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はてなキーワード: Google Scholarとは

2023-11-27

anond:20231126190022

自分妄想根拠なく正しいと思ってる異常者やん

とりあえずGoogleGoogle scholarでsexism animeとかmisogynyで検索してみよか

sexual objectificationもいいね

anond:20231127034016

自分妄想根拠なく正しいと思ってる異常者やん

とりあえずGoogleGoogle scholarでsexismとかmisogynyで検索してみよか

anond:20231127034016

自分妄想根拠なく正しいと思ってる異常者やん

とりあえずGoogleGoogle scholarでsexismとかmisogynyで検索してみよか

2023-09-13

ある社会学者論文一つ引用してイキっていたようだが

社会学者宮台真司さん「トリチウム生体濃縮根拠!」と1週間以上の沈黙から論文ミスリード引用→総ツッコミ

https://togetter.com/li/2223352

 

そもそも論文一つで、なにか一般的真実が明らかになることはほぼないと言っていい。

特に一般性が高い大きなテーマや、論争になるような結論簡単に出すことができないテーマにおいては。

 

論文というのは「◯◯の条件で△△の結果が出ました。そこから考えられるのは□□です」というフォーマットに則っている。

□□はその論文結論と言っていいものだが、たいていの場合で語気が弱められている(断言しないような言い回しになってる)。

「□□の可能性がある」とか「□□は【より重要一般的テーマ】にとって重要な知見を与える」とかそんな。

件の社会学者引用した論文でいうと(アブストラクトしか見てないけど)、

This paper presents a laboratory experiment developed to identify previously untested scenarios where tritium may concentrate or transfer in biota relevant to Baltic coastal communities.
(この論文は、トリチウムが濃縮する可能性がある未検証シナリオ特定する実験を示したものである

current legislation does not adequately take into account the nature of organic forms of tritium and therefore may be underestimating accumulation and toxic effect of tritium in the environment.
現在法律トリチウムの生体内での性質を十分考慮しておらず、それゆえトリチウムの濃縮と毒性を過小評価しているかもしれない

may | かもしれない、を使ってちゃんと(?)結論をぼかしている。

法律トリチウム性質考慮していないの部分はmayがないので確信があるんだね。)

 

なぜこうなっているかというと、論理的に出せない結論は書いてはいけないから。

もし書いたら査読に通らない。

Aって書いてるけど、BかもしれないしCかもしれないよね?とか査読者に言われちゃう

万が一査読に通っても、学会論文で他の研究者に遅かれ早かれ指摘される。

 

でも「我々の実験はAかもしれないことを示した」は論理的に間違いではないか査読に通る。

逆にいうと、mayさえつけとけば何書いても許されるみたいなところはなきにしもあらずなところがある。

まり良くないようにも思えるが、だからといって何を明らかにしたい(したかった)論文なのかは目立つところに書いておいてもらわないと読みにくいので、今の書き方が慣習となったのかもしれない。

 

結論を言いきれなかったからといって価値のない論文なのかというと、そんなことはない。

◯◯の条件で△△の結果が得られたことは、学術的に重要な知見である(かもしれない)のだ。

トリチウムわずかでも生体濃縮するかどうか、みたいな結論簡単には出せないテーマに対しては、あまり強い主張はできないけど限定的な条件でいいから少しずつ知見を積み重ねていくのが、現代学術のありようだ。

この論文では生体濃縮可能性を示した、あの論文では生体濃縮可能性は見出されなかった、というのを積み重ねていくのだ。

一見相反する結論論文があるように思うかもしれないが、実験条件がちがうのだし、ここまで書いたように結論を断定した論文は少ないので、おかしなことではない。

 

これで、一つの論文引用しただけでイキったこ自体が、おかしなことであることを分かってもらえただろうか。

論文の内容にもケチがついているようだが、その論文を読んでないし他の関連文献も見てないので、特に触れない)

 

 

 

これは余談にはなるのだが、もし何かの研究結果を調べなくてはならなくなったとき、たとえばトリチウム生体濃縮について調べなければならなくなったとき

つの論文結論を出せるものではないなら、どうしたらよいかを書いておく。

ようするにその研究テーマの主要論文を押さえればよいのだが、そのやりかたについて。

 

基本的にはGoogleGoogle Scholar(Google論文検索サイト)で適当ワード検索すればよいのだが、ほかに一般の人はあまり知らないであろう方法をいくつか書き留めておく。

 

雑でいいときは、被引用件数が多い論文重要論文とみなしてしまときもある。

必ずしもそんなことはないのだけど、読んでられねーなと思うときもあるので時間短縮のために。

2023-05-29

anond:20230529151106

大学教員攻略それとなくわかるからアドバイスはあるけど,疑問として彼のポスト説明に謎が多い.

