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2024-05-23

[] 賃金増に対する価格転嫁悪循環を引き起こす

政府春闘賃上げ中小企業にも広げるためにコスト上昇を販売価格などに転嫁するよう中小企業指導している。

しか生産性が上がっていないのにも関わらず、物価賃金の上昇を起こすことになる。

賃金増で物価が上がり、実質賃金が下がり、さら賃金を引き上げようとする。

まりスタグフレーションが起こる。

こんなことが望ましいかのように政府がそれを進めようとするのか、狂っている。

悪循環」と呼ぶべきものを「物価賃金の好循環」だといい始める。

何度も言うが、コストプッシュ・インフレの悪循環スパイラルに他ならない。

これが、経済破壊している元凶である

2024-05-19

[] フローばっかで考えて楽しい

GDP(つまりフロー)を経済指標にしがちだけど、ストックを見ろよ

日本世界中を見ても類を見ない資産大国だぞ

いいのか?円安インフレでその資産価値が低下しても?

いいのか?赤字だらけのアメリカが「世界中グレートリセットをするべきだ」なんて言っても?

ストック面では日本が有利なのにチャラにされるぞ?

2024-05-09

[] 円安論法

円安で輸出系大企業が儲かる、という論理がある。

この論理を「中小企業利益にもなる」と言いたい場合、連中は「トリクルダウン」という論法を使う。

大企業が儲かり、その利益が何らかの形で中小企業にも波及する、という希望的観測である

当然、そのようなことが起こるはずもなく、円安下では一部の輸出企業以外は苦しむことになる。

円安は輸入コストを増加させ、特に輸入に依存する企業にとっては負担となる。

また、国内での生活コストの上昇も引き起こす。

2024-04-27

[] 金利を下げても景気は良くならない

日米の金利差で円安が深刻化している。

米国ドイツイギリスよりも10年以上前から日本金利は低かったが、景気はほとんどよくなっていない。

最近金利を下げても景気は良くならないのでは、という実証が進んでいるらしい。昔ほどには金利引下げの効果はないという意見が目立つ。

金利が下がれば企業がもうかって景気が良くなる」というのは、お金を借りる側はそうだが、お金を貸す側からみれば利息が少なくなる。

利息が減るということは収入が減る→消費を減らす→モノが売れない。景気にはマイナスでは。

借りる人の論理を取り上げて、貸す人の論理に耳を貸さないのはおかしい。

金利が下がると利息が減るから預金しない、つまりお金を使うから消費が増え景気が良くなるというのが常識とされたが、これは違うらしい。

預金金利マイナスになればどうする」という調査では「預金を増やす」という人が大半を占めた。

「利息がもらえないなら、元本を増やしたい」という論理

預金金利ゼロなのに、個人の預貯金の残高は増えている。

金利が下がると景気が良くなるというこれまでの常識は、非常識だったということになる。

2024-04-25

[] 日米のインフレの違い

円安がここまで深刻ということは、そもそもインフレの質に違いがあるのではないか

米国経済成長によってインフレしているが、日本貨幣価値の低下によってインフレしているのでは。

2024-04-14

[] ケインジアンがもてはやされるのは人間の愚かさ込みだから

経済本質は実は資源で、資源から財を作って売っている。そこに価格をつけて売っているので、需要供給で完全に価格貨幣価値は決定される。

ところが「(金額などが)多いほどいい」の論理で金の価値を考える輩が生まれて、下方硬直性が生じた。

これにより、賃金などが一度上がると下がりにくくなる状態が生じる。

また、「多いほどいい」の論理財政政策にも影響し、「金を刷れば富が増える」と勘違いして貨幣価値が下がりインフレする。

まり経済インフレするのは、人間新古典派理論理解していないから。

2024-04-12

[] この時期に「景況感」が増加したなら、それは貨幣錯覚です

主に3つの理由があります

1. 実質賃金は下がっています

2. 貯金などの資産価値は低下しています

3. 名目賃金物価が増加しています

このことから、「名目賃金が上がるなら景気がいいのだろう」と錯覚することにより、

実際に買えるものの量が減っていること(実質賃金資産価値低下)に気がついていないのです。

2024-04-08

[] 賃金物価スパイラル悪循環を続けるか

賃金物価スパイラルとは、まず何らかの原因でインフレが生じ、物価高が生まれます。その後、実質賃金物価に見合わないので、賃上げ圧力が生じ、賃上げします。企業としては賃金コストなので、生産性が向上しないままコストだけ増加すると、それを補う形で財・サービスへの価格転嫁します。するとまた実質賃金が低下するので、その繰り返しが生じます

