2010-08-19

羽生の神の一手?について

http://d.hatena.ne.jp/tsumiyama/20100818/p1

このエントリの△3六歩について

盤面の局面は、後手(羽生)わずかに有利だが互角の形勢

先手(久保)が後手の王に迫っており、後手も上手く指さないとこのまま互角の戦いが続くかもしれない終盤の局面です。

 

件の△3六歩は、確実に先手の王に迫る手ではありますが、それ自体は、先手の王に危険が無いなんでもない手であり

(次の3七歩成を実現させて初めて厳しいが、それもまだ詰めろではなく先手に余裕がある)

上のエントリの通り、先手にそのまま攻めきられる手が無いとも限らず

ここで3六歩と歩を進めるのは、一見、どうぞ攻めてくださいと相手に攻撃の手番を渡し、形勢を互角に戻すぬるい手、いわゆる「緩手」であるおそれがありました。

(実際、すぐに角をとって、3七歩成とした局面から、先手が正解を指し続ければ、わずかに先手がしのいでいた可能性があるようです。)

ですので、プロの第一感からは、こういう手は成立しそうにない(他にもっと良い手があるはずだ)となったのでしょう。

 

上記エントリは、わかりやすく説明されているおかげで、逆に当然の一手のような感触をもつかもしれませんが

リアルタイムで観戦していると、この手はtwitterにおいても2chにおいても「羽生さんやらかしたかも?」というような懐疑的な反応でした。

(こういう手を読むのが不得手ともいわれていますが、ソフトの形勢判断でも一気に先手わずかに有利だが互角の評価に数値がふれました。)

しかし、よくよく検討してみると、、

あれ?待てよ?後手に迫る順がどう指しても見つからない。

久保残り10分…これは迷う…。

やっぱり、後手の王がどうにも寄らない。

寄らないよ、寄らないんだよ!羽生すげえええええ!!

と、なったのでした。

羽生さんのコメントによると、他には「全然攻め手がないんです」だそうで、これ以外の手にはアヤがあり自信が無い、必然の一手と見ていたのかもしれません。

もしかして先手が指せる順があったのかどうかは解説を待つことになります。

 

そもそも、この対局、後から考えてみると意味がわかる、一見意味がわからない手が他にも指されており

54手目の△8六歩も、打った瞬間、先手に明快な攻め筋があり、どうぞ攻めてくださいという意味が掴めない手でした。

(後の検討で他の攻め方をすれば先手十分とされる筋があったようです。)

エントリの局面でとられそうになっている4九角を打った44手目を羽生さんは失敗したと反省していたとのコメントもあることから

後から意味を推測するに、4九にいる角を復活させるための手(角を左金ではなく右金でとらせるため)だったのかもしれなかったり

そして、これまた検討されていなかった8六歩、そして後の3六歩に繋がる62手目の△2八歩打という手もあったりで

このような怪しげな歩の連発に、終わってみると、これをどこから読んでいたんだ…。あれが指せる羽生さんはやはり恐ろしい。

と思わされた人が多かったのではないでしょうか。

 

どなたかが、対局後に「神対人間代表の対局。人間代表の久保はよく頑張った。」と書かれていたのを見ましたが

これは言い過ぎとしても、リアルタイムで中継を見ていた人ほど、3六歩に集約される一連の手に人外の何かを思わされる羽生さんの快勝譜でした。

しかし、久保二冠も本当に強い棋士で、この2人の対局は現在の棋界No.1対No.2の黄金カードですので

次の竜王挑戦者決定戦第2局もどのような将棋になるのか、楽しみですね。

 

棋力もないし、説明も上手いとも思えませんが、指された瞬間の空気をフォローしてみました。

 

とにかく、将棋って面白いんですよっと。

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