2010-08-19

ギズモードの湯木イタコ訳がマジすごいので感動したよ

ギズモードジャパンの「自由過ぎるAndroidユーザー敬遠され始めてる? 悲劇のガラケー化する懸念まで噴出中...」という記事が話題だけど、コメントでも指摘されてるように超訳ですごいよ。っていうか訳ですらない。翻訳するとき、ちょっと文の構成をいじっちゃったとか、勢いで書かれてないことまでコメントを付け加えちゃったとか、そういう冒険でドキドキすることもあるわけですけども、湯木訳はもう本文以外の電波的ななにかを受信しているとしか思えない。マジでイタコレベル。感動した。イタコ訳と名付けよう。

これがイタコ訳。

http://www.gizmodo.jp/2010/08/android_10.html

「原文」になってるもの。

http://gizmodo.com/5593264/bloatware-creeps-into-android-phones

ちゃんとした訳は下のURLにあるので見比べながら楽しもう。

http://trans-aid.jp/viewer/?id=12179&lang=ja

イタコ訳:自由過ぎるAndroidユーザー敬遠され始めてる? 悲劇のガラケー化する懸念まで噴出中...

まとも訳:ブロートウェアがAndroid携帯に忍び寄る

そもそも米国人の文章なのにガラケー化の懸念が出てくるはずがない。いきなり日本仕様で先制パンチ。百歩譲って米国の非スマートフォンガラケーなんだと考えたところで、原文には「多機能携帯の再来」とあるだけ。

イタコ訳:改めてiPhoneが見直される動きにも!

iPhoneにブロートウェアがないという話はある。原文はそれだけ。対立構造煽りまくりPV稼ぎまくり

イタコ訳:実はユーザーの間で大きな苦情の嵐になり始めている問題が表面化してきていますよ。

「大きな苦情の嵐になり始めている」が日本語としてよく分からない。苦情の予測ができるに違いない。すごい。

イタコ訳:実のところ、弊社としましても、本当のところは最初からスマートフォン本体にアプリプリインストールするのではなく、ユーザーの皆さまが自由に後で欲しいアプリだけをAndroid Marketなどのアプリストアからダウンロードする方式を推奨していきたいと考えています。でも、この点で最終決定権を握っているのは、一般的に携帯電話キャリアのほうでして、弊社もキャリアの方針には従わざるを得ない状況になっています。やはりキャリア側は、ただ単に端末を販売するのみならず、その後の売上げを確保することも含めたビジネスプランを立てていかないといけないでしょうから...

まとも訳:「端末によっても、携帯電話会社によっても十人十色だ」と、HTC広報担当者であるキース・ノバックは言う。「とはいえ総じて、携帯電話会社の都合でインストールされ、その収益源になっていると言えるのではないか。」(略)「われわれは提携する携帯電話会社と歩調を合わせなければならない。」ただ、「消費者に選択権を委ね、Verizonのように、プリインストールされたアプリを別途ストアに移したいと考えている」

一番戦慄したHTCコメント部分。原文ではこれだけ。これぞイタコHTCの人の心が読める。っていうかHTCの人が「従わざるを得ない」とか言うはずない。インタビュー先が口を割らなくてもなんでも書ける。

イタコ訳:現在Androidケータイで問題になってきているBloatwareは、フィーチャーフォンの古き良き時代を思い出させるものでもあります。携帯電話メーカーキャリアも、とにかく他社のモデルとは違う面をアピールしようとするあまり、さまざまな音楽サービスコミュニケーションソフトなんかを搭載して、かえって多くのユーザーが使わない機能ばかりで膨れ上がった携帯電話の新モデルが次から次へと販売される事態を招きました。それが特にAndroidを搭載するスマートフォンでも生じるようになったということですね。滑稽なことに、メーカーキャリアは、まさかユーザープリインストールされている数多くのソフトウェアアプリを消し去りたいとまではだれも思っていないなどと決め込んでいるのですが、実際にはその逆のようです。アップルiPhoneでは、最初からキャリアによってプリインストールされているものなんてほとんどありませんけど、Androidならば販売後も売上げを伸ばせそうなソフトウェアアプリを自由に入れられることに着目したキャリア側が極端に走っていることに、ユーザー不快感すら覚えていますよ。データ通信プランだけでは思ったように利益が伸びないキャリアジレンマは理解できますが、ここで判断を誤ると、かえって消費者キャリアから離れていく逆効果になってしまうでしょうね。

まとも訳:「かつての多機能携帯の再来だ」と、Forrester Researchのチャールズ・ゴルヴィンは言う。「端末メーカーキャリアは、メッセージング機能や音楽機能で多機能携帯差別化を図ろうとしていた。同様の戦略スマートフォンでもなされようとしている。」今のところ、これらのプリインストールアプリを削除することは不可能だ。ゴルヴィンは言う。「多くの携帯電話会社は、消費者がそれらに注意を払ったり、削除したいとまで考えているとは思ってもいないのでいだろうか。」

こちらはForrester Researchのチャールズ・ゴルヴィンによるコメント部分。なにこれ。湯木進悟は神か。我々に見えないものが見えるのか。

イタコ訳:どのAndroidケータイを買ってきても、ほぼ間違いなく米国内では多種多彩なソフトウェアアプリプリインストールされている状態です。

まとも訳:もっとも、全てのスマートフォンがそうだ、という訳ではない。AT&TiPhoneに余計なソフトウェアを入れないようにしているし、モトローラのDroidには基本的なアプリしか搭載されていない。GoogleT-Mobileもまた、Nexus Oneにブロートウェアを入れようとする誘惑に抗している。

訳で意味が反対になるパターン。DroidやNexus OneAndroid。原文読んでない。原文なしでも出来る訳。天才。

イタコ訳:おまけに多くのアプリが、最初の試用期間のみ無料であるものの、一定期間が過ぎると勝手に有料に切り替わって、利用料金を請求される羽目になるというイワクつきだったりもするんですよね...

例えばなに? 書いてない。原文にも書いてない。彼だけが知ってる。本当に翻訳家か。それとも全知全能か。

イタコ訳:現時点では、BloatwareがAndroidケータイシステム面で与えている影響はストレージ容量の占有くらいに限られていますけど、今後はCPUパフォーマンスにまで深刻な影響を及ぼすレベルになってくれば、もう消費者も黙ってはいないでしょう。そして、とにかくユーザー獲得競争が熾烈な携帯電話業界では、消費者に見限られるほど恐ろしいことはありません。ですから、自然AndroidケータイのBloatwareも減少傾向をたどって沈静化していくのではないでしょうか。とりわけパソコンよりもリソースの限られるスマートフォンでは、もしBloatwareの問題が根強くなると、一気にユーザーの不満が爆発する方向にだって進みかねませんからね。

まとも訳:現在のところ、携帯端末におけるブロートウェアは、システムリソースではなくむしろストレージを占有するという点で問題である。新規顧客の獲得に鎬を削るAT&TやVerizonが、プリインストールアプリに関して一線を踏み越えてしまうことはないだろう、そうゴルヴィンは考える。「市場は飽和している。顧客の流失を黙って見過ごすことは許されない。」

ふたたびゴルヴィンのコメント。なんかこれくらいならまだ翻訳っぽいかもと思ってくる。日本中の翻訳家歓喜。すごすぎる。

まだまだあるけどきりがない。マジ感動した。この訳を読んだあと、原文を読むとふつうすぎてつまらないもの。これぞエンターテイメント。神の業。湯木イタコ訳に今後とも注目。

(原文側のHTCコメントが不足してたので追記。ブクマコメント感謝

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