(補足)はてな記法コピペしても確認画面で出力を確認できなかったので見づらいと思うけどご容赦を.

というか (連続した空白の行2つ) をしても改行すら挿入されないしはてな記法は難しすぎる.みんなよく書けるね.

それとも何記事か書かないとはてな記法使えないとか縛りでもあるの?本文は↓から

> この春に博士号を取得し、出身大学任期付き(任期3年)の助教として就職

PhDとって任期付き助教ってことは理工系なんだろうけど,29歳でPhDは優秀と呼ぶには取得が遅い.

それなのに

大学から特別学生として奨学金をもらっているので、大学卒業後(つまり2023年から)5年は大学職員として働かないといけないらしいです。

大学側としては将来的にポストが空くことが確定しており、助教講師→准教と順当に彼を育てていきたいと思っているらしく、海外留学もその一環とのことです。

というのは非常に謎.それなら少なくとも任期5年つける.

そもそも常勤安定財源の任期付き助教は基本5年(全部じゃないけど傾向はJREC-INで調べらればわかる https://jrecin.jst.go.jp/seek/SeekTop)だし3年にする意味がわからない.

特任助教とかなら3年というのは納得の数字だけど,それは安定財源じゃない.

そもそも助教は「教員」であり「職員」ではない.「教員」と「職員」は業務上明確に違うのでここの間違えるのは違和感しかない.

通常,ポストが空くことが確定しているならテニュアで採る.テニュアじゃなくて任期付き3年ってことは少なくとも大学側に彼を順当に育てていきたいという思いと矛盾する.

邪推だけど,研究員なら「職員」なので,彼は助教ではなく特任研究員とかなのではないだろうか?任期3年の特任研究員なら29歳PhD取得後の最初キャリアならわりと合点がいく.

まったく将来性のないポジション大学側が彼を育てたい説明とまるで一致しないけど,アカデミアにいない人には,そういうのわからいかからフェイクがすぎるか増田は嘘を付かれていると思う.

邪推はともかく,助教で将来性が本当にあるポストにいると仮定すると一応留学周り,

教授に、論文を1つ書いたら、海外留学の話を持ち出されているそう。ほぼ強制で断ると、ポストに影響がでるから、彼も留学する気でいる。彼の大学教職員留学は、最低半年~最大2年(2年目は休職扱いらしい。)

留学先も提携大学になるだろうけど、いくつかあってどこの国になるかわからない。

など,海外大学で Visiting Researcher をやるのはよくあるはなし.昇進のために必要なところも多く,海外留学がその一環という説明は納得できる.

そして受け入れ先の都合もあるので,別にどこにいつからというのが事前に決まっていないのも少なくない.

兎に角.もし結婚したいなら

・初産は遅く見積もっても35歳以前でないとリスクが跳ね上がっていくのは医学系でよくいわれるので,そういう論文データを集めて結婚子供について説得する

 ・もちろん高齢出産不可能ではないので35歳以降でも諦めることはないけど,常識的な適齢期に入ってからは早ければ早いほどあらゆるリスクが低いのは否定できない事実

 ・なお,理工系的に査読のない書籍情報が古かったり嘘が平気かかれてあるのでデータ集めは論文ベースとすると反撃する隙を潰せる

  ・真っ当かつオープンアクセス論文最近は多い,medRxivはプレプリント情報の確度の判断能力を要するのでおすすめはしない

  ・余談だけど結婚育児雑誌や本は有名どころ含めて信頼性低い情報がかなり多いので真面目な理工・医学系のPhD持ちにこれらの情報提示するときは相当の注意が必要

   ・どうしても雑誌や本の情報使いたい場合信頼性確認する手段として素人でできる範囲としては,本や雑誌専門家意見していたらその専門家研究歴(科研費dbやresearchmap,非公式ものとしてはresearch-er.jpとか)と論文執筆状況(Google Scholar最近記事出てくるか)の確認となる

