2009-08-25

田中秀臣氏はリフレを実現させたくないのか?

2009-07-24 - Economics Lovers Live を読んだ。

ここで田中秀臣氏(id:tanakahidetomi)は、白川日銀総裁の会見を紹介した本石町日記のエントリーに言及している。その言及の仕方はまるでリフレ政策を実現させたくないかのようだ。もし田中氏がリフレ政策を実現させたいと考えているならば、敵を作る行為は慎むべきだ。


本石町氏(bank.of.japan氏のこと)は、馬鹿な質問を次のような正論答弁で退けた白川総裁に拍手を送っている。

・世の中の人々、苦しい人々の状況を理解するのは大事である

・年金生活者の苦しみは分るが、一方で景気が悪くなれば職を失う人の苦しみもある

・世の中には(金利面では)利害関係でいろいろなグループがある

・しかし、金融政策を狭い意味での(特定の)利害に配慮して運営するのは自殺行為だ

・(それゆえに)金融政策は独立性を持って(物価安定下の)持続的な成長を目指すしかない

白川総裁の答弁は正論である。それは田中氏も認めている。それなのに田中氏は、

 確かに金融政策は特定の利害に配慮して行いものではない。しかし特定の利害を強調して、自らの組織(この場合は日銀)に有利な政治的手札を切ることは頻繁に観察されることである。まさかこういうことを前にして、とてもではないが、この白川総裁の発言に拍手を送ることはできない。これが要するに僕がこの人のブログを読まない(読んでも用心する)理由である。

と書いて、本石町氏をけなしている。

田中氏が白川総裁の発言に拍手を送らないことは別にいい。日銀は確かに過去に不適当な行動をとった。だが、本石町氏をけなすのはいただけない。それは敵を作り、リフレ政策を実現から遠ざけるだけだ。

正しいことをしたときに褒めることは悪いことではない。その人が別の時期には間違ったことをしていたとしてもだ。良いことをしたら褒め、悪いことをしたら叱ればいい。本石町氏は、この日の白川総裁の発言が正しかったから誉めただけだ。本石町氏が非難されるいわれはない。日銀がした悪いことを擁護しているときには非難すればいいが、田中氏が引用した記事はそうでない。

田中氏は時々、日銀を非難しなければ正しい言説ではないとでも言わんばかりのことを書く(相手が好不況とは別のことを問題にしていてさえ)。また、彼の発言は攻撃的だ。はっきりと相手を罵倒していることもある。リフレ派の一人と見られている彼がこうした行為をとることは、リフレ派の敵を増やし、ただでさえ人気がないリフレ政策を実現から遠ざける。

リフレ政策を実現させたければ、世間に訴え仲間を増やして世論を作っていくしかない。少なくとも、敵を増やす行為は慎むべきだ。


はてなで書いているリフレ派の中では、飯田泰之氏(id:Yasuyuki-Iida)は政策実現に向かって正しく行動している。飯田先生の努力が早期に実を結ぶことを願う。

  • どっちでもいいよアホらしい リフレだかアフレだかしらねーけどお前の人生には関係ないだろ 負け組ウィンプが政治ごっこをいくらしても底辺は底辺

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