2011-11-10

オリンパスの「粉飾」を擁護する

オリンパス経営陣が叩かれている。

だがちょっと待って欲しい。

ずっと以前の経営陣が残した、有価証券投資の隠し赤字があるとする。

選択肢は3つある。

1.我が社の過去経営陣はこんなことしてました! と公表しちゃう。

2.何も触れずに隠し続ける。

3.なんとかして最終処理をする。

「粉飾M&A」以前の経営陣は、十年以上も2.を選び続けた。先送りだ。

いま叩かれている「粉飾M&A」当時の経営陣は3.を選んだ。

そして、例の外国人社長は1.を選んだ。

ほんとうに責任ある態度はどれだろうか?

1.を選ぶのはある意味簡単だ。過去経営陣を徹底的に悪者にすればいい。

自分は悪を暴いたヒーローになれる。

だが、当時の経営陣はほんとうに悪なのか?

バブル崩壊の荒波をくぐり抜けるために、必要なこともあっただろう。

はっきり言って、みんなやっていたことだ。

日本企業は、終身雇用に基づく家族的な経営が強みだと言われる。

先代の経営陣は、先代の家長ということだ。

それを裏切ることがほんとうにいいことなのか?

カジノ会社のカネを突っ込んだ大王製紙の件は、擁護のしようがない。

だが、オリンパスの件は本質的に全く違う、と私は思うのである

先代の失敗である隠し赤字を、「M&Aの失敗」、つまり今の経営陣の失敗ということにして世に出した。

先代の名誉を守り、自ら泥をかぶったのだ。

そして、それ(M&Aの失敗)は市場に受容された上で、高い株価になっていたのである

あのまま、誰も騒がなければ一番良かったのだ。

そうすれば最終処理は成功していた。

株価も高いままだっただろう。

それが、ほんとうの株主重視なのではないか

正義の名の下に、安全地帯から叩くことが好きな人が多すぎる、と私は思う。

彼らにとって、株主重視というのは、もはや株主を重視することではなく、単なる正義のためのお題目なんだろう。

  • 本来なら債務不履行に陥って破綻していた会社を生き延びさせるためのコストを、嘘の開示情報に騙されて投資していた株主の財布から拝借していたというだけのこと。 「家族的経営」...

  • 論旨は分かるんだけど ・投資で失敗して赤字作った人と その赤字を 2.何も触れずに隠し続ける。 してた人と 3.なんとかして最終処理をする。 した人は 全部同じ人だぜ。

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