2008-10-06

韓国経済危機の構造

評論家小室直樹氏が著書「韓国の悲劇」の中で、核心技術日本からの輸入に頼った韓国の組み立て貿易立国の構造を「鵜飼経済」と比喩してからかれこれ20年、韓国経済の実態はまったく変わっていない。

原材料輸出国や日本に対して赤字を積み上げて、アメリカ東南アジアで黒字を稼ぐ、韓国の貿易立国とはつまりはそうした仕組である。

内需経済に移行する前の日本の状況と似ているようだが、おおきく違うのは部品材を日本は自国で賄っているのに対して、韓国は多くを他国(日本)に依存している点である。

このため、通常でも貿易黒字の3分の2程度をそのまま日本に“上納”する形になっており、韓国経済構造的な脆弱さを招いている。

貿易黒字=原材料輸入+中間財輸入??輸出

この式の左辺が、韓国では既に貿易赤字になっているが、右辺のすべての要素が貿易赤字化を招く変化が生じているからである。

つまり、原油や金属価格の高騰によって、原材料輸入の額面が上昇し、通貨の下落によって中間財輸入の額面が上昇し、各国の景気減退や新新興工業国の台頭によって輸出の額面が減っている。

ウォン安は確かに輸出量の増大をもたらすが、韓国の場合は中間財を輸入に頼っているために、輸入の額面の上昇ももたらすのである。

ウォン高になれば輸出産業に打撃が生じ、ウォン安になれば原材料や中間財の高騰が生じる、この構造のために、韓国通貨ウォンが許容できる適正幅は非常に狭く、そのため韓国銀行は頻繁に為替介入をしなければならない。

ウォンが高くなっても安くなっても韓国銀行が介入することが自明であるから、投機筋は空売りをすることで容易に利益を上げることが出来、そのため韓国通貨市場は頻繁に投機筋に狙われている。

一連の通貨危機において、このまま行けば年内に韓国債務不履行に陥る可能性は強く、単純に引き算をしても、来年の秋には確実に破綻する。韓国にとっては唯一の健全な収入の望みである貿易収支さえも赤字が続いており、これが好転する要素は少なくとも1年以内にはほとんど無い。

韓国債務不履行を免れるためには、極端に収縮した流動性で新たなドル資金獲得が難しくなる中、唯一のドル供給源と化した日本中国韓国のために介入することを期待する以外にはこれという方策も無い。

このため韓国日中韓で「共同」のスワップ基金の創設を呼びかけているが、これが自国経済保全目的であるのは自明であり、既に余命いくばくも無い癌患者が共同の医療保険を呼びかけるようなものである。

健常者である日中両国にとっては経済的な甘みはまったくない。

日本に関して言えば、韓国日本に対して巨額の貿易赤字を積み上げていることから、鵜を失うことは鵜飼にとっては損失だとも言えるが、IMF危機からわずか10年で韓国が再びデフォルト危機に直面していることからも分かるように、既に韓国型の経済モデル限界に達している。

新新興工業国の台頭に伴い、低価格商品で急激に韓国製品が追い上げをくらう中、このモデルが今後、存続できる余地はほとんどない。何度も破綻を繰り返し、そのたびに巨額の救済費用を注ぐはめになりかねない。

円やドルでウォン買いオペを行ったとしても、ウォンはハードカレンシーではないので韓国物産以外には購入できず、事実上日本にとっては紙くずを積み上げる以外の意味をもたない。

韓国を救済するかどうかは経済的な判断からではなく、安全保障の観点からの判断になるだろう。

かしこの危機が単なる状況によって生じているのではなく、構造的な理由から生じている以上、同じことが繰り返される可能性は高い。そのたびに日本国民血税財産からの支出を強いられることになり、韓国を支援するという選択は短期的な対症療法としてはあり得ても、長期的には上策とはいえない。

韓国が中間財をも賄う、日本型の加工貿易立国に変換するより、構造的な問題を解決する手立ては無く、仮にそうなれば日本はむざむざとライバルを自分の手で作ることになり、経済的にも脅威の度合いは増し、安全保障もよりコントロールの度合いを離れた反日国家が出現するという意味において、脅威が増大する。

つまり、安全保障上も、韓国を支援することは上策とはいえない。

  • http://anond.hatelabo.jp/20081006083958

    たった今、一年ぶりにウォンのレートを見たら1ウォン=1240ドル越えてやんの。しかも先週の終値が1ウォン=1220ドルだろ?こりゃ年内どころか今週中にも飛ぶんじゃないか?

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