これはコストプッシュインフレの一つの形態です。賃金プッシュインフレと言います。通常、この種のインフレは「悪いインフレ」と言われ、国の豊かさが低下しているのに物価が高まっています。この状態スタグフレーションと呼びます

インフレが生じた原因については色々ありますが、ロシアウクライナ問題において原油価格が高騰していることだけが問題ではありません。コロナ禍で政府財政政策を行うことでマネーサプライが増えたことがインフレの大きな要因です。

近年の経済学は、理論よりも実証分析が盛んです。経済の状況などを保存したデータベースからエピソード」を検索します。例えばこの場合歴史的賃金価格スパイラルが生じた例を調べるわけです。そして、そのエピソード複数シナリオとして分岐することがわかるでしょう。スパイラル継続して実質賃金が低下していったエピソードスパイラル継続しなかったエピソードスパイラル継続されたが実質賃金回復したエピソードなどです。

これらのエピソードにおいて、どれが2024-04-07時点のケースとして再現するのか、全くわかりません。以下の記事では、実際にエピソード分析されていますが、結論として「過去エピソード再現すると考えるのは時期焦燥」と述べています

"It is still too early to say whether the immediate future will replicate these patterns." https://cepr.org/voxeu/columns/wage-price-spirals-historical-evidence

そもそもインフレによって社会はどのようなコストを支払うことになるのでしょうか。

まずインフレするということは、貯金などの資産価値が減っていくことを意味します。つまり国家の富の総量が低下します。デフレ下では貯金という選択肢比較安全資産管理方法でしたが、インフレになるとこれらの資産価値が下がり、同じ貯金の額で買える物の数が減っていきます

日本世界有数の債権国である」と言われましたが、それはデフレ円高だったからです。円安になり、賃金価格スパイラル継続すれば、債権者不利益を被るでしょう。確かに借金をする人は借金を返しやすくなるのがインフレの良いところで、設備投資などもしやすくなりますが、債権者にとっては不利な結果になります

そしてインフレ下では、労働組合賃上げ圧力が増し、先鋭化します。「実質賃金物価に追いつかない」といって、賃金を上げるように交渉することになるでしょう。

ここで一つ質問がありますが、名目賃金賃上げ企業物価転嫁引き起こし物価高を生んでいるのであれば、「賃上げインフレの原因であり、実質賃金低下の原因である」といえるでしょう。それなのに、なぜ「追いつけ追いつけ」と賃上げをするのでしょうか。

経済学的には、適切な賃上げ生産性の向上分に限定する必要があるでしょう。生産性向上分を賃上げに当てれば、企業価格転嫁する必要が無いからです。つまり現在賃金物価スパイラルによる「悪循環」は、生産性上昇分を超える賃上げをしてしまっているのです。

では、生産性とはなんでしょうか。計算式は色々ありますが、アウトプットインプットで割ったものとして定義されますアウトプット収益インプットコストです。コスト労働投資設備投資などがあります。つまりこれは利潤=収益コストという計算式を分数の形に置き換えたものです。

近年の技術進歩しているので、企業生産性を上げるためには、人よりも設備投資したほうが合理的であると考えるでしょう。そこで賃上げ対処するには、まず設備投資生産性向上を、というわけです。実際、設備投資が増えているという統計存在します。https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA123100S4A310C2000000/

賃上げしなければならない、そのためには生産性を上げる必要がある、そのためには設備投資をする必要がある、生産性が上がれば物価転嫁をする必要がなくなる、というわけです。

このような「力学系(時間とともに変化するシステム)」が存在するので、実質賃金が今後回復するのかどうかについて、なかなか現時点では判断が難しいというわけです。実質賃金平行線をたどる可能性も、低下していく可能性も、上がる可能性もあるのです。

いくつかの経済論文では、賃金物価スパイラルにおいて「初期に実質賃金が低下し、その後回復する」と述べていますが、再現性については疑問が残ります

"The real wage falls early on and recovers later." https://economics.mit.edu/sites/default/files/inline-files/WagePriceSpirals.pdf

2024-04-06

[] 賃金価格スパイラル歴史的証拠

賃金価格スパイラル過去にどれくらいの頻度で起きたのか、そしてその余波で何が起こったのか?

