殺したいほど憎いのに、気づけばその人の一挙一動を追い一喜一憂している。
はやくもっと苦しんで無様に泣けば良いのにと、その気持ち一つでずっと生きている。
あの人は酷く自分に似ていて(それは外見でもだし内面でもだし、あるいは育った環境だってそうだ)だからこんなにも苦しい。
でもそれは自分だけれど決して自分じゃなくて、知らない場所で笑ったり怒ったり食べたり眠ったりしている。
それはとても不気味な事だ。
もう一人なんていらないのにと思うのだけれど、きっとあの人も同じことを考えているのだろう。
ふと考えた。
もし本当にあの人が死んでしまったら自分はどうするのだろうかと。
一晩考えて、多分、一緒に死んでしまうのだろうなと結論付けた。