2012-03-30

維新リスト捏造問題の経緯まとめと雑感

維新側の建前と実態が錯綜していて複雑なので簡単にまとめてみた。基本的には「表向きの」経緯で、括弧書きは考察

2011年5月捏造犯氏が大阪市交通局嘱託職員に採用される。嘱託職員のため労組には加入していない

2011年11月維新ダブル選挙に勝利

2011年11月捏造犯氏が維新杉村市議に接触、交流が始まる

2012年1月頃、捏造犯氏が維新政治塾に応募

2012年1月23日交通局の職員証更新のために作られた「職員証発行対象者リスト」を元に、捏造犯氏が労組の内部文書を捏造する。公式には捏造犯氏の独断で行われたとされる

2012年1月28日、上記捏造文書を杉村市議メールで送付(※捏造のもの杉村氏が関与していないという建前での話)

2012年1月31日捏造犯氏が捏造文書を印刷したものを「原本」と称し杉村市議に送付(※同上)

2012年2月6日杉村市議捏造文書をマスコミに公開。橋下市長を始めとして党・マスコミ挙げての大批判キャンペーンが始まる。ここまで維新マスコミ共に裏取り作業は一切行われていない

維新内部では不自然な点が多く捏造ではないかという声が上がっていたが、維新大阪市議員幹事長の美延氏が公開を決定。杉村氏・橋下氏・美延氏などは捏造に全く気づいておらず職員に尋ねたり労組を問いただすまでもなく本物であると思い込んでいたという建前になっている(※問題に直接関与していない維新議員は疑念があったと後から言っているケースが多い、後述)

2012年2月7日労組は文書が捏造であると反論。また、「交通局内の事務で使われる職員番号や給与の支払先などが含まれている」(※労組が知らない情報だし、リストに使われている意味もない)、「法律上組合に所属出来ない管理職を含め、非組合員リストに含まれている」(※元が職員証管理リストなので部門丸ごと全員入っていた)、などが捏造の根拠として指摘される

この時点で識者の間に捏造の可能性が高いという認識が広まる。労組問題を(維新側の依頼で)調査している第三者委の野村弁護士までもが抗議するが無視される。マスコミ捏造説を完全スルー

2012年2月9日、当問題を受けて大阪市職員に対し思想調査アンケート実施される。労組法曹界などから違法性が指摘される

2012年2月9日交通管理職退職金凍結が検討開始(※管理職が片っ端から含まれていた問題を「捏造の証拠」ではなく「本来労組に入れない管理職がヤミ加入していた証拠」だと維新が主張したため)

2012年2月10日市議会にて杉村市議質問に立つ。信憑性が非常に高く、捏造しようがない、として労組を激しく非難(※どうしてそう思ったのかは不明)

2012年2月17日、職員思想調査の違法性を認め、調査が凍結される

2012年3月2日労組捏造文書について被疑者不明で文書偽造の刑事告発

2012年3月14日維新の会が「労組への情報漏洩」について守秘義務違反刑事告発(※これは捏造犯氏を告発したものではなく、「文書が本物」であるなら「職員番号や給与の支払先などを労組に漏らした犯人」が存在するはずであり、その「労組への情報漏洩」を告発したもの。もちろんそんな事件も犯人も実在しない)

2012年3月26日交通局の全PCログを調査した結果、捏造犯が特定される(※いつもの維新ならこれも「労組ログ改竄した」とか主張しそうなものだが、セキュリティ企業による情報漏洩対策用のログツールによる追跡なので完全に詰んでしまった)

 

いくつか明らかにおかしな点と、疑問点がある

捏造は本当に捏造犯氏の独断によるものなのか。杉村氏に捏造文書が渡ったとされるまでの経緯が明らかになっていない

維新内部ではどの程度この文書が捏造であるという認識があったのか。杉村氏や橋下氏はともかく、直接関与していない維新議員からは「当時から捏造だと思っていた」との声が今更上がっている。一体どういうことか

議会で文書が間違いなく真正であるとして労組を強く非難しており、また文書を根拠に刑事告発までしている

もし「捏造である」という認識が当時からあったのならば、良くて名誉毀損場合によっては維新自体が捏造事件の共犯となるので偽計業務妨害になる(告発被疑者不明で行われているため虚偽告訴罪(誣告罪)は免れるだろう)

・今更「捏造だと思ってました」とか言ってる連中が口だけで、実は維新全員本気であれを本物だと思っていたなんてことになると、それはそれで酷い馬鹿の集団ということになって問題。ただしこちらの方が法的にはマシである(これなら維新犯罪者ではなくただの馬鹿という扱いに持ち込める)

・橋下氏は「濡れ衣を晴らしたのは維新のおかげ」と言っているが、維新捏造犯を特定することに対して何一つ協力していない

少なくとも14日の時点でもまだ維新的には文書は真正であり「組合員の中にいるはずの(ということにしないと維新的に都合が悪い)労組への情報漏洩犯を告発する」などとやっている

そもそも論として杉村氏は捏造犯氏(当時は「内部告発者氏」)を最初から知っていた。にもかかわらず、交通局が全PCログ調査して捏造犯氏を特定という経緯を辿っている時点で、庇う維新と追う(労組の苦情を受けた)交通局という構図である。橋下氏の発言は完全にウソである

 

以下私的雑感。

杉村氏が捏造犯と共謀したかどうかは微妙なところであろうと思われる。五分五分ではなかろうか。

一方、橋下氏が捏造のものに関与した可能性はというと、それはかなり低いだろう。さすがにリスクが高すぎる。

捏造と気づいたタイミングだが、恐らく2月7日の時点で維新内ではほぼ全員がこれは捏造だと気づいていたのではないだろうか。

当該問題に対する労組の反論は極めて妥当であり、まともな感覚で見れば労組が本気で捏造に怒っているのは明らかだった。労組の反論に対する維新の反論、つまり「職員番号などが含まれている→組合員労組情報漏洩した証拠だ」だの「非組合員が含まれている→ヤミ加入の証拠だ」だのはあまりに無理筋であり、さすがに言ってる維新自分で信じてはいなかっただろう。

問題の中核となる杉村氏や橋下氏以外は3月30日現在「当初から捏造だと思っていた」と証言しており、杉村氏や橋下氏だけが突出して馬鹿だというのでなければ初期からみんな分かっていたと考える方が妥当だ。

まり2月7日以降は維新捏造であることを知りながら、労組を陥れるためにウソを上塗りし続けてきたと考えられる。

これは道義的にも法的にももちろんアウトであるが、政局的・政争的にどうかというとあながち間違いだったとは言えない。

というのは、維新は完全にマスコミを抱き込んでおり、これほどに材料の揃った3月14日の段階ですらまだ本物だと強弁して世論を信じさせることに成功していた。労組がどう反論してきても労組側に悪魔の証明を強いて水掛け論に持ち込めば、メディア露出の機会が圧倒的に多い維新の側が絶対有利になる。

維新にとって大きな誤算だったのは情報漏洩対策の操作ログ存在だろう。本当は操作ログが出てきても「労組改竄したんだ」とでも言い張るつもりだったのではないか。もしこの操作ログが外部(民間)セキュリティ企業によるものでなければ、この件も水掛け論に持ち込んでウソはつき通せたと思われる。

今後の維新に対する追求だが、メディアの興味が既に薄れつつあることを考えると嵌め得(市民捏造文書を信じたまま)になる可能性が高いと思われる。ただ、維新側の口裏合わせが上手く行っていないのはあまり良くない。全員が口を揃えて「本物だと信じ切っていました」と言わないとそこが綻びになる可能性がある。

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