    業績なかったり本・雑誌ばかり出てくるならその情報居酒屋酔っ払いの与太話と科学信頼度は同じなので,扱わない方が無難

    ・余談の余談だけど,日常的にはそこまで科学信頼度高い情報じゃなくても普通に生活する上でなんとかなるので,そういう雑誌や本読んだり知識を使うのはほどほどにしていれば喧嘩にはならないはず

 ・専門外だから論文に目を通そうともせず話を聞こうともしないなら少なくとも大学教員としての資質はそう高くないので,大学で重宝されて順調に昇進できるタイプには思えないので,よほど好きとかでないなら違う人探したほうがいい

学内男性の育休取得率や育児支援制度は拡充しつつあるので,そういう制度を(表向きだけでも)利用できると大学は実績としてカウントできるので大学側はハッピーになると説得する

 ・ただし研究活動大学の用務ではないので休業できるわけではなく(科研費研究は育休できる),早い昇進で生活を安定させるためにも研究実績が必要で,夫氏が休んで育児に参加するより1本でも論文を書いて出してもらった方が冗談ぬきで1年後から数年後に収入が増えて生活が楽になる可能性はあるので覚悟必要

 ・そういう大学の用意した制度や中期的な視点をもてない人なら,順調に出世できる資質も疑わしいので,よほど好きとかでないなら違う人探したほうがいい

結婚はいったん棚上げて子育てに向けて貯金すると割り切って,入籍はする.紙出すだけなのでほぼ0円でできる(戸籍謄本取得とかで経費はちょっとかかるけど1000円以下切り捨て)

 ・なお結婚式のおすすめ10年後とかバウリニューアルでと言っておくのがおすすめ

  ・特に10年後なら本当に大学に重宝されているなら少なくとも准教授にはなってるだろうからお金に余裕もでてくるはずで,新婚夫婦のやる盛大な結婚式より数ランク上の結婚式も難なく盛大にすることは可能

   ・盛大にとまでいかなくても,キッズスペース設ける費用もそんな負担にならずできて,同級生とかも子供大きくなってきた頃なので参加しやすいし,たぶん同級生からはすごく評判な結婚式にできる

 ・金銭負担心配なら結婚式などなしで紙出して一緒に住むのが名実ともに一番金銭負担が少なくなる.この金銭合理性同意できないなら結婚的ない不安別にあることなので話し合うか,よほど好きとかでないなら違う人探したほうがいい

・「寄り添えるのは俺以上に居ないと自負する」としながらも「遠距離恋愛したことがないから考え方が変わって、増田のことが好きでいられるか不安」の感性が謎

 ・大学に重宝されるほど優秀な理工系教員基本的思考ではプライベートでもそのような結論安易に出さないし,未知なることへの探求に対して不安は覚えずむしろ挑戦的な傾向を示すorなんとかなるとする傾向が強い

  ・ただし,私調べ,理工系の業績がぱっとしない教員・間違いなく優秀な教員での比較,それぞれn=20±5,なおサンプルは国立の方が少し多めだが十分な私立教員含む

 ・優秀でもただ単に相手はそこまで本気でない可能性が十分に否定できないので,よく話し合うか,よほど好きとかでないなら違う人探したほうがいい

(追記)

邪推がすぎましたね.助教で間違いないのですね,失礼しました.また6年生学部とのことで,こちらも失礼しました.

ただ逆に本当に助教であるなら,より採用側の認識とご本人の認識齟齬があるのではと思われる状況ですね.

分野によりますがAMEDの若手育成枠の採択目指せそうな実績でもあるのでしょうか.とてもとても不思議です.

