2010-03-30

祝儀

結婚式披露宴のご祝儀が1万円だったと文句を言っている人の記事と、それについて付いているコメントを見かけたので思うことを書いて見る。

まず、常識的には3万円は出すものだとは俺も思う。感情論を敢えて除外しても、出さないと陰口等々のリスクが高すぎて割に合わないし、新郎新婦がかけているコストとのバランスがあるからな。その意味で、1万円しか包まなかった人は賢明ではないと思う。(ただし、地域差とか経済事情等々もあるから、事情によってはもっと少なくても良い場面もあるとは思うけど。)

でも、1万円しか出さなかった人を新郎新婦が非難したり、あまつさえ1万円じゃ赤字だとか言い始めるのはおかしいと思う。そもそも、披露宴というのは、新郎新婦が披露したくて開くイベントだ。会場選択も料理の選択も引き出物の選択も、言葉は悪いが、新郎新婦自己満足で決めたものだ。そして、多くの場合、出席者はそんなものは望んでいない。あくまで、新郎新婦を祝いたい気持ちが強いから出席しているだけだ。だから、例えば1人辺り2万円かかったから、出席者は最低でも2万円を払うべきだとか言う損得勘定はしてはいけない(少なくとも他人に見せてはいけない)ものだと思う。あくまで、建前上は、自分達の結婚自分達が披露したくて開くんだから全額を自費で出すのが当然だと思う。所詮は建前ではあるけど、そこは崩しちゃいけないところだと思う。全額自費で出すと破産間違い無しだとかいうなら、そんな分不相応な披露宴はそもそも開くべきじゃないんだと思う。

つまり、ご祝儀というのは、あくまで善意によるもので、新郎新婦権利であってはいけないと思う。披露宴の負担を少しでも減らして貰えれば、それだけで新郎新婦感謝しなくてはならないものだと思う。そして、第三者も、その新郎新婦感謝を尊重して、余計な口出しはしてはいけないものだと思う。額の大小より前に、祝いにわざわざ来てくれたこと自体に価値があるんだから。

更に言うなら、ご祝儀を3万円出さないなら来るなとかいう人がいるけど、余りにも暴論だと思う。新郎新婦は、そもそもご祝儀の額次第で「来るな」とか言うような相手を招待すべきじゃない。それこそ、ご祝儀目当てで呼んでいると認めるようなものだ。あくまで、自分達が披露したいと思う相手を呼んでいるのだから、来てくれたこと自体を感謝すべきだと思う。そして、第三者が他人の結婚式について、ご祝儀を出さないような奴は参加するななんて勝手ルールを押しつけるべきでもないと思う。

これらのことを前提にした上で、日本では相互扶助の観点から新郎新婦の負担を押さえるために、3万円というご祝儀を渡すという「善意」が常識として定着しているものだと思う。このご祝儀があくまで(本来はしなくていいのに)善意でやっているということが大事なのであって、まかり間違っても新郎新婦権利だと認識するようなことはあってはいけないことだと思う。金勘定もそりゃ大事だけど、何というか、守らなくてはいけない建前というものもあるんじゃないかと思う次第。

そして、義務ではないのに、出席者は祝いの気持ちや費用負担への配慮を込めてご祝儀を渡すからこそ、良いものなんじゃないだろうか。暗黙上の義務ではあっても、言葉にしてはいけないものもあるんじゃないだろうか。

(まあ、元の記事では、新婦は1万円しか出さなかった出席者の結婚式では3万円を包んだそうだから、その意味では新婦が不満を感じるのは人情だと思う。だけど、それは、あくまで上記のような話を前提としたものでなければならないと思う。)

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