2011-11-15

有名人になるということ

あの頃の私はなんで有名になりたかったんだろう。

過度な期待を背負い、プレッシャーとも常に戦い続けなければならない。

才能なんてない。才能があると言っているのは周りの人間だけだ。

自分でそう感じたことなんて一度もない。

それでももてはやされて、だから期待に答えなければ見捨てられる。

努力して、努力して、でも努力していることは表にだせなくて、

「才能がある」と振舞わなきゃいけない。

結果がでなかったら地獄だ。

どんなに努力しても結果がでないこともある。

みんなそうだと思うけど、有名人であるがゆえ叩かれる。

あいつはもうだめだ」

あいつの時代はおわった」

と。

ついさっきまで私に笑顔で話していた人も

私がいなくなると他の人と私の文句で会話に花を咲かせている。

優しそうな目で近づいてきて

当たり障りのない会話をして、仲良くしてきて、

こちらが少し心を開いて、悩みなんて打ち明けてしまったら、

次の日にはネタにされている。

結果がでなかった時も、手のひらを返したように「あっち側」に立って石を投げてくる。

もう誰も信じられない。

プライバシーなんてどこにもない。

変装しててもばれることもある。

でも声をかけられることは意外と少ない。

私を見ているのは誰かの目ではなく、携帯レンズだ。

そしてネット投稿される。

すぐに居場所がバレる。

どこで何をして何を食べていたかもバレる。

もうこの世界に生きるのが疲れた。

昔の自分に戻りたい。

普通の生活を送りたい。

でも周りはそれを許さない。

自分で選んだ道でしょ」と。

「ファンが悲しむでしょ」と。

でも私はこの世界にいないと価値がないみたい。

私の気持ちはどうなるんだろう。

「見ず知らずの人達に好き放題批評されて、落ち度は何ひとつ許されなくて。

どんな悪口もデマ有名税だとか言われて反論も出来なくて。

みんなあたし達の事、同じ人間だと思ってないんだよ」

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