■過去に戻れたら頑張るぞー

今となっては昔話だが、結構可愛く生まれた。顔もスタイルも、髪や肌や指などの細部まで。小学校くらいまでは普通にチヤホヤされて育った。そこまでは何の問題もなかった。

話が変わったのは中学生のときだった。可愛いとは言っても手の届きそうなレベル、クラスで一番にはなれても学年で一番にはなれないレベルだったのだ。評判を聞いてやってきた他のクラスの子が「たしかに可愛いけど大したことない。○○ちゃん（学年で一番）の方が可愛い」と言うのを聞く羽目になった。妹タイプの外見なので○○ちゃんよりも男子に人気があったのも悪い方に作用した。思春期らしく過剰反応した。「わたしが自分で可愛いと言ったわけでも一番だと言ったわけでもないのに、なんで知らない連中から大したことないとか言われなきゃならないわけ？」

以後、外見に対する評価を全て拒否し、勉学の道に走った。元々向いていたので楽しかった。偏差値の高い学校に行けば、それだけで容姿競争から逃れることが出来た。服装を地味にしていても、いかにも○大生と思われるだけだった（注：90年代の話）。就職しても、○大卒だし仕事一筋で男なんて相手にしないよな、と周囲が勝手に思ってくれて都合がよかった。うまくやってるつもりだったし、ずっとそれでやっていけると思ってた。

しかし自分自身も意識していなかったが、外見というのは自分の自信の源だったのかもしれない。新しい環境に入るとき、初見で相手が歓迎の態度になることが当然である。興味なさそうにしてた人も、会うと急に親切になる。どこに行っても歓迎されると思って人生を生きるのは、そうでない人生とはまるで違ったのだろう。

そんなことを意識しはじめたのも最近のことだ。よくある話で、外見の衰えを感じたからである。32歳までは意識することすらなかったが、33歳で兆候が見え、34歳ではっきり自覚した。まだ大多数の人と比べたらマシであるが、32歳までの自分より劣る。そのうち大多数の人よりマシとも言えなくなって、同年代の中ではマシとか考えはじめるのだろう。なんて醜い思考だろう。

こんなことになるなら、若いうちに色々やっておけばよかった。写真をとっておけばよかった。お洒落もすればよかった。裸を見せるような行為もしておけばよかった。過去に戻れたら頑張るぞー。

Permalink | 記事への反応(6) | 18:35

ツイートシェア