2008-10-20

いまは亡き月の王

今は亡き月の王の話をしよう。彼女はとても孤独だった。彼女の愛する青い瞳をした彼は、いつも彼女の目の前にいる。彼女は彼の元へ行きたいといつも考えていた。しかし、彼女が彼の元へ行くと彼の大切なものをほとんど全てと言っていいほど壊してしまうことを彼女は知っていた。だから彼女はいつも自分の気持ちを抑え、彼の周りを回り少しでも彼のことを知ることでなんとか彼に逢いたい思いに耐えていた。

しかし、ある日彼女は気がついた。自分の名前意味に。だから彼女は彼に逢いにいくために死んだ。彼女が彼に逢えたのかどうか、それは誰も知らない。けれどもきっと逢えたはずだ。彼女死ぬことで望みを完成させたのだから。

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