2010-06-23

民主党の新成長戦略官僚の作文以下の出来

新成長戦略

官僚の作文以下の出来である。

経済活性化させるのに重要なのは、ポンプ役の働きにある。資本主義経済計画経済共産主義に勝ったのは、国内においてお金を回転させる役割を、企業が担った為である。

企業お金を稼がせて、稼がせた分だけ使わせる事で、国内経済は回るのである。

国家税金を取って、それを国民にばら撒いて使ってくださいというのでは、誰も富を生産しない。自給自足が可能な国家税金という制度が必要無い地下資源国でなければ、経済は回らないのである。企業という存在は、資本主義経済の根幹である。

資本主義国家において、貨幣を循環させるポンプ役は企業であり、企業に稼がせた分だけ使わせなければ、どんなことをやっても、お金は回らない。お金を回す為に企業という存在を許容するのが、資本主義本質である。

消費税を上げるとか、法人税を下げるといった事をやって対策をしているというアリバイ作りをしても、事態は悪化するだけである。自民党政権時代にさんざんやった事であり、その失敗を批判してきた民主党が、同じ事をやろうとしている。

行政企業で十数年間働いた人に、スピンアウトして起業する事を合理的であると判断させる状況を作り出さない限り、内需は回復しないし、日本工業力や知的財産権生産力も、衰えていくばかりとなる。その為には、法人税を引き上げる代わりに、配当を経費認定して、企業内部留保銀行からの融資に頼る仕組みを終わらせる必要がある。

銀行から借りたお金に対する元利返済は経費認定されるのに、株主から預かったお金に対する配当は経費認定されないという状況は、法人税を確実に取る為という建前と、資金繰り銀行融資依存させて行政指導や許認可に従わざるを得ない状況を作り出すという本音から始まったが、その体制を長く続けすぎて、土地資産の含み益や内部留保が溜まり、無借金経営行政指導に従わないという所や、行政を取り込んで政治的に圧力を加えるという企業が現れるようになって、破綻した。

世界基準で見たときに、資本額のリストの上位に日本企業が並ぶようになると、不都合となったのである。japan bashingは、貿易黒字だけで始まったのではない。

国際的な企業になればbashingは受けなくて済むという事で、多国籍企業化を目指し、アメリカ不動産企業を買い漁って大失敗したり、最近は、中国に進出して大火傷をしているが、資本の規模が大きくても、内部留保不動産といった生産性の低い資産がほとんどで、見てくれに比べて実力皆無というのが、日本企業の実態であり、内部留保株主還元しろという意見が出てくるようになってしまった。

法人税が下がれば、内部留保を増やしやすくなる。銀行に頭を下げて融資を引き出したり、投資家を説得して増資を集めるよりも、内部留保を使う方が、はるかに簡単に動けるが、このやり方では、既存企業ばかりが太るだけとなり、起業をしようという物好きは出てこなくなる。さらに、競争をする意味が無くなるのだから、内部留保を、退職金として受け取るまで減らさない事が一番合理的となり、投資雇用消失していくだけとなる。

法人税を引き上げる代わりに、配当を経費認定する事で、内部留保よりも、従業員や株主お金を出す事になり、従業員や配当を受ける株主は、当然、増資に応じるかどうかを判断することになる。既存企業に新規事業としてやらせるという判断もあるし、スピンアウトした元従業員に出資をつけてやらせるという選択も可能となり、起業する者に資金を手に入れる可能性が出てくるようになる。

あとは、接待費査定を少し緩め、経費天国を復活させる事であろう。官僚には接待費がないからというひがみ根性で接待費を絞ったら、街のバーやクラブは軒並み不景気になるし、タクシーも深夜の長距離客が居なくなる。一生官僚やっているよりも、起業した方が豊かになれるし、それで失敗しても、水商売タクシーの運転手という受け皿があるという状況を作り出さないと、天下り先や税金に寄生している人々を減らせない。

排他的独占的運用がなされている特許権実用新案権も、上場企業のような帳簿が信頼できる企業については、権利者が定めた料金を支払いさえすれば利用できるようにする代わりに、最長15年という権利の存続期限を取り払うという運用基準の変更も必要であろう。上場企業の帳簿の監査は、弁護士会計士仕事であり、法科大学院で量産された弁護士の働き場所となり得る。医療賠償や国家賠償、筋の無いゴネ得狙いの訴訟といった屑仕事しかないのでは、ひまわりバッジが泣いている。

国際価格に比べて10倍以上高価な日本の米価や農産物、半分近くが税金ガソリン代、年金保険といった公課と、日本人は、税外の税を負担している。これらの負担は国民の税負担の統計には出てこないが、一般会計の3倍以上の規模の特別会計を支えている。見かけの実効税率を4倍したのが、実際の国民の負担と考えて差し支えない。見かけの実行税率を見て、まだまだ国際的に低い税率だから消費税を上げる余地があるというのは、特別会計を支えているお金が、どこから出ているのかを考えていないという事である。

他人の意見を聞くのは重要であるが、意見を聞いたら、その意見を言った人の背景について調べなければならない。大企業の幹部は法人税を引き下げて内部留保を増やし退職金として受け取れる金額を上積みした方がメリットとなるし、競争相手が出てこないような知的財産権や懲罰的賠償制度を望む。新聞社のような所得の高い人は直接税を引き上げられるくらいならば、消費税を引き上げた方が被害が少ないと判断する。たとえ社会的経済的に間違っていても、個人の利益を優先するのが人間であり、嘘でも100回繰り返せば真実になる、騙される方が悪いというのが、そういう主張をする人の考えである。

[2010.6.20]

http://www11.ocn.ne.jp/~ques/diary/diary.html

  • 作文技術で官僚に勝てたら逆にびっくりするわ。官僚は通常東大とか高学歴でそういう技術ばかり小さい頃から磨いてきたのだし、政治家がサッカーでJリーガーに負けたと罵るようなも...

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