驚くべきことに、そのような出来事の後に賃金物価さらに持続的に加速したのはほんの少数だった。

新型コロナウイルス感染症による急性ショック後の回復が勢いを増す中、2021年インフレ率は多くの国で約40年間見られなかった水準に上昇した。

労働市場の逼迫と賃金圧力の増大をもたらし、経済グループ全体で平均名目賃金労働者1人当たり)が上昇し、失業率が低下した。

こうした最近の動向を受けて、賃金を通じたインフレによる第二次影響や潜在的賃金価格スパイラル懸念している。

インフレの上昇と労働市場の逼迫により、労働者インフレに追いつく、あるいはインフレを上回る名目賃金の上昇を要求する可能性があると指摘している。

現在労働市場の逼迫が今後数年間のインフレ圧力に大きく寄与する可能性が高いことを示唆しており、インフレ期待が固定されなくなった場合、その関連性はさらに強まる可能性がある。

これらの議論総合すると、賃金物価インフレが互いに影響し合い、賃金物価の両方が数四半期にわたって加速するスパイラルを引き起こす可能性がある点。

しかし、そのような状況は過去にどのくらい頻繁に起こったのか?また、そのような出来事の余波で何が起こったのか?

エピソード分析

最近研究論文で、1960 年代に遡る先進国間の過去エピソードをまとめた経済横断データベース作成することで、これらの疑問に取り組んでいる人々もいる。

残念ながら、賃金価格スパイラルの正確な定義は文献にない。

賃金価格スパイラルを以下のメカニズムの結果として定義する者がいる。

このように、労働者企業賃金価格をめぐって数回に分けて交渉するため、インフレショックが消えるには時間がかかる。

対照的に、賃金インフレの上昇が企業にとって新たなコストプッシュショックとなり、したがって近い将来インフレが加速する可能性に焦点を当てているようだ。

具体的には、賃金価格スパイラルを、連続する4四半期のうち少なくとも3四半期で消費者物価名目賃金の加速が見られたエピソードとして定義

期間0(賃金価格スパイラル定義する基準が満たされる最初の期間) より前のすべてのエピソードでは、消費者物価インフレ名目賃金上昇率の両方が増加している。

もっと驚くべきことは、初期の動向は平均して、賃金物価さらなる持続的な加速には続かないということである

実際、インフレ率と名目賃金の伸び率は平均して、賃金価格スパイラル後の四半期には安定する傾向があり、実質賃金の伸び率はほぼ変わらなかった。

したがって、物価賃金の持続的な加速として定義される賃金価格スパイラルは、最近歴史的記録の中で見つけるのは困難。

実際、上記基準使用して特定されたエピソードのうち、8四半期後にさらに加速したのはほんの一部。

場合によっては、インフレ賃金の伸びが一時的に上昇した後、再び低下するケースもあった。

さらに、いくつかのエピソードの後に​​はより極端な結果が続いた。

たとえば、米国1973年第3四半期のエピソードでは、1970年代最初OPEC石油禁輸によって刺激され、価格インフレさらに5四半期にわたって急上昇し、その後1975年に下落が始まった。

しかし、名目賃金の伸びは上がらず、実質賃金の伸びは低下した。

賃金の伸びは物価失業の動向と一致している。

記述されたエピソードにおける賃金価格の動態を検討する際に当然の疑問となるのは、均衡経済を特徴づける予想される関係からそれらの動態がどの程度乖離しているかということである

