■夏がおわる
はじめての、みじかい夏だった。
いえ、夏にならんとした結晶が、思ったとおり、夏のおわりと共に砕けてしまった。
そのくせ私はといえば、砕けないでと祈りながらも、砕けないためにと何をすることもしなかった。
こじらせ続けている自意識とかを壊せるかもしれないと先月までは思えていたのに、
相変わらず真夏日のままの天候とは裏腹に、カレンダーをめくった途端、無鉄砲さも勇気もぷしゅうと萎んでいった。
後ろめたい関係では全くないけれど、こっそり、だいすきな人を、こっそりと好きでい続けている。
ツイートシェア