(追記終わり)

2023-02-07

anond:20230206172859

しろgoogle scholar全文読んで勉強してるのに、なんであんなにポンコツなんだ。

「こんな設定の研究ある?」みたいなことを(もちろん英語で)聞くとリストアップしてくれるんだけど、そもそもその論文ひとつ存在しねえ。

「そんな論文存在しないだろ。DOIURLを書いて見せろよ。」とか詰めると、「自分はlanguage modelなんで、google scholarで著者名とタイトル検索してください」とか抜かす。

「著者のサイトのpublicationのリストにもないし、ジャーナルの目次にもない。」と言うと、「2021年までの情報トレーニングしたので、消えたのかもしれません。」

終いには俺の名前で聞いたことも無いタイトル論文が出てきて、おったまげたわ。

これだけ返答内容がポンコツなのに、厭味やあてこすりには反応できて、会話はしっかり成り立つのがすごい。

知らないことでも知ったかこいて答えるところまで、ありがちな英語コミュニケーション再現されていて腹が立つ。

2022-12-25

出産予定日死産がつらかったので書く(男性視点

 タイトルそのままの内容なので閲覧には注意されたい。一部の人にはつらい記憶を思い出させてしまうかもしれない。女性視点体験記は数多くある一方で、男性視点のものは少ない。妻が妊娠すると男性覚悟を決める。しかし、(過去自分も含めて)何が起こり得るかはぼんやりしか想像できない。稚拙ながらも自分体験と後悔を書き残しておけば、その解像度が上がるかもしれない。そう思い投稿する。

 分娩室。妻につながれた医療モニタが歪なサインカーブを描いていた。正確にはサイン波の絶対値のような概形でゼロ区間が長い。波形がピークに近づくにつれて妻のうめき声が大きくなる。これが陣痛発作だ。間欠的な小休止を挟みつつ、数分おきに発作が起こる。モニタの値が妻の痛みを表している。全力で妻をサポートしたいなら、助産師の動きを脳裏に焼き付けて、完全に模倣すればよい。一挙手一投足に意味がある。プロの動きを邪魔しないように、分娩室の俯瞰映像想像して立ち振る舞う男性は手が大きいので、より効果的にさすることができる。胎児心臓が止まっていると分かったのは、6時間前のことだった。

 妻がついに妊娠した。待望の我が子で、出産月のコントロールなどとうに諦めていた。妊娠後の検査は全て正常、胎児推定体重は発育曲線のど真ん中。妊娠週数を横軸としたグラフ推定体重書き込み、発育曲線なる2本の曲線の間にあれば正常とされる。何も定量的説明はなかったが、胎児体重はおそらく正規分布に従うので、上下の発育曲線は平均±数σを表しているのだろう。曲線の離れ具合から、発育が進むにつれて分散が大きくなると読み取れる。ちょうどそのど真ん中で、初めての我が子は順調に育っていた。早々に名前をつけて、膨れ上がった妻のお腹毎日のように話しかけた。

 無痛分娩に興味があった。背骨脊髄の間にあるわずかな空間麻酔薬を注入して分娩にともなう母体苦痛を軽減する。一定リスクはあるが、メリットが大きく上回る。無痛分娩のためには麻酔科医の予定を抑える必要がある(※後で知ったがこれは産院によるらしい)。出産予定日は3月末だった。つまり無痛分娩選択することで子の早生まれが確定する。ひょっとしたら4月まれになる可能性もある。そんな淡い期待を胸に、私たち自然分娩を選択した。

 私は3月まれであることがずっとコンプレックスだった。早産の早生まれ、背の順は常に先頭、鬼ごっこはいつも鬼、50m走のタイム肥満児より遅く、ドッジボールではただの的、組体操ピラミッドでは頂上から落ちて何度も死ぬ思い。身体的・精神的な発達の遅れに由来する傾向は「相対年齢効果」と呼ばれ、特に男子場合生涯賃金観点で一生の足枷となる。これは歴然たる統計的事実として知られている(ちなみに、女子もしくは学力上位の男子ならばこの呪い例外となる。興味があればGoogle Scholar検索してみてほしい)。子の幸せを願う親として、自分と同じ思いをさせてはならないという使命感が、自然分娩の選択を後押しした。

 出産予定日に陣痛が起こり、病院に着いてから胎児心臓が止まっていると分かった。1週間前の検診では何も異常がなかったため、その間のどこかで突然死したことになる。我が子の突然死。目の前の現実を受け入れられず、ただただ夫婦二人でむせび泣いた。

