■被災地取材で、取材対象を選ぶとき、ものを食っているひとを捜す。別にご飯を分けてもらおうという魂胆があるのではなく、この被災の過酷の状況下でものを食える人は生きるパワーをもっている人だからだ。ものが食べられないほど、心理的ショックを受けている人を取材して、うっかり傷つけたりして、PTSD (心的外傷後ストレス障害)がひどくなったりしたら大ごとだろう。特に子供を取材するときは、ぱくぱく元気よくものを食べている子を選ぶのだ。
■そうやって被災地のもの食う人々を取材していると、気づいたことがある。中国の被災者は本当に元気にうまそうにごはんを食べているのだ。さすが挨拶が「ごはんたべた?(チーファンラマ?)」というような、「民以食為天」の国だ。
■そして、必ずいくらこちらがことわっても、食べろ食べろといって、はなしてくれない。本当に、断り続けると、「きたなくないよ」と不機嫌そうになるものだから、結局いただいてしまう。そして、つくづく、この人らは強い、生命力が段違いだ、と思うのだ。被災者からメシをめぐんでもらうけしからん記者と思われるかもしれないが、一緒にご飯を食べて初めてわかることもいっぱいある。こちらも、次に訪れるときは新鮮な果物とかを差し入れるようにはしているし、許してもらおう。
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飯を食っているときはいい笑顔。