テレビの中に描かれる魅力的な異性に恋をした。
いくらその人に近付こうとしても、テレビ表面のガラスが邪魔をして、声をかけることさえできなかった。
ある日、プログラマは町に出た。
売店でおみやげを売っている人に恋をした。
手を伸ばしたら小さなおみやげをつかんでしまった。
「525円です。」の言葉に、自分のいくじのなさを嘆いた。
ある日、プログラマは絵を描いた。
そして、描いた人物に恋をした。
すぐに絵の中にプログラマ自身を描くと、絵の中でプログラマは異性に思いを告げた。
でも、返事を描くのが恐くなって、キャンパスを閉じた。
目の前に座る人に恋をした。
メルアドを交換したけど、何をメールすればいいのか分からなかった。
だから、いつまで経ってもメールを出すことができなかった。
いつも好意的な文章の書き手に恋をした。
あるとき、自分がその人の性別を勘違いしている事に気がついて、ショックを受けた。
となりでインストラクターのアルバイトをしている人に恋をした。
会うたびに「こんばんは。」と挨拶をしてみた。
いつのまにかその人は居なくなった。
プログラマは夜道を歩いた。
悪漢に襲われている人を助けて感謝されたりすることを空想してみた。
ただの妄想に終わった。
この間、夕食をおごってくれた先輩に恋をした。
いやいや、プログラマならこうなるだろう。 ある日、プログラマはテレビを見た。 テレビの中に描かれる魅力的な異性に恋をした。 いくらその人に近付こうとしても、テレビ表面の...