昨日かかってきた電話が、今から考えたら変だった。
携帯が鳴ったので、画面を見たら「非通知」。
またか、とか思いながら、ボタンを押す。
「もしもし?」やや訝(いぶか)ったような声で言うと、
「……」返事無し。
2、3秒たった後、か細い女性の声で、
「……すいません、間違えました…」
「はいはーい」素っ気ない返事で、電話を切る。いつも通り。
でも、今から考えたら妙だった。今までの間違い電話で、非通知だった記憶がない。
携帯からでも家電話からでも、ばっちり電話番号は表示されていた。
電話を取ってからも、
「はい、もしもし?」
「あ、○○さんですか?」
「いえ、違いますけど」
「あっ! 間違えました、すいません」
「いえいえ、どーも」
と、間違えたなりに会話が成立していたが、昨日はそれすらなかった。名前すら聞かれなかった。
そもそも、知ってる人間に非通知で電話をかけるだろうか?非通知でかける相手って、どんなだ?
もっとも、単に女にかけた電話に男が出たから間違えたと思ったのかもしれないが。
その後、携帯の設定を非通知着信拒否にしたのは言うまでもない。
登録されて無い番号に書けるときは自動的に非通知でかける電話あるから、それかも。