 分娩室。妻から我が子が押し出されてきて、一瞬の静寂が広がる。子はすぐに医師がどこかに連れて行ってしまった。分娩室は静まりかえっている。蘇生可能性はゼロ。突然、遠くから赤ちゃんの元気な泣き声が聞こえてきた。我が子の声ではない。不快な、怒りに近い感情が湧き上がる。元気な泣き声がナイフのように心に突き刺さる。どうしてうちの子は。心に深い闇が広がる。妻の一言で、自分が強い嫉妬感情を抱いていることに気づかされた。「向こうの子は無事に生まれて良かったね」妻はいつの間にか、すべてを受け入れていた。

 妻と私、そして布で丁寧に包まれた我が子。一晩を一緒に過ごすことになった。「かわいいお顔を見せてくれてありがとう」口ではそう言いつつ、顔が明らかに赤黒く変色し、傷ついた皮膚から血が流れているのに言葉を失った。病室に来る助産師達はしきりにスキンシップ沐浴を勧めてくる。私はこれが全く理解できなかった。腐敗防止のために徹底的に冷やされている我が子を触り、その金属的な冷たさを感じるだけで心が締め付けられる。おくるみの下にはきっとドライアイスがあるのだろう。定期的に交換してくれている。なぜ進んで苦しい思いをする必要があるのか。言語化できない恐怖感があった。あまりにも触らないためか、助産師手形と足形を取ってくださった。このとき抱いていたのは恐怖感ではなく、エゴ由来のただの現実逃避であったと後に気づく。

 役所での手続き事務的には簡単で、精神的には苦痛しかない。病院で受け取った死産届に記入し、役所に提出すると火葬許可証が発行される。予め出生届の記入方法を調べていた。死産届の様式出生届とほぼ同じであるのに気づきスムーズに記入できたが、子の名前を書く欄はない。様式から現実を突き付けられた。火葬業者によっては、代理で届けを出してくれるらしい。

 火葬場では地獄のような時間を過ごした。大人と違って赤ちゃんの棺はとても小さい。100サイズ段ボール箱とちょうど同じくらいの大きさだ。棺は私が運んだ。今でも100サイズの同じくらいの重さの段ボール箱を持つと当時の記憶フラッシュバックして涙が出る。火葬後のお骨上げはただただ拷問のようだった。赤ちゃんの骨は割り箸のように細く脆い。頭蓋骨割れプラスチックの破片のようだ。「産道を通るために赤ちゃんの頭は形が変わるようになっている」という知識が目の前の現実と急に結びつく。赤ちゃん用の骨壺はすぐには入手できない。仕方なく、急ぎホームセンターで入れ物を購入した。「こんなのでごめんね」

 我が国における年間の自然死産数は約8000程度で推移している。その他、新生児死亡や乳児死亡も含めると、毎年約1万人を超える赤ちゃんが旅立っている。これほどまでにつらく悲しいことがあるのかと、絶望に打ちひしがれていたが、同様の絶望人知れずそこら中で起こり、大きな悲しみを背負っている人達がたくさんいることを知った。死産を繰り返した人、出産で妻と子を同時に失った人。つらい経験をした家族達が集まって語り合う自助グループが数多くあり、「グリーフケア」という名称で様々な取り組みやビジネスがなされている。関連書籍も多く(「産声のない天使たち」「誕生死」等)、図書館には必ずあるだろう。供養の方法複数あり、水子供養場合はずらりと並んだ小さな骨壷を目にすることになる。「天国友達たくさんできるかな?」

 ポジティブに捉えると、妻と一緒に同じ苦難を乗り越えたことで、お互いの心の結びつきが一層強くなったように思う。妻との関係性が、これまでにない、かけがえのないものに変化した。妻の人柄や屈強なメンタルに、改めて敬意を抱いた。

 後悔は二つある。

 第一に、無痛分娩を選ぶべきだった。出産が遅れるほど分娩リスクは高くなる。無痛分娩であれば、出産予定日よりも前に強制的に分娩させられるため、リスク相対的に低いのではないか(正確には医師相談されたい)。本事例では、出産予定日の1週間前には無事であったため、無痛分娩であれば死産を避けられていた可能性がある。「4月まれになるかも」などという勝手わがままで我が子を間接的に殺したのでは、という自責の念に駆られている。

