「暴力系ヒロイン」的な物語の理不尽

今まで散々言及されてきたことだろうが、改めて「暴力系ヒロイン」、ひいてはキャラクターとシナリオの剥離について書きたい。

昔、らんま1/2が嫌いだった。いや、大嫌いだった。

アニメ再放送をたまにみていた程度なのだが、主人公乱馬とヒロインあかねが理解できなかった。

言うまでもなく有名だろうが、あかねの暴力暴言は凄かった。あかねが切れて怒鳴ってる表情しか思い出せない。望んだ許嫁じゃないから辛く当たるのもわからないでもないが、そこまで罵らなくてもといつも思っていた。

言われるがままやられるがまま許す乱馬も、主人公としてモテカッコイイ枠なのも変だと思っていた。ある程度言い返してはいたけど。

何にせよ、お互いにいつも喧嘩して罵り合ってるのに、ちょっと確信に迫ると「ほんとは好きです」となるのが、なんだか気味が悪かった。お前らさっきまでクソみたいに罵り合ってたのはなんなの?と。「素直になれないのミャハ☆」という天邪鬼表現にしては苛烈に見えた。OPやEDで、本編の険悪さなんて関係ないかのように寄り添ってるのも変な感じがした。(シリアス編はみてないので知らん)

意地っ張りで素直になれないなら、なにをしてもいいの?

好きな相手なら、なにされてもされるがままになるしかないの?

今でこそ演出だと割り切れるが、当時は子どもだったので、リアルに置き換えて「こいつらなんなの?」と思っても仕方ないと思って欲しい。

その後、ラブひなにハマった。しかし、こちらもまた暴力系ヒロインだった。

なるは凄かった。あかねほど口汚くはないが、何かとグーパンで主人公を殴り飛ばす。

ラッキースケベへの制裁という意味もあったろうが、それにしたって主人公が気の毒だった。主人公がなるを好きになる理由がよくわからんかった。

(ラブひなの終わり方はあそこまでいくともう何でもいいやという感じで嫌いじゃないけど)

「女は大人しく素直であれ」と言いたいんじゃない。別に気が強くたっていい。

暴力系ヒロインが好きな人を叩きたいんでもない。

私は、主人公やヒロインといった立場にあぐらをかいたり、恋愛の名の下に許されようとする暴力表現が嫌いなんだ。

暴力をふるう→でも主人公/ヒロインだから好かれます(許される)

暴力をふるわれる→でも主人公/ヒロインの相手役だからなあなあで流すし好きになります(許す)

より役割的な次元で話すならば、キャラクターの個性がシナリオと咬み合わなくても、無理やり合わせる為に押し通すやり方が嫌いだ。

シナリオ上この2人は結ばれる事になってるので、どんな暴力的/悪意的行為が二者間で行われても、償いがないまま最終的に結ばれます、って。

もっと単純にしてもいい。

このキャラは重要キャラなので、後の展開と齟齬が起きかねない行為をしても、シナリオの都合上辻褄合わせせずスルーします、とか。

いや、おかしいだろ!脚本の怠慢だろ!キャラ作りからやり直せよ!!と言いたくなる。

暴力系ヒロイン的な理不尽で、もう少し最近の例をあげるならば、テイルズかな。

アビス、ゼスティリアがその極端な典型だろうか。キャラクターとシナリオがばらばらなまま無理やり繋げるから、展開に無理が生じている。

(テイルズは最初からキャラ萌え特化のシナリオ捨て置き方針だろうから、責めるのは逆におかしいのかもしれないが)

最近のは知らないけど、少女漫画でも昔はそういうのが多かったな。

突然現れたイケメンに急接近される主人公。周囲から囃し立てられプライベートを暴かれゴシップ扱い、それでもただただ困るだけで怒らないし行動もしない主人公。

イケメン様や恋愛シナリオ様の前には人権も意志もない、って感じ。少女漫画誌なんてすぐ読むのをやめた。

男女変わらず、異性や周りに振り回されるだけの主人公恋愛物語って、一定層にウケるんだねえ。

話がそれたけど、許されちゃう暴力系ヒロインというのは、「シナリオの為に齟齬は無視して押し通す」物語の典型例だと思う。

もちろん、表面上の行為と(予想される)結末を離れさせておいて、風呂敷を畳みつつ折り合いをつけたり、理不尽を貯めてカタルシスを与える事だって物語の醍醐味だ。

しかし、恋愛といううまく理屈付けできないものを「恋は理屈じゃないんで〜」と辻褄接着剤のごとく利用するのは、怠慢だろ。

そういう怠慢が暴力系ヒロインみたいな理不尽を生んで、やれ女は暴力が許されてずるいだの、やれ人気キャラ優遇だの、やれ※イケメンに限るだの、ヘイトを生むんだよ。

最近は、そういう流れのカウンターか知らんが、理屈ぶっとばしのチート主人公とか、決着のないぬるいハーレムとか、ふわふわ女子だけの世界とか、そもそも恋愛要素を盛り込まないとか、ぬるい雰囲気だけど丁寧な物語が多い、ような気はする。

刺激がないといえばそうかもしれないが、半端な理不尽を突きつけられるはよっぽどいい。

とはいえ、キャラ萌え重視な物語作り路線なのは変わらないから、人気キャラが優遇されて変な流れになる物語もあるみたいだけど。

つまり、物語の理不尽を生み出すのが「製作者」から「読者」に移っている側面もある、と言っていいだろう。

物語の受け取り方は個人の自由なのだから、キャラ萌え重視で推しキャラさえ幸せならそれでいいって人もいていいのだが、読者が製作者に圧力をかけ「暴力系ヒロイン」の様な物語の理不尽を生み出させるような事は出来るだけ起きないで欲しいと思う。

物語の理不尽なんて、作者の趣味で押し付けられる分だけでこりごりなんだよ。

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