2011-05-04

Jから手紙 ~ 文系博士の実情及びキャリアパスについて(候補と

TLに流れてきた某日帝文系博士魂の叫び

 

このままおいておいても腐ってしまうので鮭の卵のように放流です

 

皆様の就職 / 入院選択に幸あらんことを m(_ _)m


仮に1年間生きるのに必要な最低限のお金家賃込み200万円、研究費50万円、学費50万円としよう。バイトの時給を1500円としても、300万円稼ぐには年2000時間、週40時間働かないといけない

@t もし病気もせず、家族も持たず、貯金も必要なければ、ね。

ただし希望はある。新興宗教を見ていれば解るけれど、とことんニッチ市場を追求すると、あなた一人が辛うじて食べられる程度の収益を上げられるだけのコンテンツ生産・販売することは、それほど困難なことではない。

院生問題」が内部では永久に解決しないのは、意志決定権を握る教員にとって、院生が「競争相手」であるからだということを忘れちゃいけない。正義の味方を演じたいアホ教員たちは、「敵に塩」なんてバカなことは絶対にしない。必ず正義は勝たねばならないのだから

最後に、これではあまりに夢がないので、「博士就職」について、少しだけ書いておく。

博士まで行って就職するのと、学士修士就職するのとどちらが良いか?」というのは、正直答えるのが難しい。職種や業種によってあまりに違うから。ただ、「どちらが易しいか」ならば、明らかに後者


私は幸運にもいくつかの企業から内定をいただけたけれど、国内企業はすべて書類落ち、外資でも1つの企業ではひたすら圧迫面接だった。いかに私がモラトリアムに浸かっているか、私の研究無意味であるかを延々説かれる1時間×3セットは、鬱になりかけた。

もちろんその企業は落ちたが。

私を書類で落とした会社は全部潰れちゃえ。っていうか今後じっくり時間をかけてすべて潰す。

一言で言うと、私が内定を取れたのは、1. 頭の回転がとてもとても速いこと(いわゆる地頭) 2. 自分研究をより一般的な体験として語れたこと 3. コンサル用の話し方へとがんばってアジャストしたこと これに尽きると思う。

結論から言うと、すべての博士学生コンサルになれるとは思わないし、向いているとも思わない。私だって、実際は来年4月になるまで解りはしない。だから博士コンサルを目指すべきとも、就職すべきとも思わない。

2. については、既に述べたので省略して、1.と3.について少しだけ書いておく。

一般に、採用担当者大学大学院での専門にはまったく興味がない。早い話がなんでも良い。

これから以降の話は、「外資コンサル」のみに該当することだから、注意。

彼らが興味を持つのは、1. 中高を含めた学校歴 2. 素早く的確な分析能力 3. 他の事例から解決策を持ってくる結合力(アイデア) 4. 人間的なおもしろさ の4つ。

1. については、博士は相当高くないとダメ学部だけではなくて、中高もしっかり見ている。私について言えば、学校歴は問題なかったけど、文系であるが故にMcK社では「この人、数字計算とか大丈夫なの?」という会話が裏でなされていたそうな。

2. については、「とにかく速く目星を立てて、それを検証する能力」が大事。研究だと、どれだけ時間をかけても網羅的であることが求められるけれど、面接ではそんなの求められない。速さと、常識的な範囲での網羅性。

3.は飛ばして、4.はすごく難しい。McK社には五大陸最高峰制覇最年少記録保持者とかもいたらしいけど、そういうのでなくても、「まったく違う人とでも、良い関係を築くことのできそうなイメージ」という感じ。

いろんな企業があるけれど、一般に博士就職に対する風当たりは非常に厳しい大学の中でもいろいろな妨害や誹謗を受けるし、外でも色物扱いされるのは避けられない。でも、それを乗り越えるだけの能力精神力があれば、何とかなる。

先ほどの繰り返しになるけれど、私はすべての博士就職できるとも、すべきだとも思わない。ただ、研究の道は一般に考えられている以上に厳しいこと、研究以外の人生もあって、まだ完全に道がふさがれている訳ではないということは、知っておいて欲しい

多くの博士自分研究分野で素晴らしい業績を挙げ、自分には才能も努力もあると思っているのだろうし、それは間違いではないのだろうと思う。ただ、あなた能力や知識、技能には、他の活かし方もあるのです

日々の研究生活で視野狭窄に陥って、高いリスクを伴う研究の道しかないなんて思い込まないでください。また、自分を「外」へ開くことを恐れないでください。

今回の一連の書き込みが、TL上の博士の皆様が今後を考える上で、少しでも参考になれば幸いです

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