これは勝手に命名させてもらいました。多くの婚活者が陥いるであろう罠です。
まず、僕が婚約していた頃の当時の彼女との会話を紹介したいと思います。
「自分の結婚だけを考えている人とパートナーへの貢献を考えている人、どっちが結婚できると思う?」
今考えると恥ずかしいのですが、こう答えました。
理由は簡単でした。なぜなら結婚活動で出会った婚活者は、得てして自分に対する結婚願望が非常に高かったからです。私の答えに対して、彼女はこう教えてくれました。
「それは違う。恐らく、どちらの人も速度は違えど、結婚するはずです。しかし、本当に結婚できる人は周りに貢献し、周りの助けを得ることができる人です。」
当時「なるほど。確かに。」と納得したことを覚えています。しかし、実際にこの言葉の意味を理解することになるのは、結婚活動を始めて半年くらい経った頃でした。その言葉の意味について書いていこうと思います。
よく婚活者とお見合いをしていると、「あなたと結婚できると思ったからです。」「あなたとなら新しい結婚生活に取り組めるチャンスがあると思ったからです。」という婚活者が後を絶たない。恐らく「結婚願望があります」ということをアピールしたいのでしょう。
確かに結婚願望が無い人よりは、結婚願望があった方が絶対的に良い。しかし、上記の発言をする人は基本的にNGです。
なぜ結婚願望をアピールするのはNGなのでしょうか?そして、なぜ結婚したい人ほど結婚できないのでしょうか?
まず夫婦のあり方についてです。
18世紀のイギリスの自由主義家庭学者アムダ・ミスミが、『家富論』の第一編において分業を論じている。それ以降、夫婦は分業システムを理論的に定式化した。そして夫婦は、信頼と責任をベースに家事をすることを始めたのです。
分業が確立される前までは、一人で自分のためにでも良かったのかもしれません。しかし、分業を選んだ以上、自分のことしか考えていない人は、その家庭から弾かれる事になります。これを現在の夫婦生活に置き換えてみよう。
例えば、分業していると多くの人が一つのプロジェクトに携わります。よって家事を依頼しなければならない。また、家事を請けなければならない。その中で「自分の結婚だけを考えている人」と「相手への貢献を考えている人」のどちらに家事を任せたいだろうか。恐らく後者であろう。結局、自分の結婚だけを強く望んだとしても、自分の結婚に繋がるような家庭を与えてもらえないのです。
さらに自分の結婚を望む人間は得てして競争を好みます。なぜなら、いかに結婚するチャンスを得るか、が目的になってしまうからです。
しかし、相手の貢献を望む人間は競争を好みません。なぜなら、競争をせずとも貢献はいくらでもできるからです。目的が「奪う」ではなく「与える」ということなのです。
さらに、競争心がモチベーションとなって行動する人は、それ以外の人、たとえば克己心などをモチベーションにする人に比べ、いい結果が残せないという研究結果があります。
競争はまた、夫婦生活の質も低下させます。テキサス大学のロバート・ヘルムライク教授は、自然科学の分野で博士号を持つ人百人以上の著作を調べました。その結果、専門分野への興味や自分で決めた目標を重んじる既婚者のほうが、競争を重んじる既婚者よりも、質の高い夫婦生活が多いということがわかったという。
良い夫婦生活が出来なければ、次に良い夫婦生活は与えられない。これも結婚のジレンマです。
話を結婚活動に戻しましょう。
「あなたとならキャリアを詰めると思ったからです。」
「あなたとなら裁量権があり、すぐに結婚できると思ったからです。」
「あなたとの家庭なら自分の力が発揮できると思ったからです」
「あなたとならMBAが取れると思ったからです。」
改めて言います。こういったニュアンスの発言や質問の類はNGである。
お見合い相手は間違いなく、貢献の意識を理解できていない人より理解できる人を採用します。いかに向上心や結婚願望が強く結婚した結果その家庭に貢献できるとしてもである。
ある程度優秀な人材であれば、そもそも向上心や結婚願望があって当たり前だと我々は考えています。中には優秀さに甘えている人もいますが。
よって、自己の結婚願望をアピールしている人はただのエゴイストにしか見えません。「自分が結婚した結果、貢献する」であっても、そもそも自分の結婚が目的になっている人は、結局エゴイストとみなされてしまう場合が多いです。結果、結婚もできなければ、家庭内秩序も乱すとみなされても仕方が無いのです。これでは、結婚したくてもできない。
本来あるべき姿は、夫婦で家庭生活を営む以上、自己の結婚願望といった利己主義ではなく、パートナーへの貢献といった利他主義をアピールしなければならないということです。
「私の力を使って、あなたの成長に貢献したいと思ったからです。」
といったことが、パートナーが求めていることです。これを表面上で共感するのではなく、理解し、実践できるようになることが重要なのです。
婚活者になって若い頃よりもお会いする異性の方が絶対的に増えたことも原因かもしれませんが、真のプロフェッショナルな既婚者と呼ばれる人とお会いするようになりました。そこで気付いたこと、それは真なる既婚者は、自分の結婚に着目はしていませんでした。パートナーへの貢献に着目し、結果結婚していたのです。
結婚が目的となる人には、周りが結婚の機会を与えない可能性があります。そして、結婚の機会を自ら逃すことになります。「結婚したいのに結婚できない」これが『結婚のジレンマ』なのです。
これは日本語か。翻訳者でてこい。めまいがする。