処理している部署もあったが、俺の部署は場末だったので、そんな予算はつかなかった。

調べる限り、昭和47年あたりからずっと同じ遣り方をやっていたようだ。

何のためのこだわりなのか、全くわからなかった。これで一体誰が得するんだ?

本来奉仕する対象である自治体住民にとって、それは何か意味を持つのか?

俺自身も、台帳をAccessに入れようとした。

ただ、当時の俺はやはり未熟で業務知識も充分ではなく、

必要な要件を十分に洗い出せず、テーブル構造デザインの時点で何度も手戻りしたりして、うまく行かなかったのだ。

こういうのは今だから表現できることだが、当時はどうして失敗したのかもうまく言えなかった。

その挫折もまた、上司たちにとってはサボりに見えたようだ。上司たちはデータベースと言う言葉を知らなかった。

そんな状況だったので、飲み会で俺は散々に哀れまれた。怒られたのではない。哀れまれたのだ。

そいつはお説教と言う形で俺を指導しようとした。ついでに愚痴も盛大に吐いた。

「お前さあ、縁故で入ったとか、そういうことない?」

彼の名誉のために言うと、侮蔑的なニュアンスはなかった。

彼は本気で俺のことが心配だったようだ。情には厚かったのだ。徹底的にスタンスは違って、多分今でも相容れないだろうが。

当時、俺の一族に公務員はいた。確かにいた。だが、その影響力をどうやって調べればいいのかは、未だにわからない。

縁故採用、突き詰めれば汚職であり腐敗なのだが、「あんたは汚職したのか?」と聞いてはいと答える奴はいない。

仕事、うまくできてないだろ?」

是。それでもやっている。

「そうじゃなくて、言われた通りにまずはやれよ、何も考えず」

考えないと動けない。考えて、何をやると決めて、だから動ける。考えるなとは、動くなと同じことだ。

「……いや、指示通りに動けば」

そうやってきた。あんたも見てきた通りに。

「そうじゃなくて」

埒があかない。仕事ができてないと評価するならそれでもいい。なら、仕事の遣り方を示すべきだ。今すぐ。

「だから

仕事の遣り方を教えてください。

「だから

仕事の遣り方を教えてください。

「だから

仕事の遣り方を教えてください。

しばらく黙った後、彼はこう言った。

「……お前は正しいよ」

からなんだ、と俺は思った。俺が知りたいのは仕事の遣り方であって、俺の評価ではない。

評価は既に聞いた。同じことを何度も繰り返しても意味がないではないか

結局、俺を仕事ができていないと評する割に、その基準が本人の中でも明確ではないのだ。

俺は彼を憎悪したと思う。どんだけ衷心から出た言葉行為であろうとも、ただの老害の繰り言だ。そんなものを大人しく聞かされる身にもなってみろ。

その後も彼は何度か同じセリフを繰り返したが、俺は彼を無視した。

結局、仕事の遣り方は自分体感するしかないのだ。試行錯誤して、実践の中でつかみとっていくしかない。

やっていく内に、いつかは開眼すると信じるしかない。つまり、今までと同じだ。

二つ目職場を異動になった時は、俺だけが動いて他の人間は全く動かなかった。

この時、俺は上から無能だと思われていることを感じ取った。

期待されてない。そうか。なら好きにやるか。そう思った。異動自体はありがたかった。

頑張らなかった。最低限のことをやった。

仕事効率化はした。自分の手の届く範囲で。それを周囲に提供したりはしなかった。求められなかったから。

言えばそれだけ煙たがられる。言わない方がマシだ。

人事からは何も聞かれなかった。上司からも何も聞かれなかった。異動し続けて今日にいたった。

四月の異動。俺は動いた。新しい職場での飲み会に参加した。

職場次長から言われた。

「お前、すぐに異動するってことは、どういう評価を受けているかわかってるよな」

「わかってます。低いんでしょ」

「本来、新人が来るポストにお前が来た。お前の仕事は減らしてある。つまり、周囲に負担がかかっていると言うことだ。お前に大事仕事は任せられん。だが、与えられた仕事はきっちりこなせ。その上で他人の仕事を奪っていけ」

40近い男が、ここまで言われたよ。これまでの20年は、全くの無駄だったってことだ。40のルーキー。すごいね

「お前、惰性でここまできたんじゃないのか。仕事をする意味はわかってるのか」

自治体住民のためでしょう」

「それがわかってるならなんで」

自分のやってることが本当に自治体住民のためになっているのか、そういう実感を得たことは一度もないですよ。それぞれの職場理屈はわかりますけどね」

「……」

「何をやったらそういう実感が得られるのか、俺には判らないです」

俺は散々におかしいとかずれてるとか言われた。だからなんなんだ。判らないものは判らないのだ。20年近く試してみたその結果だ。

そしてずれてるからなんなんだ。お前もやはり、評価するだけでこうすればいいとか言えない老害なのか。

肚が決まった。今度はうるさくしてやる。他人の仕事に首をツッコミ続けてやる。来年の異動の理由は「うるさいから」で決まりだ。覚悟しろよ糞野郎ども。

  • 本心から思う。楽そうな仕事してんだなと。

  • http://anond.hatelabo.jp/20130406152146

  • http://anond.hatelabo.jp/20130406152146 この増田を読んで思った事を書く。直接元増田への応答というわけではないが、多少関係はあるかもしれない。   世の中には「正しい事をしているのに何...

  • この人の内的な物語はどうでもいいんだが、自治体住民から言えば、この人、給料泥棒だよね。 給料泥棒だ。税金泥棒でもある。びっくりだ。 普通そういう精神的なやりくりは高校生く...

  • 中途採用ならともかく、新卒から公務員という規則ガチガチな職場に入っておいてまだそんなこと言ってるのか。 仕事のやり方が非効率的だとしても、あなたの一存で変えちゃまずいで...

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