2007-04-24

http://opendoors.asahi.com/data/detail/8009.shtml

少年カレー事件の林真須美被告の息子であるために狙われた」です。

 親が犯罪者でも子供に非はないのに、実際には差別される子供がいる。その弱い立場子供を守るべき児童養護施設で、女性教師がその弱さにつけこんで少年を【強姦】していたことを、3月30日号で報じた。今回、当事者の意思を受け、あえて再び報じる。少年は「カレー事件」のために脅されていたのだ。

「県に安心できるといわれて任せた施設で、女の先生が生徒を強姦するなんて許せん。コトが公になってからも、謝罪の一言もない。それどころか、被害者である未成年のうちの長男に責任転嫁するような話も聞こえてくる。カレー事件をダシにして長男を脅かして、強姦なんて人間のするこっちゃあない。腹に据えかねる。黙ってはおれんわ」怒りをぶちまけるのは林健治氏(61)。

 

 1998年7月、和歌山市猛毒ヒ素が入れられたカレーを食べて4人が死亡した「和歌山カレー毒物混入事件」の容疑者として逮捕された、林真須美容疑者(45)の夫である。

 本誌は前々号で、和歌山県児童養護施設女性教師(26)が男子生徒を強姦していた事件をスクープした。

 実は被害にあった男子生徒A君(19)は、健治氏と真須美被告の長男だったのである。A君が和歌山の養護施設「B学園」に入園したのは、98年10月に両親が逮捕されて間もなくのことだった。(その後、真須美被告殺人罪死刑判決を受け上告中。健治氏は詐欺罪が確定し服役)。 「両親が逮捕された10月4日、警察の人に『2週間分の衣類を持って車に乗れ』と言われ、きょうだい4人、和歌山県の施設に連れていかれました。そこに2週間ほど滞在し、その後、連れていかれたのがB学園でした」(A君)

数年が経過した中学3年生のとき、臨時職員のKがやってきて【強姦】が始まったという。「無理やりセックスされ、何度も逃げようとしたが、できませんでした。理由の一つがカレー事件です」とA君は言う。

当時、A君のきょうだいもB学園にいた。事件の反響が大きく、他の身内もきょうだいの引き取りを拒んだためだ。それを見透かしたようにKはA君に、「お父さんもお母さんもいないし、どこにも行くところがないよね」「何があっても、両親とは住めんわな」などとカレー事件を念頭にささやいたという。

 直接「事件」を口にされたこともある。高校一年のとき、和歌山県内のラブホテルに連れ込まれた。「ここなら逃げれる」と思ったA君だったが、「カレー事件ってどうなったんやろ。わかっているよね」とKはA君に言い放ったという。A君は言いなりになるしかなかった。

 「当時、まだカレー事件の印象は強かった。事件のことを言われると、手も足も出ない。K先生は、たばこCDをくれたりする一方、拒否した翌日には、夕食がなかったり、風呂が水だったり、さまざまな仕打ちを受けた。自分が我慢するしかないと思った」A君はつらい表情でそう語るのである。

だが、事件発覚後、Kは真須美被告にあてた謝罪文で、(双方に恋愛感情が芽生え、このような関係を持ってしまいました)と書いている。

   B学園のM園長も、「2年間も関係があったということは、恋愛感情があったんじゃないか。いやならとっくに関係を切っているでしょう」とA君にも非があるような見解を示した。

 これを伝えるとA君は憤った。

「ずっと年が離れた先生恋愛感情なんてあるわけない。強姦は50回以上あったが、一方的にK先生が行為に及ぶばかりだった。脅されてどうにもできず、苦しんでいたのに・・・」

  M園長は、事件が発覚した05年4月当時は和歌山県に勤務し、この問題の収拾にあたった後、B学園の園長に就任した。「強姦」事件に最も詳しい関係者の1人である。

 だがM園長は、

 

「K先生がA君を脅したかどうかですか?発覚したとき、K先生事実をみとめただけ。混乱していたから、そんな質問をしているどころじゃなかった。『50回以上強姦された』って、かなりあったとはきいているが、そんなにないでしょう」と、十分な調査もしていないのに否定する。

 健治氏は、憤懣やるかたない様子で話す。「長男だけやないんや。長女もB学園と折り合いが悪く、飛び出した。他の子供も、殴られたり、小遣いとしてもらえる3千円をとりあげられたりしている。食事にカレーが出されたとき、当時の園長が『これヒ素入ってないか、大丈夫か』と子供たちの前で言ったそうや。これが教育者か!」

真須美被告も「絶対許せない」

A君の【強姦】事件が発覚した当時、健治氏はまだ服役中で、当時20歳で妊娠中だった長女が交渉約となった。

健治氏はこう話す。

「事件の心労から、長女は何度も切迫流産の危機にさらされた。結局予定よりも3カ月も早く未熟児を出産した。人命にかかわることや。B学園はそんな状況もわかっているのか」

 これに対して、M園長はこう話す。

 「早産したというのは、出産後に聞いた。本人がそう言うなら、事件と関係があるのかな。暴力や3千円の話は、うちじゃなく施設と併設されている学校の職員でしょう。うちは関係ない。カレーヒ素という発言は知らない。言ったとしたら2代前の園長。もう亡くなってますわ。林さんの子供ということで、差別的な扱いはしていません。こちらが(謝罪も賠償も)何もしてないように言うが、やることはやっている」

 問題のKは、事件後、県から05年肋6月17日付で保育士資格を停止された。だが、その期限は2年間で、あと3カ月ほどでKは「復帰」が可能になる。

 「児童福祉法で停止は2年間と決められている。本人が登録すれば、また資格は戻る。それをするかしないかは本人次第」(県子ども未来課)

 健治氏は、

 「K先生がまた資格とって戻ったら、大変やがな。うちの長男以外にも被害者が4人いるから、つらいのに公表したんや。これからまた被害者が出るかもしれん。M園長や和歌山県被害者のつらさを全然わかっとらん対応や」と名前を出しての告発に踏み切ったという。

 また、現在大阪拘置所勾留されている母親の真須美被告からも、メッセージが届いた。

 「長男からこの話をきかされたとき、控訴審最中で、心配で倒れそうになった。私がいない間に長男や子供たちが悲惨な目にあい、心苦しい。K先生のことは絶対に許せません」

 今西憲之、本誌・杉村 健

 <おことわり>

 本誌はは3月30日号では、男子生徒が特定できないよう、カレー事件や両親の名前については記述しませんでしたが、今回、被害者であるA君およびご両親の「両親が著者名事件で逮捕され逃げ場のない立場であることにつけこんだ悪質さを訴え、さらに被害者が増えないようにしたい」という意思を受け、事件名などを公表しました。

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