2008-11-07

オバマという違和感 

この二年間、大統領選注視してきた。オバマ氏だろうなという空気に覆われつつも、ブラッドリー効果も懸念されていたが直前の金融危機に救われた感がある。運の強さという何物にも代え難い才能を持った彼は祝福され期待を持って迎えられて当然だ。

アメリカ初の黒人大統領という黄金の冠をつけて評されるであろうオバマ氏の経験値は未知数。

議員経験も、少なすぎる。

自分は極めてリベラルだと信じて今日まで暮らしていたが、これまでおよそ差別と判断されてしまうような出来事が未経験人間としては、それでも、このオバマ大統領誕生にどうしても一抹の違和感を抱かざるをえない。

カラードと呼ばれる人々の苦難の歴史について語られた多くの書や映画を通して、それなりに知識を持っているつもりではあるが、閉じた極東の平凡な暮らしをしてきた自分には、やはりあまりに遠い国の物語だったのだなと思う。

奴隷として輸入された多くのひとびとの苦労があって今日がある。わかってる。

黒人だから当選したなんて逆差別甚だしいことであるし、勿論、誰もそんなにナイーブではない。

オバマ氏のインテリ臭が全面に出ているハンサムな雰囲気、平易な言葉でありながら、声の抑揚、決して大袈裟すぎない身振りや手振り、全てがカリスマ性という一言に収斂していくのもよくわかる。

かつてケネディビル大統領に選ばれたときのように、若いリーダーを支持する米国社会というものに驚きを禁じ得ないわたしとは

偏狭な人間なのだろうか。まだ30代になって間もない若さなのに。正直なところ、わたしは白人黒人について乱暴な言葉を使えば

「どうでもいい」と思っている。そう思うことこそが重要ではないのかとさえ思っている。

注目されるべきは、経験であり掲げる政策ではないのかと思いながらみていた。現ブッシュ政権への否を突きつけた結果であるという皮肉が、オバマ大統領を生んだ要因であることは彼が持つ「天の利」の強さの証左だ。

建国以来の民主主義を標榜する国として、やっと歩み始めたのだろう。

ヒスパニックアジア系アラブ系とさまざまな人種大統領の登場が訪れるまで、あとどのくらいだろうか。

そのとき、どのような言葉でもって米国という国について語るのだろう。

その未来が、民主主義を体現する国家であることを願ってやまない。現在イラク兵として出兵している人々の多くが低所得者層の出身で、PTSDに苦しみ負の連鎖を生み出してしまうような弱者の上に成り立つ繁栄の国家ではないことを真に祈る。

追記

あ、それとアファーマティブアクションは今後どうなるんだろう?同性婚については?気になるなあ。

  • まぁ実際3割の人がマケインを選んだわけだし。 不安がまったくないわけでもないけど 最善の選択だと思うよ。 最高になるかどうかはこれからのオバマ本人次第じゃね?

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