「あの寂しい機械の少女や、血の宿命に翻弄された姉妹、前世の記憶に囚われた少女は? 狂気の扉を開けてしまったあの少女達は?」
「みんな みんな しあわせになりました」
「それじゃ駄目かな」
「御都合主義だ 説明不足だ」
「そう言って 怒るかな 笑うかな」
「でもさぁ」
「不幸な少女が不幸のまま終わる物語より、悲しみや不幸だけを感動だと感知するシステムよりいいと思うんだ」
「だからさ」
「不幸な女の子はこれ以上不幸にはならないのです」
「理由も伏線もなく、ただ」
「もう悲しみの一つも彼女たちにあたえるべきではないんだ」
「そして、物語は終わる」
「そっと」
「しあわせに、終わる」
秋葉凪人『はっぱ系・再』