しないんじゃない、できないんだ。
ソフト屋にフリーランチを提供するためだけに回路デザインをしてきたわけじゃない。提供しないと使われないから提供してきたけれど。
でももうできないんだ。完全に汎用でシリアルな処理のパフォーマンスを上げる魔法はない。物理法則が限界を提供する。ハードウェアでオフロードするのはもうあるところまでしか「できない」んだ。適用範囲を限定したアクセラレーションサーキットを入れざるをえないのは、汎用である限り最適化に劣るからだ。どれだけ回路を使ってもその差は埋められない。ノーフリーランチ定理(NFLT)は証明された定理だ。
ハードウェアだけでは限界があるというのも、面倒だからでも、怠惰だからでもなく、それは物理的制約が要請した方向だからだ。
無限に速い計算機をあなたの手元に届けることはおそらく不可能だ。それだけはわかって欲しい。