2009-07-30

幼い頃の虐待によって心に闇を抱える者に接する。

さまざまな人格障害子供では稀な統合失調症解離性同一性障害、何時間も手を洗い続けている強迫性障害なる者もみたことがある。

その多くが15歳未満の子供だった。

その中で性教育重要課題であった。性的虐待経験している子供達の多くは、

・二度とまともな性交渉ができない

・自らを価値なき人間と決め付け性的に乱れてゆくというケース

・あるいは見捨てられたくないという過度の不安から、やりたくもないセックスを、

相手と自分繋ぎとめる手段として我慢して行う場合

報酬としてセックスを行う場合

などがある。要するにまともじゃないわけだ。

普通に育ててもらっていれば、普通と変らぬ大人になったであろう被害者達。

10代の少女妊娠したとき、関係者はそろって「人工中絶」をすすめた。

その少女性的虐待により精神を病み10歳の頃から施設で暮らしていた。

13歳の夏、吐き気貧血を訴え診察を受けた結果、妊娠5週であると診断された。

彼女は泣いた。父親が分からないことを泣いていたのではない。手術が怖いからでもない。

こんなに無知で幼稚で避妊もできない子供が、なんと命の大切さは理解していたらしい。

彼女が泣きながら腹部をさすっている姿を見た。

「手術」を頑なに拒否し、周りの説得も耳に入れず「産む!」の一点張りだったが、現実彼女希望通りになるはずはなく、

手術の日を迎えた。

もともと重度の鬱病も発症していた彼女が、より一層失望感に溢れているのは誰が見ても明らかだった。

彼女が涙を目にいっぱいに浮かべて言った言葉

「もう二度と、私のような子を増やしちゃいけないよね・・・。ごめん・・・・」

なにも言えない私。

「でも、この子はきっと良い子だから、いつか他のお母さんから生まれてくることになるよね?その時この子は、幸せになれるよね?」

もちろん、そう答えるのが精一杯な私。

いつだって犠牲になるのは弱いもの。だからこのように身をもって知る前に、自分自分を守る術を学ばせないとならないはずだった。

13歳彼女は7年たち20歳になった今現在でも、中絶の悲しみを背負い続けたままでいる。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん