2010-11-20

今日もまた、クマだとかイノシシだとか、

近頃、山に関する問題の解決に、狼を輸入するとかどんぐりを撒くのがダメだとか聞くけど、そんな馬鹿げた事にお金使わずに、間伐・枝打ち・下草柴刈り等々、お山のお仕事お金出してくれればいいのになぁと思っている。

でもまぁ、仕分けられちゃってるくらいだから、実現は無理かな。

何が山に関する問題の原因になってるかというと、山が痩せちゃってる事なんだよね。

先ほど挙げた作業を行うと、まず山の地面に光があたるようになる、これを下草や柴が取り込み、それをまた刈ることで土に戻す。

この一連の作業を続けることで、土にエネルギーを蓄えることが出来る。

日本の山の周辺の人たちは、この作業をずっと続けていた。

山に住む生き物達も、この恩恵を受け、それに頼った生態系を作り上げていた。

ところが現代の山は、痩せた木が好き放題みっちりと生え、足元は低木や笹が茂って地面に光なんかあたらない。

土のエネルギーは昔ほどありはしないだろう。

痩せた木々の生える森、病気にすぐに負けて次々と枯れてしまう木がそれを物語っているんじゃないだろうか?

土にエネルギーが十分に蓄えられていると、ちょっとくらい日照りが続いたって、雨が多くたって、植物がその影響を受け止めてくれる。

だけど今の状況じゃ、日照りが続いたり寒かったり雨が長かったりすると、植物が耐え切れなくてとたんに影響が出る。

例えば、ヤマノイモは低木のあまり生えない山道の側や道路沿いに多く生えている。

養分が少なく土の流れやすい場所だが、そんな所でしか彼らは成長に必要な日光を得ることが出来ない。

だからちょっと雨が多いと土と一緒に流されてしまうのだ。

山に光さえ入ってくればヤマノイモはもっと他の場所で育つことが出来るはずだ。

知らない人のために言っておくと、ヤマノイモの地下茎やツルにつくムカゴは食用である。当然野生動物のエサとなる。

山の仕事を止めた結果、起こっている事をもうひとつ紹介してみよう。

昔を知っている人達なら夏に山に来ればすぐにわかる筈だが、カブトムシが小型化してるのだ。

皆さんの記憶の中では、蜜場を独占してスズメバチカナブンを追い払っている姿があるだろう。

今の彼らはスズメバチに追い立てられて逃げてしまうのだ。スズメバチよりも小さい事が多いだから当然なのだが、なんとも情けない。

しかし、小さくならねば彼らは生きていけないからしょうがないのだ。

間隔の詰まった木々の生える森では大きな体では飛び難い、幼虫のえさとなる腐葉土肥料として作る農家の人は居ないし、足元の低木に邪魔されて落ち葉があまり積もらない土では幼虫は大きくなれない。

カブトムシは里の人々に頼って大きくなり繁栄した動物だったのだ。

言われなくては気がつかない人も多いだろうが、カブトムシの幼虫はイノシシを初めとする雑食動物蛋白源のひとつである。

晩秋までに10cm程度の大きさに成長して冬眠するため、重要なエサなのだ。

無論、こんな例で山に関する問題のすべてを説明しているわけじゃないけれど、間伐・枝打ち・下草柴刈り等々、お山のお仕事は問題の解決に役立ってくれるのです。

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