僕は、いわゆるセクシャルマイノリティだ。
セクシャルマイノリティっていうと、「同性愛? 両性愛?」って言われそうだけど、ネットで調べて見ると、ほんとはもっと人によってタイプも程度もバラバラで、いわばグラデーションのようになってるらしい (いわゆる「普通」の人でも、100%混じりっけなしで異性愛!! っていうのは、逆に少ないんだそうだ)。
僕の場合、生物学的には男。精神的にも男。でも好きになるのは男性も女性もで(どういうわけか、好きな男性のタイプと好きな女性のタイプにはあんまり関係がない)、ただし男性を好きな気持ちの方が強い。そんな感じ。
いろいろ考えた結果、カミングアウトはしないことにした(だからここに書くのがある意味初カミングアウトだ)。たぶんバレるから、こっそり同性と付き合うこともしない(としか思ってなかったはずなのに、異性とも付き合うことなく童貞のまま今に至るが)。だけど、好きなタイプの人がいれば好きになっちゃう。それは止められない。そんな感じ。
普段できるだけ人に迷惑がかからないといいなと思って過ごしてるけど、やっぱりかかっちゃってるよなぁと思うことが2つあるので、ここで書かせてほしい。
一つ目は、好きなタイプの男性を目で追っちゃうこと。例えば友人であったり、後輩であったり、コンビニのレジであったり、すれ違った人であったり。ちょっとした服装とか細かい仕草とかで「わー、この人いいなぁ」とか思っちゃうことがあって、その度につい見てしまう。女性の仕草に置き換えて考えてみてもらえば、「普通」の男性にもある程度わかってもらえるんじゃないかと思うけど、僕の場合の問題はその対象が同性だということだ。正直言うと、「いいなぁ」と思った人を、用もないのにじっと見てしまうこともある。たぶん周囲の人にはバレてるんだろうな。興奮すると顔に出る方だし。で、そういうことすると気持ち悪いだろうなというのもわかってる。僕にも「こういうタイプの人に色目使われたりしたら気持ち悪いと感じる」っていうのはあるので。わかってるんだけど、見ないようにしてるんだけど、つい見てしまっている。悪意はないんです。できるだけ見ないように努力もしています。でも気持ち悪いよね。本当にごめんなさい。
二つ目は、セクシャルマイノリティの「先輩」にあたる人たちに対して。セクシャルマイノリティっていうのは、その名の通り少数派なわけで、特に生理に関わる部分の話なわけで、多数派である「普通」の人たちから見たら、どうしたって「よくわからない。気持ち悪い」というのが最初に出てきちゃうのは仕方がない。その上で、現在のように「セクシャルマイノリティっていうのは黙殺したり排斥したりすればすむようなものじゃなくて、社会の中に確かに存在しているんだ。それなのに一方的に差別や偏見を受けるのはおかしいんだ」という主張が認められるようになってきたのは、「世間がどうだろうが、自分たちはセクシャルマイノリティであることを公言してやってくぜ!」ということをやった人たちだったり、そもそもセクシャルマイノリティって何なのかということを真剣に考えた人たちがいたからだ。僕が特に悩んでいた頃に、ネットでそういう人たちが発信している情報に触れられてどれだけありがたかったことか。でも、僕が今やっているように、カミングアウトもせず、セクシャルマイノリティの中で好きになれる人を探すこともせず、みたいなのは、極論すれば彼らに対する裏切りのようなものだ。戦ってる人から恩恵だけ受けておいて自分は安全地帯、みたいな。本当にごめんなさい。
あと、こんな文章目にしたくもなかったという人にも、ごめんなさい。どうしても一度言葉にしたかったのです。
戦うのも胸に秘めるのも、その人の自由だし 謝らなくてもいいと思うよ。
増田の好きになった人が「セクマイじゃない」とどうしてわかる?