2009-05-13

地面に向かってゆっくりと倒れる。

オレは死んだ。

もしくは死んでいく。

雑踏の中で。

朝日を浴びる道の上で。

ガムで汚れたアスファルト。

何万人もの人が歩いた道。

何も改善することなく

今までに死んだ多くの多くの多くの人々とまったく同じように

地面に向かって倒れこむ。

なにかが報われることはない。

奇跡が起こって、勝手に望みがかなったりしない。

今起こっていないことは永遠に実現しない。

目に見える世界こそがすべて。

不完全な、取り留めのない、エキセントリックな、反復的な、保守的な、ありふれた、

この世界こそが僕の人生だった。

死に至る道で気がついた。

どうしようもない不完全さこそがそれなのだ。

道行く人の疲れた顔こそが。

微妙に古びた町並みが。

毛並みの悪い野良猫や、集積所からあふれて散らばるゴミが。

それこそが人生だったと気がついた。

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