 第二に、我が子ともっと向き合うべきだった。完全に冷え切った子に触れるのには勇気がいる。スキンシップ沐浴を勧めてくる助産師サイコパスのようにさえ思えた。これは完全に誤りである夫婦水入らずで、最後の姿をまともに見られるのは、このタイミングしか残されていない。火葬したら骨になってしまう。家族写真手形・足形・遺骨だけでいいのか。せめてスキンシップだけでも、精一杯向き合って、家族の思い出を作るべきだった。

追記

 皆さん、心優しいコメントをどうもありがとうございます。お察しのとおり、子が旅立ったのはコロナ禍前です。ちゃん言葉にできるようになるまで、事実客観視できるようになるまで約2年半かかり、同時に、受容が進むにつれて記憶が薄れるのに気づき、一気に書き出しました。的確なご指摘が多く、勉強になると同時に、自分自身の認知の歪みにも気づかされ、励まされました。

 本記事へのトップコメントこちからご覧になれます。つらい思いをしている方が、少しでも前向きに、励まされることを願っていますhttps://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20221225220743

2022-10-31

なぜTwitterではCiNiiが人気なんだろう

Twitter匿名交流サイトちょっと学術的なことを語ろうとする人、なぜかCiNiiが好きなんだよな

Google Scholarってマイナーなのかな?

2022-08-17

anond:20220817174345

商業出版の内容をググりたいならGoogle Booksを使えばいいし

学術的なものをググりたいならGoogle Scholarを使えばいいだろ

すべてをGoogle様に捧げよ

2022-07-24

今どきのリサーチ方法レポート作成方法ってあるのだろうか

検索だとGoogle検索しても引っ掛からなくなり、日本語だけでなく英語でも引っ掛からなくなってきている。

サーベイ論文が無いかはチェックするが、あるジャンルとないジャンルはある。

ないと自分で探すことになる。

論文はまだGoogle scholar、Dimensions ai検索すればいい。(Microsoft Academic Servicesはなくなってしまった。)

問題企業が絡んだ場合で、世界中でどれだけの企業が参入しているかってのは探すのに苦労する。

あと流行りではないものも苦労する。例えば画像処理機械学習使ってない物がどこまで進んでいるか探すのは今大変だろう。


Evernote、超整理術、ツェッテルカステン、コーネルノートといったのは過去話題になった。

だが、いまいち良くなった気がしない。

Webクリップは便利になったが、溜めた後の整理方法全然進化していない。

はてブはてブで整理できている人がいるなら、どうやっているか教えて欲しい。

1つずつ、どのまでが事実か、筆者の考えかの整理や、数式をMathematica確認やら、図の作成やらをしないと後で使い物にならない。

そういうのに関して自分はそれほど能力がないのは自覚しているので、テクノロジーサポートして欲しいが一向に出て来ない。

2022-06-07

anond:20220606174313

学術論文を書くときならそういうお作法もわかるけど、元の記事学術論文じゃないよね。書いた人も学者じゃないだろうし。俺も自分論文なり総説なり書くときには査読された論文引用しているけど、査読なし論文が参考にならないわけじゃないしね。未査読論文を子細に説明していることについて不誠実かというと、むしろ「子細に」説明できるなら未査読でも良いんじゃねって気はする。「本来であれば、なぜこの二つの論文の結果が食い違うのかを考察し、そのうえで自分の主張を説得力がある形で述べるべき」ってところは俺もその通りだと思うけど、そこまでやるなら、少なくともnote記事に書くくらいの文章では査読ありでも査読なしでもどっちでも良くない? なので、査読なしにここまで突っかかるのもなんかちょっとずれているように感じる。

ちなみに、Google Scholarで調べると、Kendall (2007)の引用は71、Bhuller et. al. (2013)の引用は194で、査読あり論文でも一桁から何万までバラツキがあることを考えると、被引用数ではどっちも大して差がないね信頼性に雲泥の差があるまで言ってしまって大丈夫なのかどうかね。どんな形で引用されているかまでは調べてないよ。それは興味ある人がやってくれ。

