2009-12-16

とても根が深いサブカルミーハー問題。『このマンガがすごい2010』を読んで。

いつも通り今年にも年末がやってきた。毎年、12月はその1年間の回顧に当てられる。

だから、本当は1年は11ヶ月だと言ってもいい。残りの1ヶ月は11ヶ月を振り返ってるだけなんだから。

この小説がよかった、この事件がすごかった、こんなことが起きた……etc

そして、その年のランキングが作られるのが常である。2009年映画ベスト10とか。

今年は2000年代締めくくりの年でもあるので、2000年代ベスト10が作られたりもしている。

ランキングは議論を活発にしてくれる。オレはこれだ、こんなののどこがいいんだ、いやいやあれだこれだ……。

そんなランキングの中でとりわけ醜いものといったら皆さんもご承知のとおり! 『このマンガがすごい』ですよね!

去年、一昨年とともに文化系センス難民を動員し、見事「これを抑えとけば通気取り」なラインナップでトップを埋め尽くしていました。

物の善し悪しをヴィレヴァンに下駄はかせてもらえなければ満足にマンガも読めない投票者たちの惨状にあちこちから苦言が呈されました。

そして、今年からはこの「脳が溶けるヴィレヴァン病」患者たちへの対策として、読者投票システムが導入されたのです!

その結果、見てください。1位『バクマン』! 2位『ワンピース』!! 去年と比べていかにこの二つが妥当か。

この二つはまさしく老若男女だれが読んでも面白く、どんな人間にでも薦められるものであり、

何より素晴らしいのはこの二つの読者は「通気取りできる漫画」という視点でマンガを消費していないのです。

純粋漫画読者なのであり、この二つは至高の純粋エンターテイメントで、センス競争に囚われたクズたちのオナニー道具じゃない。

しかし、まだまだ問題の根は深いですね。え? 五位が『モテキ』で六位が『ザワさん』? ……はぁ(ため息)。

さらには上のようなモテキやザワさんに投票しちゃうような悲しいオナニー中毒たちがネットで怪気炎を上げています。

「このランキングはおかしい!」「このラインナップじゃ通が気取れないじゃないか!!」

あ~、醜い!! なんて醜いんだ!! さっさと目を覚ますんだ!

漫画を、芸術を自らのセンスに下駄をはかすための道具として利用しないでくださ~い!!!

極めつけは偶然見つけたこのつぶやき

『あまり広く漫画を読んでないやつに投票させるからこうなるみたい』

おいおいおいおいおいおいおいおいおい! それ本気で言ってる?

広く漫画を読んでいないのはどっちだ! 純粋は気持ちで漫画を読んでいるのはどっちだ?

あんたらは他人の敷いた「この作品を消費したらセンスがいい」というレールに乗っかってるだけじゃないか。

自分で物を見、良し悪しを判断し、愛することができない哀れな小鹿たちじゃないか。

もう本当にやめていただきたい。こんなセンスいいと見られたいがためだけに作品を消費するような、

脳みそ空っぽのかっこつけ文化難民を治療してやることが、2010年代課題である。

キミたちはミーハーなんだよ? わかる??? 対象がJ-POPじゃなくてサブカルなだけ。

そして、本当はミーハー自分を、ヴィレヴァンサブカル商品で身を固めなきゃ肯定できないような体質が、

この問題の本質なんだ。ねぇ、苦しくない? 凡庸なあなたを直視し、認めようよ。

そうじゃなきゃ一生、純粋漫画が楽しめないよ。

苦しみながら自分を肯定するためだけにモテキを読んでいるキミと、

ただワンピースを楽しんでいるジャンプ読者。どっちがただしい漫画読みだろう?

最後にキミたちがこれから弄び始める作品を予言して終わる。

「『看護助手のナナちゃん』(を読んでるオレ)がすごい!」とか言い始めるんでしょ?どう?

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