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2009.08.04より
自分にはなんの権限も判断もしない、ロボットみたいな変な仕事を毎日汗水たらしてする人たち。
持ってきたものの無事やその家庭に家電が入って喜ばれることよりも、責任問題のほうが大事な人生。
かわいそうだなあ。
で、結局、カウンターの前までその人らが運んで、成田さんと蓮沼さんとヒロチンコさんで冷蔵庫を入れた。
それをじっと立って見ている力のある若い配送の人たち。
そのあと洗濯機をその人らがふたりでなんとか運んで、手伝うなと言っているので、みんなでじっと見つめる。
ほんと〜にばかみたい。怒っているのではなく、狂ってるなと思うだけだ。
人生を、助け合ったり、自分で判断したり、決めたり、失敗したりする権利を持っている俺たちは
そのあと楽しく浜に行き、夕陽をみたり花火を見たり、あじ平でおいしいラーメンを食べたりしたが、
その人たちは責任問題はいろいろ大変だから、クレームをつけてくれるなよと説明して、汗だくで帰っていった。
うまい酒が飲めなさそうでかわいそうだ。その仕事に生きがいを求めろというほうがむりだろう。
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やっぱりこれなんか読むと、かなーり殿上人フレイバー漂う世界観みたいだね。
「こんな仕事を強いる社会は狂ってる、かわいそう」て感想なら良いんだけど、
「あーウチら、あんな人生じゃなくてよかったぁぁぁぁあwww」的なゴミ虫扱いですネ。
確かに運送の人たちは、自分がその場にいたら「はぁ?」ってなるだろう融通効かない感じ。
ただ、それを強いる人たちがいる。そして、そっから外れる事は、ばななが考えるよりマズい。
彼女がそんな立場に置かれたら「そんな仕事やってられっか、辞めるわ」で済むのだろうけど、
そんな馬鹿げた仕事でも失う訳にはいかなくて、それをしなくちゃいけない人たちがいる。
高名な父の物書き一家に生まれ、大学卒業後は就職せずに、糸井重里経営の喫茶店でバイト。
純粋培養みたいな環境で育ち、自身の能力ゆえ(正直著書読んだこと無いんですが)プライドも高い。
そんな彼女は運送屋みたいな立場に置かれた事はないだろうし、これからもないでしょーね。
何がしたいのかわからん。