2012-01-31

ウェハース魔女にならないために知っておくべきこと

『まどか☆マギカ』 まどかウエハースを140枚購入してカードをコンプリートしたスレ民・・・ | やらおん!


上記の記事を見るに、どうやら25枚のカードを手に入れるためにウェハースを140個開けたスレ民がウェハース魔女に食べられたようなんだ。というよりもはや本人が絶望してウェハース魔女になりかねない。むしろ俺なら魔女化する。それにしてもこのシャルのやつかわいいな。

もうすぐビックリマンシール(第1弾)も復刻されるとかされないやらで、人々の蒐集欲はどの時代もとどまることを知らない。ビックリマンシールは第1弾の37種類に新キャラが3種類増えて全部で40種類。全部で40枚だったら…うん、ダブリも考慮して60枚ぐらい買えばコンプリートできそう!

そんな甘い考えだからひとはすぐに絶望しちゃうんだよ!

コンプリートするために、どれだけの犠牲が必要なのか。

さて、ここからちょっと算数の時間。苦手なひとや結果だけ知りたいひとは次の見出しまで跳躍してくれるといいよ。

この問題は「Coupon collector's problem」として有名な問題で、日本語だと「食玩問題」とか言われたりします。食玩ってあたりがなんだか日本の文化って感じ。

さて、全部で n 種類のシールがあるとして、1種類目を手に入れるために必要な購入回数を t1 、1種類目を手に入れてから2種類目を手に入れるために必要な購入回数を t2 、一般化して、k-1 種類目を手に入れてから k 種類目を手に入れるのに必要な購入回数を tk で表しましょう。するとコンプリートに必要な購入回数 T は t1 + t2 + ... + tn-1 + tn になりますね。あとはこの犠牲 T の期待値 E(T) を求めてやればいいことになります。そして期待値は足し算を分けて考えれる便利な性質があるので、それぞれの E(tk) を求めてやりましょうか。

確率 p で起きる事象が1回起きるまでの期待回数は 1/p ですね(幾何分布ってやつ)。確率0.5なら2回、確率0.1なら10回ってのは直観的にもなんとなーくわかってもらえそう。E(tk) は 全 n 種類のうち、まだもってない n-k+1 種類を引き当てるまでの期待回数なので、 (n-k+1)/n の逆数、つまり n/(n-k+1) です。

あとはこれを全部足し合わせると、次のようになります

E(T) = E(t1) + E(t2) + ... + E(tn-1) + E(tn)

   = n/n + n/(n-1) + ... + n/2 + n/1

   = n ( 1/1 + 1/2 + ... + 1/(n-1) + 1/n )

これだと足し算がいっぱいあって計算しづらいのでちょこちょこっと大学数学の結果を使っちゃうと、ほぼ次のようになります。どうしてこうなるか知りたいひとは教科書でもみとけ。

E(T) = n ( log(n) + 0.5772 ) + 0.5

全25種類のまどかカードを集めるために

さて、上の式をEXCELにぶちこんで計算してみますセル$A$1に全部で何種類かをいれて、次の算式をどこでもいいので適当セルコピペしてぽちっとな

=$A$1*(ln($A$1)+0.5772)+0.5

では颯爽とセル$A$1に25と入力してみると…おっと、95.4019、え、96個…? たった25種類集めるのに…? どうしてこうなった…。

何回やっても何回やっても最後の3つが出てこない

単純に考えて、ラスト1個を引き当てるためには平均して n 回の犠牲が必要。最後から2番目には平均して n/2 回、最後から3番目には平均して n/3 回。ではまどかカード場合この3種類を集めるのに平均して 25 + 12.5 + 8.333 = 46 回必要です。裏を返すと、コンプリートまであと3種類!ってところまでは 96 - 46 = 50 回ぐらいでたどりつけるということです。なんてことでしょう。最後の3種類を集めるためだけにほぼそれまでと同じぐらいの回数をこなさなければいけないなんて。もう最後の3つは諦めてショップで買ったほうがいいんじゃね…。

ちなみに、セル$A$1にビックリマンシールの40種類を入力すると、172回という驚きの結果が返ってきます。一部界隈で非難轟々だったように復刻版は1個30円じゃなくて84円なので、およそ14500円かかるというわけですね。ひぇー…あ、いや、案外普通だった。大きいお兄さんならなんとかなるな。

ただし、ここではキラシールみたいなレア物の確率考慮してないので、実際はもっと期待回数はあがるんじゃないかな。

冒頭の彼はそもそも運がどれくらい悪かったのか。

計算が複雑になるのでここでは扱う気全くないですが、 x 個買った時にコンプリートできる確率ってのも当然考えることができますこちらのサイトには導出のイメージ計算機が公開されてるので感謝しつつ計算してみましょう。冒頭のひとは140個目で揃ったということなので、

おまけの種類の数:25

これから欲しい数:25

これから買う数:139

として計算すると…0.9169とでました。つまり、139回の犠牲をはらってもコンプリートできない人は全体のおよそ 8.3% これは40人のクラスに3.3人ぐらいの計算ですね。たしかにだいぶ運が悪い方だとは思いますが、各クラスから3.3人も魔女が出てたらそれはそれは大変なこと。

知らなかったゆえに絶望して魔女化して魔法少女に倒されグリーフシードとして消費される。でもほむらちゃんにならわたし消費されてもいいかなって、ティヒヒ。


(追記)最近話題のニートアイドル

似たような話で、アイマスシンデレラガールズになぜ大きなお兄さんは大金を突っ込むのかって話が盛り上がってたのでご紹介だよ。最後の3枚を集めるのはほんと鬼畜だってばよ

モバイルSNSゲームが儲かる本当の理由。かーずSPはなぜ15万もつぎ込んだのか?

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  • ノーマルなカードはヤフオクで多数枚バラ売りしてる出品者から安いうちにまとめて落札して レアカードの入札にはそれなりの金額で落札した方が安くすみそうだな

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