2009-05-18

器用で不器用人間

当方、二十九歳。OL

小学生の頃にアトピーが体中にできて村八分に合い、そこから人間関係向上の為のスキルを磨く努力もせずに大人になってしまった。

コミュニケーションという能力において、著しく不器用。ブームに取り残されたオタクだから(BLとか楽しみ方がわかんないし、萌えるものより燃えるものが読みたい)とにかく話題のひきだしが狭くて浅い。相手が言葉キャッチボールをしようとグローブボールを用意してくれてるのに、私はひとりカバディをやって時間を消費させるとか日常茶飯事だし。

大勢の中にいる時の方がずっと孤独で、ひとりでいる時の方がずっと充実してる。

『非属の才能』とか、愛読書にしたいくらい面白かった。

そんなんだから男からも女からも嫌われている。

それはそれで構わないかなぁ…と思って、どうにか暮らしてきたのだけれど、ある時なにかのキッカケで恋人が出来て、お約束のように子どもが出来た。結婚して出産して離婚した。子どもは私が引き取ることにした。

人間、やはり守るものが出来ると考え方とか価値観も変わるらしく、「やっぱり、このままじゃいけないかなぁ…」とじんわりとした危機感に襲われて、手遅れだとは思いつつも人間関係向上をはかろうと努力してみることにした。

が、ネットでよく見る「人間関係をよくするライフハック」とか「人脈をひろげるためのtips」とか読んで勉強するんだけれども、如何せん他人に興味がわかない。そして下心が透けて見えるのか、頑張って実践しても結果に響かない。

仕事も頑張っているけれど、「紙の詰まったコピー機を直すのが得意」くらいじゃ、誰も評価してくれない。

結果ばかりを追い求めてはダメだ。とにかく誠実に対応することだけを心掛けよう…とは、思ってはいるものの、やはり器が小さいのか未熟者なのか、他人と比較しては落ち込んでしまう。

いろいろな技術進歩して、手先が不器用でも普通に生きていけるのに。人間関係不器用だと、ちょっとした頼み事をするのにも一苦労だ。事前に台詞を考えて脳内シミュレーションして、良い結果だった場合のお礼台詞まで考え、悪い結果だった場合の心の準備と、その後の自分の相手への対応まで気にする始末。そうやって何度も何パターンシミュレーションした挙げ句に、「こんなんなら自分でやった方が早いな」って思って何も頼まないとか。

そんなこんなで、なんとか試行錯誤を重ねている内に、最近ある法則に気付いた。

「男は肌を見せると優しい」

本当に馬鹿みたいに単純にチョロいと思うほどに。

アトピーの傷跡が残っているところもあるので、極端な肌見せは出来ないけれどデコルテはOKだった…っていうかむしろデコルテぐらいしか見せられるところがなかったので、積極的にキャミソールとか着るようにしてみた。首筋がスラッと見えるように束ねていただけの髪もアップにして、ちょっと今風っぽくしたりプラスアルファの工夫も取り入れる。

効果はというと、これまでの試みがアホらしく思えるほどに抜群。頼み事してもいないのに、助けてもらえるようになった。気軽に挨拶を交わし、私もなんとか当たり障りのない話題をふることで会話をつなげられるまでには成長していた。

テレビを見ないので最近芸人さんとかサッパリだけれど「教えてください」「すごい」「面白い」と言ってれば、表面上は会話が盛り上がってみえる。ただし全っ然、面白くないんだけれど。

ともかく自分は「これでマイナスゼロにした」つもりでいたのだけれど、残念ながら「男から優しくされる」イコール「女からひんしゅく買う」ってワケで。もうテンプレ通りの展開だよね。Dカップが裏目に出た。

これでプラマイゼロ。ってことは元がマイナスだっただけに、相変わらずのマイナスだ。残念。

OLとして生きていくには同僚からの総スカンだけは、なんとか避けなければならない。個人的に好かれているかどうかは別として、仕事だけは全うに相手してもらわないと娘が養えなくなる。

だから普段は避けている、いわゆる「井戸端会議」に参加するようになった。その場にはいない人間槍玉にあげて面白可笑しくこき下ろす例のアレ

本当になんというか、どうでもいい内容のオンパレード

だって自分上司ヅラだろうが、どんなハゲ方してようが、どうでもいい。女だってシワやシミ隠しに金と手間を掛けてアンチエイジングに取り組んでいるというのに、なんで男だけあんなに笑いものなんだろう。最近プチ整形だって広く受け入れられてきたようだし、育毛ぐらい許してあげなよって思う。営業の人がパチンコ仕事をサボっているであろう間に、それを糾弾している自分達は、仕事もせずになんっの生産性もない、こんな話にばかり時間を使ってさ。業務中に会社PCからブランドもののバッグをセリ落とそうとしているのなんかも私は知ってるから、五十歩百歩だと思う。…と、実は自分も業務中にこの記事を書いてるわけだから、本当にもういろんな意味で、どんぐりの背比べだよね。ごめんなさい。

とにかく大勢の中で生き残ろうとすると、どうしても『自分』が摩耗していく。他人の下世話な噂を聞いたり、たとえ表面上だけだとしても、それに同調するだけで、自分の中の小さな良心が少しずつ死んでいってる気がする。文字通りに「自分を殺している」。

以上、ここまでは普段、思っていたことの愚痴。これを書いてる途中で気がついたんだけれど、やっぱり私にもまだまだ反省点はあるわけで。

  • 「人から何かをしてもらおう」っていう気持ちばかりで「何かしてあげたい」っていう発想がない
  • 表面上のスキルばっかり気を遣ってて、中身が伴ってない。薄っぺら

どんぐりの背比べってあたり書いてて気づいたんだけれど、「男も女も、みんなくっだらない。バカばっかり!」とか憤慨してた訳だけれど「類は友を呼ぶ」ってことで、私がこんなんだから「そういう連中」しか寄ってこないんだろうね。

今まで、ずーっと天に向かって唾吐いてたってこと?

あーあ、私って本当にくっだらない。いい親になりたいのになぁ。

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