2009-10-12

アフガニスタンの血の犠牲の影で、最も裨益するのは中国

戦争の隣で中国企業アフガニスタン鉱山開発、それを守る米兵

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オバマ政権は依然としてアフガニスタンへの四万人増派に慎重である。

現場ではマクリスタル司令官が「増派がないと勝ち目はない」と語り、ゲーツ国防長官ホワイトハウスに早期決定を促し、ところが与党民主党が反対するばかりか早期撤退論に転換、さらに皮肉にも野党共和党が増派賛成という奇妙な政治構造に陥った。

アフガニスタンにおける犠牲は増えつづけ、米兵の死者は800名を突破NATO軍が数百。

一方で、兵力を派遣していない中国は、はやばやとカブール南方の銅鉱山開発に着手し、(このアイナク鉱山には鉄鉱石、金、銅のほか宝石類の埋蔵が確認されており、中国国有企業が数億ドル落札)、そのサイトを米兵が守備している。

アフガニスタン経済復興の目玉でもあり、巨大なジレンマのなかで米、NATOの苦肉の選択である。

しかし米国内には「安保ただ乗り論」として嘗ての日本の替わりに中国批判がぼつぼつと登場し始めた。「アフガニスタンへ西側が安全保障の理由から深く介入したことが、中国戦略的野望の実現に貢献する」(IHI,10月8日ロバート・カプランが寄稿)。

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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 

    平成21年(2009年)10月8日(木曜日

       通巻第2734号  

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