賃金の動態をインフレ労働市場スラック生産性の伸び傾向に関連づける賃金フィリップス曲線の枠組みを使ってこの疑問を探ることができる。

分解すると、賃金上昇率の上昇はインフレ労働市場の逼迫の両方によって引き起こされ、どちらかの要素が増加し、その後、エピソードの開始時を上回るレベルで安定している。

対照的に、他の構成要素の挙動は異なり、賃金価格加速エピソードの開始時に急速に増加するが、その後は沈静化する。

平均して、ここで述べたエピソードでは、持続的なインフレの上昇と労働市場の逼迫から予想される賃金を上回る持続的な賃金の伸びは観察されていない。

現在局面における重要問題は、先進国経済賃金価格スパイラルに陥りつつあるのかどうかである

一部の国における最近賃金価格上昇の顕著な特徴は、労働市場が引き締まる一方で実質賃金が低下していることである

したがって、連続する4四半期のうち少なくとも3四半期が、

という特徴とするエピソード特定

こうしたエピソードの後に​​は、持続的な賃金価格スパイラルが続く傾向はなかった。

逆に、名目賃金の伸びが増加する一方で、インフレは低下する傾向があった。これにより実質賃金回復した。

さらに、失業率も低下する傾向にあった。

全体として、これらの同様のエピソードの後に​​は、上記のより広範な一連のエピソードよりも高い賃金上昇率が続いたが、賃金の伸びは最終的には安定した。

実際、2年後の名目賃金の伸びは、インフレ労働引き締めの動きとほぼ一致している。

今回は違うのか?

