僕はタバコの煙を吸うと途端に具合が悪くなるが、
そんな二人だから街中のデートは苦労した。
ちょっと疲れたからお茶でもしようか?といった時に
だが、あまり知らない街中ではタバコOKな喫茶店なんてなかなか見つからない。
彼女のイライラが収まるのと反比例するように、僕の具合は悪くなっていく。
ことタバコに関しては二人はまったく合わなかったし、お互い妥協できる点もなかった。
そんな中、ある日突然彼女がタバコをやめた。僕は素直に喜んだ。
自分のため、彼女のため、周りの人のため、将来の子供のため、色々な面で勝手に喜んだ。
しばらくして、僕と彼女は一緒に住み始めた。
同棲が実現できたのは、彼女がタバコをやめられたことも大きかった。
時々一緒に行こうかと提案してみるのだが、彼女はいつも、ううん、ひとりで行く、と答える。
最初は、彼女も一人になりたい時間があるのだろうとのんきに考えていた。
だが、散歩から帰って来た彼女は、玄関口でコートを脱ぎ捨て、すぐに洗面所に向かう。
大体いつもガムや飴やチョコを食べている。そして・・・明らかにタバコ臭い。
僕はいう。タバコ臭いな、と。
彼女の鞄にはいつでも吸いかけのタバコの箱とライターが入っている。
タバコ吸ってるの?と聞くと、ああ友達のを預かってるの、と答える。
僕にはその行為が、とても嬉しくもあり、愛しくもあり、悲しくもある。
嘘をつかれているのは嫌だが、嘘をつかせているのは僕の存在で。
僕は彼女のことがとても好きだが、彼女があんなに好きだったタバコを
毎日、毎時間、僕といる間は永遠に我慢して生活しているのかと思うと
いたたまれない気持ちになってくる。
このまま一生我慢し続けるなんてできるもんじゃないだろう。
かといって、ニコチン依存症であるタバコを、他者がとやかく言って
無理矢理やめさせることなんかできるものではないし、やるべきではない。
なぜなら、結局我慢させることにしかならないのだから。
一体どうすればいいんだ・・・
>このまま一生我慢し続けるなんてできるもんじゃないだろう。 >かといって、ニコチン依存症であるタバコを、他者がとやかく言って >無理矢理やめさせることなんかできるもの...
目の前で吸うんじゃなきゃ、構わないの? それなら、「家の中でだけ止めてくれればいいよ」と言えばいいんだろうけど、 「将来の子ども云々」とあるからにはそれだけじゃないんだよ...
彼女が本当に止めたいのか、止めたと言っただけなのかは分からないけど、前者ならニコチンパッチ使ってもらえば。