2007-11-12

あるペテン師の終焉とボジョレー・ヌーボ

区役所に婚姻届を出した。

その前日に僕は、別の女性デートをして、SEXをして、好きだ、愛してる、と目の前の彼女ではない女の子に囁いていた。

彼女は優しく、僕は罪人でしかなかった。


結婚相手の彼女学生時代から付き合ってて、気づいたら同棲期間だけでも1年半以上経過していて、

あちらの親にも書類を出すことの報告で向かったら涙を流して喜んでくれたような。

そんな幸せ関係。傍からみれば。

ひとつ、挙げればもうSEXを3か月ほどしていない。そして本人には結婚相手とSEXをする気が起きない。

今年の延べ数が片手で収まってしまうようなセックスレス関係であるのだが、それは外部には見えない。

幸せそうだと言う。僕も、SEXこそないが、彼女を大事な家族の一員として、最大限配慮した生活を送って来たつもりだ。

一方で隠れて付き合ってる女性。今僕が、世界で一番好きになってしまった彼女は、会社の同期。

新入社員時代から何かと二人で仕事をする機会が多く、最初は仲の良い友人関係を続けていた。

今でこそこんな関係だけど、何もなかった時代に仲が良すぎるので何かあるのでは?と疑われたほどだ(笑)

転機となったのは1年ほど前。切れ者でとても優秀な彼女は別の部署に転属になる。

そこは「(笑)」をつけてシニカル揶揄しないと

僕は自分の自尊心を慰めることができないような、そんな格好良い仕事場で、

その頃から僕は彼女のことが俄然気になりだした。

実を言うと、前々から好きな気持ちはあったが、同棲まで始めた彼女がいて、

そんな気持ちは「男の性」だろ、程度にしか思っていなかったのに。

新しい彼女仕事の範囲は僕の個人的な趣味オーバーラップしていたので、

助言という形で(元々の相棒だったので別に変なことではない)相談に乗ってみたり、

メールのやり取りを重ねたり、たまに二人で飲みに行くようになった。

丁度今の時期はそう、ボジョレー・ヌーボ(笑)の時期で、

日本人フランスワイン産業のカモにされていること自体にはよしとしないが、

去年はそれを有り難く口実には使わせて貰ったことを覚えている。

そこでワイングラスを傾けながら言った歯が浮くような台詞。

5年後の自分たちは、何しているんだろうね?もう君は(念願していた)主婦だったり?笑

家庭に入っていたとしても、こうして二人で飲みに行こうぜ。

なんて。彼女は確か肯定も否定もしなかったと思う。

その後も、彼女のことが気になって仕方がない僕は「友達として」の自分からのアプローチが続く。

自分自身、明確に浮気となってしまうことを避けるために、保身のために

友達としての誘い方は崩さなかった。

年が明けては初詣に誘い、桜が咲いては花見に誘い(これはタイミング合わずに実現しなかったが)

お互いそれぞれの仕事に忙しく、また働くオフィス環境が変わったが、二人で昼ごはんを食べるように

定期的に誘い、彼女はそれに応じてくれていた。

そして、対照的に、同棲中の彼女とのSEXが減ってきた。

そんな微妙関係を続けているうちに、徐々に、友達として、が崩れていく。

言い訳のしようがない関係になってしまったのは今から2か月前、

彼女の忙しい合間を見計らって、休日デートに誘った。

デートからの帰りで初めて手を繋いだ瞬間。

(色々な思いが交錯 - 俗に言うハイトクカンって奴)

のことはよく覚えている。そこで僕らはキスする直前で、別れた。

別れることに、「成功」した。が正しいかな。

http://anond.hatelabo.jp/20070910141446

彼女はというとその優しさから、正直な気持ちを口では明かそうとは

しなかったが、態度から、表情から僕は彼女の想いは伝わってきて嬉しかった。

そうして手を繋ぐまで、キスをするまで、と、だが順調に二人の関係

ステップアップをしていき、とうとう彼女誕生日の日に僕は関係を迫り、その想いは遂げる。

これがひと月ほど前の話。

その後も、毎朝出社前に彼女の最寄駅まで通い、夜は会社の近くで待ち合わせして、遅くに帰宅。

家の彼女も丁度忙しい時期で、なんとなくそんな、ずっと続けばいいなという時期が続いた。


唐突に結婚の話が降ってきたわけではない。

去年の今の時期、から我が家には、彼女が区役所からもってきた婚姻届が、彼女の側の署名だけされた形で

ずっと大切に保管されていた。

曖昧に、ごまかし続けていたのは僕のほう。だけどそれも限界だった。そこに彼女の親の涙を見て、

これでいいんだという想いは、急速に強くなった。そして、今現在、最も愛している女性との最後のデート

婚姻届を提出したことを彼女メールすると、華やかなテンプレート(女子らしいものだ)

でお祝いの返信が帰ってきた。

その裏で涙を流しているのはわかっている。彼女は優しく、僕は罪人でしかない。

ココロ社の人は、男女の友情なんて成立しねぇ!と宣言していたが、僕もそう思う。

そう思っていながら、今は恋愛感情がだいぶ強いが、徐々に同期の彼女とは

普通の友人に戻ろうと思う。これは二人で、最後のSEXの後に決めた。

まずは、今年のボジョレー・ヌーボ(笑)を友人として飲みに行く事からはじめようと思う。

最悪のペテン師は、今から「今年のボジョレーも」また出来がよいことを祈っている。

記事への反応 -
  • 「じゃあ、キスして!?」 「うえ??あ、あー・・んー、えーっと ・・・。」 神楽坂を下っていたら、あまりの唐突な言葉につんのめりそうになった。 もしも飲み物を口に含んでた...

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