実質賃金が大幅に低下した今日と同様の状況を見ても、持続的な賃金価格の加速を見つけるのは難しい。

そうした場合名目賃金実質賃金の損失を部分的回復するためにインフレに追いつく傾向があり、成長率は初期の加速が起こる前よりも高い水準で安定する傾向があった。

賃金上昇率は最終的にインフレ労働市場の逼迫と一致するようになった。

このメカニズムは、賃金価格スパイラルとして特徴付けられる永続的な加速ダイナミクスにつながるとは考えられなかった。

近い将来にこれらのパターン再現されるかどうかを判断するのはまだ時期尚早である

2024-04-05

[] 今日経済馬鹿語録: 緩やかなスタグフレーション

緩やかとつけていれば危険性が少ないという印象論を生み出すのが目的

ちがうぞ、賃金物価スパイラル(インフレ)で悪循環に陥っているのが今だ

それでその流れを加速させようとしている連中がいる、「好循環論」というエセ理論

今後、インフレ悪循環は深刻化し、国の富の総量は低下していくだろう

貯金を貯めるなどして資産を貯めた層は大打撃を被る

金利が上がらない限り、資産価値は目減りしていく

2024-04-04

[] なぜインフレ下で実質賃金回復する見込みがあると言えるのか

賃金物価スパイラル分析論文を読むと、「実質賃金が初期に低下し、後に回復する」と書かれていることが多い。

しかし、現在ドイツの状況を見てみると、一向に「回復」していないので、希望的観測可能性がある。

名目賃金増加、物価転嫁実質賃金低下、という一連の流れを通じて、実質賃金が「回復しない可能性がある」という主張があれば、その分析根拠比較してみる必要がある。

2024-04-03

[] 好循環?悪循環だぞ言っとくけど

賃金物価スパイラル悪循環です

ドイツがひどい目に会っていますがいずれ日本もそうなることでしょう

日本国内の富の価値が低下し、貯金を地道に貯めてきた国民は大損することになります

一部の借金まみれの輩は借金が返しやすくなるかもしれませんが、国家の富と借金厨、どちらが国益にとって重要なのか考えてくださいね

よろしくお願いいたしま

2024-04-01

[] ミクロの基礎

経済とは、オペレーションズ・リサーチ手法分析されることが多い。

まり消費者効用最大化、企業利潤最大化に基づいて行動する。

均衡分析では、財i=1,...,kが存在するもとでD_i(p) = S_i(p)を考える。

このとき消費者企業が何を最適化しようとしているのかがわかるだろう。

まり企業視点から見れば、どの財をどういう価格でどのくらい売ろうとしているのかによって。

消費者視点から見れば、どの財をどの価格でどのぐらい買おうとしているのかによって分析できる。

ここで「均衡」とは何かということについて、厚生経済学の基本定理では「パレート効率性」が焦点になる。

まり「誰かが損をしない限り誰も得をしない」状態を指す。

なぜこれが「厚生」なのかというと、国民全体の幸福を考える上では「犠牲の元での効率性向上」では困るからである

誰かが損をした場合、厚生を考える上で補償原理の話に自然に向かうことになるだろう。

ここで経済学では「事実」と「価値」の判断区別するということが行われてきた。

パレート効率性は「価値」の話であり、均衡分析は「事実」の話である

価値とは、この場合「なにをすべきか」という論理のことを意味し、事実とは「なんであるか」という論理意味する。

もし功利主義者が現れれば、パレート効率性とは別の「効率性」を持ち出してくるだろう。

典型的には「ハンコ業界を滅ぼして、電子化を進めよう」といった論調がそれに属する。

経済において、特定集団が損を被る場合はまず「パレート効率性」について考えなければならないだろう。

障害者障害年金を配るのは非効率だ!」と功利主義者が言い始めた場合厚生経済学者は「障害者年金を無に帰すことはパレート改善ではない」と言うだろう。

このようにして、「べき論」にも根拠必要であることがわかる。

一般市民がべき論を語り始めると、それは「自分利益になるかどうか」という視点になりやすい。

しか経済特定の誰かの利になるよう調整されるものではなく、国民全体にとって調整されなければならないだろう。

ゲーム理論的なナッシュ均衡で個々の最適性を議論すると、全体としての効用が低下する恐れがある。

ナッシュ均衡は悪い意味で安定しやすいため、パレート効率性を重視する場合政策レベルでの議論必須である

2024-03-19

[] 株価変動理由説明は後知恵バイアスがかかる

政府支出が増加し、マネーサプライが増加し、インフレになる、といったことは予測可能事象である

ところが株をどう購入するかという戦略はそれほど予測可能ではないので、特定事象と合わせて後知恵で説明される

日銀マイナス金利解除すると発表し、株価が下落」と言うこともあれば、「日銀マイナス金利解除すると発表し、株価が上昇」と言うこともある

株価説明は大体が後知恵なので、膨大な特徴量を用意して予測させない限り「上がる下がる」の予測はできないと考えたほうが良い

そして仮に上がる下がるを予測できたとしても、多く見積もって50%±5ぐらいの範囲と考えておいたほうが良い

2024-03-17

[] インフレ社会的コスト

[] 用語集: 賃金プッシュインフレ

賃金プッシュインフレ

賃金プッシュインフレとは、賃金の上昇によって生じる商品サービスコストの全体的な上昇。

雇用主は、従業員給与を引き上げた後も企業利益を維持するために、商品サービス価格を引き上げなければならない。

賃金プッシュインフレ理解する

企業はいくつかの理由賃金を引き上げることができる。最も一般的なのは最低賃金の引き上げである

企業は、従業員賃金を段階的に引き上げることでも知られる。

こうした最低賃金の引き上げは、賃金プッシュインフレの主要な要因となっている。

産業要因も賃金上昇の促進に関与している。

企業は、人材を惹きつけるために賃金を上げたり、特定業界が急速に成長した場合ビジネスの成長を助けるインセンティブとして従業員に高い報酬提供したりする可能性がある。

このような要因はすべて、企業提供する商品サービス賃金プッシュインフレ効果をもたらす。

賃金プッシュインフレには、賃金が上昇し、企業がより高い賃金を支払うために自社の製品サービスに対してより多くの料金を請求する必要がある場合に発生するインフレスパイラル効果がある。

マネーサプライが増えても、消費者購買力高まるとは限らない。なぜなら購買力実質賃金によって決定され、実質賃金の分母が物価であるからである

市場商品コストも上昇しているため、より高い賃金を支払っている企業やより広範な市場全体で商品サービスコストが上昇するため、賃金上昇は従業員にとってそれほど有益ではない。

 

ポイント: 企業コストの増加を補うために市場での製品価格を上げなければならない。しかし、商品サービス価格が高騰しているため、賃金引き上げでは消費者購買力を高めるのに十分ではないと判断される。「この賃上げが十分ではないなら、さら賃上げ必要だ」という単純なロジックを持った人々によって、賃金を再度引き上げる圧力がかかり、インフレスパイラルが引き起こされる。

インフレ目標とは何?

政府は通常、インフレ目標を設定する。米国ではインフレ目標は年間約 2% 。インフレ目標により、企業個人は将来の予算を立てることができる。

これは、企業従業員いくら支払うのか、また商品サービスいくら請求するのかに関する指標提供する。

これは、個人に対して、賃金がどれくらい期待できるか、また商品サービスにかかる費用がどれくらいかを示す。

インフレお金価値にどのような影響を与えるか?

