2010-11-10

田舎町と寂寥感と死

末梢神経が痛い。身体の節々が痛い。痛くて痛くて、身体が曲がってしまいそうだ。

今年もまた冬が来る。子供の頃は平気だった。僕の地方ではあまり雪が降らない。

雪が降ったら、みんな大喜びで走り回ったものだ。

それが今では、ただひたすらに寒さから逃げ回っている。あの時の快活さはどこへ行ったのだろう。

二十代後半で未だに工場仕事をしているが、年を取るごとに寒さが僕の中で重大な問題になっていく。

神経が痛くて、手が思うように動かない。仕事もはかどらない。

『ちょっとトイレ』と言って、トイレの中で手を首と衣服の隙間に入れて暖める。血行が良くなっていく。

これも仕事だ、これも仕事だ…そんな言葉呪詛のように何度もつぶやきながら、

僕はトイレの中で手を暖めた。

僕は何をやっているのだろう。

僕はふと、トイレの中を眺めた。

日の光がわずかしか入らないので、仄かに薄暗い。窓からは斜陽と、斜陽によって気だるさを増した

田舎道が見える。

寒さによって、空気がしんと張り付いている。

遠方からは、つまらない仕事の作業音が聞こえてくる。

少し、幻想的だ。

可能性がないこと、不可逆的なこと、絶望的なことは、幻想的になりえるのだろうか。

田舎町の閉塞感は、とてもつらい。しかしなぜだか、自分が死んでいくような心地よさも感じる。

さて、仕事に戻ろう。

今日も僕は死んでゆく。

  • 文学的になってないで生姜飲め。シナモンかけろ。蜂蜜もいいぞ。 三日間くらい唐辛子入りの食い物食べ続けろ。 毎晩湯を張って体を休ませろ。 古人の知恵が本領発揮するのは30から...

  • どのような仕事の工場なのかがわからんので、出来ないことだったらごめんな。   体本体が寒くないのに手足が冷たくなるならば、 腰のところに使い捨てカイロ貼ってみるといい。 血...

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