2011-06-30

さようならいじめっ子

踏み切りを渡ろうとしたとき名前を呼ばれたような気がして振り向いた。

「久しぶりだね。増田

誰だかわからずいぶかしんでいたら、向こうから自己紹介してくれた。

信じられなかった。

彼女中学時代、私をいじめていた主犯だった。

まりに親しげに、何もなかったかのように話しかけられて正直面食らった。

何を話したのかはよく思い出せない。

「懐かしいね。」

「そうだね。」

「元気にしてる?」

「元気にしてる。」

とそんな何気ない、親しい同級生が久しぶりに再会したときのような会話をしたような気がする。

ただ「今何してるの?」といわれて

大学院法律勉強をしてる」と返事をしたことだけは覚えている。

あのときの、相手の顔を。

ゆがんだ顔だった。

中学ギリギリ卒業したお前が、私より上の立場になっているとは思わなかった。)

顔にはそう書いてあった。

「ふぅん、頭よかったもんね」

踏み切りが鳴った。

「じゃあ、私行くから

「あ、連絡したいから、携帯教えて」

このままでは、電車に乗り遅れると思って、赤外線で交換した。

断ってごねられても面倒だと思った。

電車ロングシートに座ってまもなく携帯が震えた。

『久しぶりに会えて嬉しかった。また仲良くしてね』。

めまいがした。

深呼吸して、私はそのメールを消した。

それから、交換したばかりのアドレスも消した。

躊躇はなかった。

高校から大学時代の初期まで、私はこの中学時代のいじめを引きずり、色々とつらい思いも沢山した。

高校入学後はしばらくフラッシュバックもあった。

今でも当時のことを思い出すのはつらい。

でも、もう私の世界彼女は居ない。

私の世界から彼女はいつの間にかきれいさっぱり消えていた。

顔を見ても思い出せないほどに。

中学生のあの頃、殺してやりたいほど憎んだ相手なのに。

私は今、おいしいご飯をたべて、大切な人に囲まれ、幸せに眠っています

辛いこともしんどいこともあるけど、沢山笑って生きています

この世界のどこにも、あなたが入ってくる余地はありません。

できれば、私の知らないところで、サイコーに不幸になっててくれたら嬉しいけれど…。

でも、普段の生活であなたを思い出したりしないので、どうでもいいことです

私の人生に、あなたは要らない。

もう二度と、近寄らないで。

さようならいじめっ子

  • 加害者が居なくなってから、復帰して少し経つのですが、フラッシュバックに悩んでいます。 増田のように、さよなら、加害者とは言える状態ではないです。 もう囚われてから数年が経...

    • 元増田です この話は中学卒業後、干支が一週くらいしてからの話です。 忘れるためにかかった年数は片手では無理でした。 途中で信頼できるカウンセラーや友人に出会い信頼関係を...

  • 『久しぶりに会えて嬉しかった。また仲良くしてね』。 めまいがした。 あぁ、なんかこれ判るわ。 中学の時、特定の奴を笑うのが決まり、みたいになるときあるんだよな。 「あいつ...

  • 何故それを送信しないのだ その場で言葉が詰まるのはわかる だがなんであとからメールでそう言わないのだ きちんと乗り越えられていないじゃないか

  • いいなあ。いじめられっ子でただの無職のおっさんだけど、うらやましいよ。 男だとかつてのいじめっ子が親しげにしてくるってことはあんまり無い気がする

  • この記事を見て思ったこと http://anond.hatelabo.jp/20110630125005 久々にいじめ関係ですっきりする記事を読んだ。 ネットには 「いじめられっ子はいじめのコト覚えていて、いじめっこはいじ...

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