インフレ現在お金の将来の価値を減少させる。

価格が上昇するため、現在円の価値は将来の価値よりも低くなる。

将来的には、現在の同じ円で購入できる商品サービスは少なくなる。

結論

政府労働者賃金引き上げを命令すると、雇用主は対応を迫られる。

そして賃上げと同時に製品サービス価格を引き上げる傾向がある。

その結果が賃金プッシュインフレである

[] 賃金がなぜインフレに追いつかないのか

高賃金仕事に就いている少数の労働者は、より高いボーナスインフレを打ち破る昇給享受している。しかし、大多数の労働者にとって、物価上昇により実質賃金が目減りしている。

労働者生活必要ものを買うのに苦労している。

労働者賃金インフレに追いつく見込みがまったくないなか、実質賃金の低下に直面している。

左翼活動家の中には、企業権力の増大とともに労働組合の力が低下していることを挙げる人がいるが、賃金市場によって決定されるという事実を見れば、労働組合賃上げ圧力を高めれば企業生産性は低下するだろう。

生産性の低下は実質賃金の低下を招く。

また、賃上げによって物価が高まっているのが事実であるのにも関わらず「今後賃金インフレが上昇し始め、おそらくは物価インフレを追い越すだろう」と主張する人たちがいるようだ。

インフレ率を上回る賃金上昇の可能性にここまで執着する理由がなんなのかはわからない。そういう「労働組合による圧力アプローチ」は実質賃金を低下させるだけだろう。

2024-03-15

[] 賃上げ生産性を低下させる

物価対策として賃上げ必要だというのは頭が悪い証拠

賃上げをしても、企業労働コスト価格転嫁して物価は上がる。

賃金を5%上げて、消費者物価が5%上がれば、実質賃金の変化率は0。

経済学合成の誤謬と言われるパラドックスである

賃上げ意味はあるのか。

賃金は一度上がると下がりにくいという下方硬直性があるとされ、景気が悪くなったとき実質賃金が上昇しやすくなるかもしれない。

しか本来労働価格を決定するのは市場である

労働者は、自分給料が気に入らないとき転職すれば良い。

そのようにして、労働受給市場競争されて、スキルのある人材は良い待遇にありつける。

したがって「転職時に、前職の賃金によって採用するかどうかを決める」という差別法律で禁じれば、労働市場流動性が高まり市場効率化させることが可能である

市場効率化させることが、個人単位での賃金最適化する方法であり、政府による賃上げ圧力企業コストを増加させて利潤(生産性)を低下させるだけだろう。

2024-03-06

[] 経済学相対主義に対する処方箋

解像度が低いねぇ君は。わかるかわからいかの1bitでしょ、君の脳みそは。

経済といっても、さまざまな分野があって、効用無差別曲線ゲーム理論の話をするのはミクロ経済学。これはもう数学的には厳密なので100年後も教科書の内容に間違いはないだろう。

マクロ経済学はメトリクスを基準とした統計国家経済を扱う。GDPはその例だが、「労働時間あたりのGDP」といった指標国家労働生産性を測る一つの方法となることはよく知られる。因果推論を行うのも基本的には統計の話なのでマクロ経済学範疇になる。

これらの経済学は、現象部分的に見てみれば推測の能力は高く、正しく理解していれば経済現象説明できる。

ではなぜ「経済」の話をすると、経済危機とかが生まれるかというと、外部性などがあるから

サブプライムローン破綻基本的に「債務能力を超える貸付」を行なうことが可能であるという負の外部性によって説明できる。

経済学は「説明」をすることはできるが、「コントロール」をするのは政治の話で、政治家や官僚教科書レベルのことを理解していないこともあり得る。あるいは「マルクス」などを信奉しているどうしようもないのもいるだろう。

政治家や官僚対処しなければ負の外部性による市場の失敗を規制することができない。

結果的経済を「コントロール」できないのは、経済の中に潜む負の外部性をすべて扱う方法がまだ判明していないからであり、予測説明可能レベルにある事象は多い。

anond:20240306194910

2024-03-03

[] インフレは良いもの

標準的経済理論経済主体の行動を決定するのは、名目変数ではなく、実質変数である

賃金物価の好循環」がなぜ好循環なのか。「デフレを抜け出したいでーす!ピロローン!」ぐらいの根拠しかない。

経済の実質値がインフレによって高まるということはあるのだろうか。

名目賃金物価が同時に上昇する経済の方が、互いに凍結し合っている経済よりも好循環が起きやすい、という見方を100歩譲って認めるとしてみる。

しかし、その正の効果果たしてどのくらい大きいのか?

