2012-07-16

東北電力やらせ発言問題は「やらせ」ではない

http://megalodon.jp/2012-0716-1030-48/www.kahoku.co.jp/news/2012/07/20120716t11008.htm

事実(Facts)

(1)一国民としての意見を個人の立場で述べる会であった。

エネルギー政策の見直しを進める政府エネルギー環境会議は15日、将来の原発依存選択肢などに関する意見聴取会を仙台市内で開いた。」「細野豪志環境相は終了後、「個人の意見が出てくる形が一番いい」とし、8月1日に予定される福島市の聴取会に向け「できるだけ地元意見を聞けるように工夫したい」と述べた。」

(2)発言者9人のうち、東北電力関係者が2名いた。

原発推進立場意見を述べた3人中2人が東北電力関係者だった」

(3)発言者は「会社としての考えを述べる」と前置きして発言した

「発言した東北関係者執行役員企画部長と、OB東北エネルギー懇談会の幹部。ともに総発電量に占める原発比率が最も高い「20~25%」案を支持。企画部長は「会社の考えとして話したい」とし、経済性など原発の意義を強調した。」



推測(Inferences)

(4)一般に、組織(それも管理側下部)に所属する個人が、「個人の資格」で「組織の考えを述べる」という風潮は日本では稀である

(5)「抽選」で東北電力関係者が2名選ばれ、それぞれ電力会社に都合のよい意見のみを述べるのが偶然と言えるのか。

(6)そもそも意見聴取会自体が「やらせ」ではないのか。



http://megalodon.jp/2012-0716-1058-49/www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012071690071108.html

事実2(Facts-2)

(7)3択の選択肢は、「A原発ゼロ」「B依存低下(といっても15%)」「C今と同じ(20~25%←むしろ増えてる)」

   すなわち、「段階的に、0~15%以下に抑制する」という、一見一番まともな選択肢はない。

(8)東北から選ばれた電力関係者以外の発言者意見では、5名中4名がA案、1名がB案

「15%と20~25%案は東北電力関係者二人のほか、東京都会社員二人、神奈川県会社員一人と、いびつな発言構成」

(9)仮に会場で多数決を取れば2/3以上の意見でA案採用の可能性

意見表明を希望したのが九十三人で、0%案が六十六人、15%案が十四人、20~25%案が十三人」ちなみに、聴取会参加者は130名なので、66名は過半数。



推測2(Inferences-2)

(10)選ばれた数を見れば、C案13人のうち9人程度は東北電力関係者であったと推測される(約2/3)。

(11)「個人として」参加したつもりの人間が「会社の」という言い方はしないだろう。

(12)3択の選択肢自体に、原発推進意図が見える。聴取会の主催自体の意図がそこに関わっている。

(13)「会場にいた仙台市男性会社員(35)は「推進の考えでも、一般の人の意見を聞きたかった」と憤っていた。」とある普通に考えて推進のためにはその方が有利であるにも関わらず、上記のような経緯になったのは、「一般人から推進意見が出ることは想定できない」と考えられているためである



意見(Opinion)

(14)「やらせ」というのは少なくとも人を欺こうという意図の下に行われるものであるが、「会社として」と堂々と述べている以上、欺こうという意図はない。従って、これは「電力関係者による国民意見聴取会の乗っ取り」と表現されるのが正しい。

(15)また、それが可能になった理由は、「恣意的な3案の設定」「3案から均等に発言者を選ぶという前提」による。これは主催者の設定であり、このことから主催者もこの乗っ取りを認めていた可能性が高い。

(16)所詮ポーズしかない「意見聴取会」でさえ「反原発意見高まることを危惧するあまり意見聴取会を乗っ取るような露骨なやり方で、情報恣意的に操作しよう、あるいはそれができる、と考える人々がいるようだ。

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