「揺るがない意思」
そんなものを俺は信じない。
揺らいでこそ人間。それでいい。
悩みを吹っ切れば強くなったような気がする。
前に進めるような気がする。
だが、そんなものまやかしに過ぎない。
少し、俺の悩みに付き合ってもらう。
どうなんだ?
何度確かめても納得いかない。
絶対は存在しない。
あらゆる可能性が惑わせる。
上等。
一つ選ぶのは得意だ。
決めて突き進むのは思考の放棄でもなければ、自信でもない。
結果を見届ける覚悟。
自分の選択を受け入れる寛容。
そして、君の悩みに付き合うためのやさしさ。
吹き荒れる嵐の中、俺は銃口を前に向けた。
迷いが無いわけではない。
ただ、分からないのなら自らが選びうる最高の選択を持って君に付き合ってやる。
さあ、来いよ。
どうした?そんなに俺のことが怖いのか?
そうだろうな。
でも、俺もお前を前にして平気じゃ居られないんだぜ。
かみ締めた歯ぐきが少し痛い。
歯医者に行っておけばよかった。