家計企業のように、物価賃金名目値が上昇する経済が、消費や住宅投資をより増やすかと言われれれば、それはかなり怪しい。

貨幣錯誤はあるかもしれないが、実質賃金が低下し、物価が高まれば消費は減る。当然である

賃金物価の好循環」の正の効果が、他のリスク要因を上回るかというと、断定はできない。

デフレが続いたことによって生まれた「インフレは良いもの」という妄想は疑う必要がある。

2024-03-01

[] 仮説: 日本人思考を要する善悪問題が苦手

Youtube外国人が「日本で財布を落としたらどうなるか」を検証していた。

想像通り、検証対象となった市民50人全員が落とし主の外国人に財布を返したのである

これを見て「日本人は素晴らしいなぁ」と思ったわけだが、少し気になることがあった。

例えば「単に賃上げするだけでは名目しか上がらず、実質賃金はむしろ低下するかもしれない」といった問題に対し「物価に追いつく賃上げを」などと無意味なことをやっているのは、「労働者に高い賃金を払うのが善だ」という単純な発想に基づいているからでは?

あるいはウクライナロシア問題で、「ウクライナ武器供与して反転攻勢を!」などと言うのは、ロシアが悪でウクライナが善だから、善に勝って欲しいという単純な発想に基づいているからでは?

経済政治法律問題は、残念ながら「共感」に基づくほど間違った判断を下しやすいと言われることがある。

誰かが殺人犯と言われた時、論理的証拠を提出するべき時に「私は家族が殺されたのが憎い!だから被疑者死ぬべきだ!」と言って、被疑者冤罪可能性を考慮に入れずに報道され、その結果、報道への共感によって取り返しのつかない冤罪に容易に繋がったとしたら?袴田事件だってそうだろう。

経済もっと複雑だ。経済には事実判断価値判断区別必要だが、ミクロ経済学が取り扱っているのは概ね事実判断と言われる。無差別曲線ゲーム理論事実判断である

それに対し価値判断とは「なにをすべきであるか」という問題のことだ。日本が国として何をすべきか、という話をしているときに、特定集団だけを贔屓にするわけにはいかない。

例えばパレート最適性について考慮し、誰かが損をする場合補償を与える方法を考えなければならない。

それを「私たち税金を一体何に使っているんだ!」という感情論補償原理を無に帰することは、典型的日本人がまさに陥りがちなことだろう。

補償税金の正しい使い方であるから自分利益にならないという理由だけでは正しいことは言えない。

ひろゆき氏が「政治家にはサイコパス必要なんですよ」と言っていたが、それは「共感能力ではなく、論理によって判断することのできる人間必要である」という意味だと私は思う。

まあ、こいつもこいつで、補償のことを話さずに「ハンコ業界を滅ぼして効率化を!」などと言いそうな雰囲気から感情論であることに違いはないが、論理には前提知識がある程度必要であるということでもある。

基礎知識のある人であれば、貨幣供給量が増えれば貨幣価値が低下すると考えるだろう。しか知識のない感情派は、「お金が多いほどいい」「通貨発行権を駆使すればいい」と言い始め、貨幣価値が低下しないという前提のもとで国家経済悪化させようとする。

経済名目値ではなく、実質値を向上させるにはどうするか。その議論のためには確かな情報知識必要であるはずだが、短絡的な善悪を持ち出すことによって「物価高に追いつく賃上げを」などと、スタグフレーションがなんであるかも知らずに言い始めるわけである

かに小学生でもわかるような善悪問題において正しい行動をするのは日本人の良い点だと言える。外国では「見られていなければ悪事を行ってもいい」と言わんばかりの連中が巣食っているからだ。

しか経済政治法律。そういった「高度な知識を伴わなければ善悪判断を間違えるだろう」というシナリオで、日本人は落第点を取る可能性が高い。

経済であればミクロ経済学マクロ経済学教科書知識ぐらいは必要であるが、日本人は哲学にも疎く、相対主義蔓延るので、「経済論はたくさんあるし、どれもが正しいことを言っているに違いない」と言う相対主義的な認識を持っている可能性が高い。

