2008-03-28

恋愛遺伝子

祖父(84)は呉服屋の第9子で末っ子の甘ったれだ。

二言目には「テル子ー!」と言う。テル子はどこだ、テル子は、テル子は。

テル子は祖母の名前である。祖母は師範学校を出て定年まで教師として勤め上げた

現代で言うところのキャリアウーマンである。しっかり者で賢い。

祖父は祖母にほれ込んで、一族の反対を押し切って駆け落ち同然で結婚したそうである。

とにかく祖母がいないと昼も夜も明けない。

子供である父が帰省すると祖母の関心が父へいくので帰ってくるなと怒るらしい。

今は祖母の具合が悪いので買い物から炊事まで何くれとなく世話を焼いているらしい。

そんな熱愛の祖父母から生まれた父(60)。

父と母が出会ったのは大学時代。知人の紹介である。

3年の付き合いを経て、母の卒業を待たずに二人は結婚をした。

父は母を「ユリ子ちゃーん」と呼ぶ。今でも呼ぶ。

母が洗い物をしていれば背後から「ユリ子ちゃん」といって抱きついて振り払われ、

母が昼寝をしていれば「ユリ子ちゃん」といって上に乗って抱きついて怒られる。

月に2・3回は一緒に外食をする。年に3・4回は二人で旅行に行く。

娘の私が一緒に行きたがっても父に断られる。

父は出張の多い職種だが、成田空港から、着いた向こうの空港から電話を入れ

向こうのホテルからEメールをまめに送っているらしい。

なんだかなあ。祖父や父はこんな感じで熱烈な愛の人なのに

何で私は愛しく思える相手に出会えないんだろう。

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