結局、短絡的な善悪観でミツバチの巣をつついたような行動しかしないのが、他の国の人にもバレているだろう。

しかにそれはそれで社会秩序の維持にはなっているから、良いことかもしれない。

しか経済政治などにおいては別だ。正しい知識に基づいた善というのは、正しい内容を選んで勉強をする努力必要なのである。どの論も平等だと相対主義的に考えている連中が、パヨク理論に陶酔し、発狂しているのを見たか

2024-02-25

[] GDP世界4位!というバカの一つ覚え

人口でのGDP人口に相関するのであんまり気にしなくていい

重要なのは「一人当たりの実質GDP」と、「労働時間あたりの実質GDP

ドイツアメリカはこれが高いか経済も良いが、中国日本以下の経済水準

anond:20240225230028

2024-02-19

[] ブルシットジョブ収入ほど高い

1. 労働はそれ自体価値であり、収入関係がない。エッセンシャルワーカーは高価値

2. ブルシットジョブをやる高収入者が、仕事価値という点でエッセンシャルワーカーに嫉妬エッセンシャルワーカーの収入を下げる圧が働く。

3. 他人のためになる高価値仕事であればあるほど、対価はより少なくなる。

4. それこそがあるべき姿であるという間違った価値観が上級国民にはある。

労働価値は、市場価値にすべて還元することはできない。

しか市場価値を全てだと考える上級国民は、社会的価値のある労働に対して嫉妬と反感を抱くようなのである

2024-02-14

[] 生産性が高いというのは、1円あげたら2円になって戻ってくるということ

生産性」というのはさまざまな算出式がある。

「少ない労働者で多くを生産する」という算出式は本質を見ていない。なぜなら労働者設備投資に回してもコストはかかるからである

そこで労働者設備投資にかかるコストのものを分母に置くことができる。こうすると「1円投資したら、どれだけの利益を生み出すか」を表すことができる。

そしてこれが生産性の本当の意味だ。これは企業が「利潤=収益 - コスト」を最大化すれば、生産性は最大化される。

では現実問題生産性を増やすにはどうするのか。

まず円安であるということは海外にモノが売れるということなので、貿易利益を増加させるべきだろう。つぎに海外へ売り込む製品バリエーションを増やしたりイノベーションを生み出すことも重要だ。

ただし、国民幸福度という単位で見ると、別の生産性の式がある。労働時間あたりの利益である。少ない労働時間でより多くの利益を生み出せば、生産性が高いと言える。ここでの利益とは収入のことではなく、企業としての収益である点に注意がいるが「労働時間あたりの実質賃金」であれば、国民幸福に直結する指標とも言える。

労働時間あたりの実質賃金生産性関係式を導出できる。

 

実質賃金(W)を労働時間あたりの賃金企業収益(R)、企業コスト(C)とし、生産性(P)を企業収益コスト比率定義。すなわち、

 

P = R/C

 

ここで、労働時間あたりの実質賃金(W)と生産性(P)の関連性を示すために、企業コスト(C)を労働者の数(L)と労働時間あたりの実質賃金(W)の積と仮定。すなわち、

 

C =L⋅W + α

 

これを上記生産性定義に代入すると、

 

P = R/(L⋅W + α)

 

まり生産性企業収益労働者の数と労働時間あたりの実質賃金で割ったものとなる。

この数式は、労働者一人あたりの収益(R/L)が労働時間あたりの実質賃金(W)でどれだけ生産できるかを示す。

この数式から労働時間あたりの実質賃金が増えれば生産性が下がり、逆に労働時間あたりの実質賃金が下がれば生産性が上がることが読み取れる。

 

プログラマーに置き換えてみよう。年収300万のプログラマーAlice年収1000万のプログラマーBobがいるとして、AliceBobはそれぞれ収益を600万、1000万生み出した。この2人の生産性は、Alice=600/300=2, Bob=1000/1000=1であり、Alice生産性が高いと結論づけられる。

2024-02-08

[] 実質賃金低下の原因は賃上げ

名目値をあげようとしても無意味

なぜなら物価転嫁して物価が上がるだけだから

物価高に追いつけ!」などと賃上げをやっていても一生追いつかないし、ジンバブエまっしぐら

経済の実質値を改善するには、生産性を上げる、貿易利益を増加させる、イノベーションを産む、などが必要である

このままでは、円安資産価値がどんどん低下する

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