2022-05-01

anond:20220428103925

返信です。ママ友ガンダム増田だ。

たくさんブクマいただいて恐縮です。

皆さんいろいろなご意見を書いてくださってありがとう

まず、文献を貼らずに・・・と何人かの麿が目を剥いていたので、ほぼ古典レベルのこの文献を貼っておく。

面白いから全部読むといいけど、大事なところだけ抜粋した。

木下富雄(2002)リスク認知構造とその国際比較, 安全工学 41 (6), 356-363

https://www.jstage.jst.go.jp/article/safety/41/6/41_356/_pdf/-char/ja

P.357これまでに日本で行われたほとんどすべての研究において、女性男性に比べてリスクに敏感であることが知られている6)10)11)。そしてこの傾向は、科学技術リスクだけではなく、BSE汚染自衛隊海外派遣のような、社会的事態リスクにも及んでいる12)。性差さらに年齢とクロスしており、リスク認知が一番高まるのは、30~40歳代の女性であることが多い11)13)。これは、配偶者子供など、身近に愛するものをかかえるこの年齢の女性が、リスクに過敏になるためではないか解釈されている。

p.362ところが,中国では,たばこを除き男女差はほとんどない.さらアメリカでは,レントゲン麻薬において,男性のほうが女性よりも高いリスク認知を示している10).いずれにしてもリスク認知が,文化の影響を強く受けていることだけは明らかといえるだろう.

 

この分野が面白いと思った麿は、最近の文献はGoogle ScholarやらPubMedで risk perceptionキーワードに色々探してみて欲しい。

英語PDF文献はShaper https://dream-exp.net/shaper/ で改行削除してDeepLで翻訳すると楽です。Shaper作ってくれた人ありがとう

で、エントリを読んだ人にはほとんどわかっていただけたと思うが、自分は例のアンケートの元々の設計と結果の解釈が正直「まずい」というか「かなりまずい」と感じており、あのアンケートの結果をもって、


40代以降が萌え絵についていけてなくて価値観アップデートされていないとか、

年増が若い子に嫉妬しているだけとか、

40代~の中高年層がやたらと「風紀委員」的になっているとか言ってしまっている人たちに、

いやいやちょっと落ち着こうやというつもりで今回のエントリを書いた。


エントリ趣旨をしっかり読み取ってくれた人、ありがとう

仮説や解釈言及しているひと、同業者の方だろうか、ありがとう

自身のつらい体験や、大事な人のつらい体験を書いてくれている人も、共有してくれてありがとう

良く分からないが「あれは絵だ」とか、「あの広告をなくしたところで痴漢は減らない」言っている人も、おそらくnot for meな長い文章をさいごまで読んだのはえらいなとおもった。とにかく読んでくれてありがとう

どのコメントもすべてありがたく読んでいる。

特にn3922氏の

“周囲の大人痴漢に怒ってくれる、という信頼感を自分にくれた恩人である。” この信頼感の絶対量がもっと多い世の中だったら、たわわも問題にならなかったんじゃないのかな〜と思ったりする“

というコメントは、自分広告表象よりは講談社意図が気になった根底には、これがあったんだなと、気づきを得た。

信頼感は、リスク評価や受容に大きくかかわると言われている。

これを今のニュースで例えると、製薬会社やそれを指導管轄する国への信頼が低ければ、ワクチンが危ないという気持ちが強くなり、ワクチンを受容しようという気持ちが低くなるという仕組みになる。まあワクチン場合もっといろんな影響因があるが。

今回の件の場合、○○への信頼の○○には、「社会」が入るだろう。

具体的に言えば、「この社会市民性的被害から守ろうとしてくれる」という信頼感である

この信頼感が高ければ、たわわの広告が「まずい」と感じる人は減ることが予測される。(この論理については後段でもう少し詳しく説明する。)

「まずい」と思う人が減れば、広告表象等に係わるコンフリクトが減ることが期待される。

これはみんなにとって良いことだろうと思い、講談社意図社会への信頼感の関係性をみる実験を考えた。

講談社意図については、ブコメでは以下のお2人が回答してくれていた。他に見落としていたら申し訳ない。

yujimi-daifuku-2222氏

可愛らしい女の子が出てくるギャグファンタジーを読んで、新入社員に元気になってもらいたい以外の何があるのだろうか。/強敵との戦闘を楽しむDB孫悟空は通行人面白半分に殴りかかる事を肯定しているのですか?

ruin20氏

漫画の中の彼女たちの巨乳を拝んでありがたいなあ(しみじみ)みたいな形で元気をもらってくださいねって話だと思うんだけど、それだったとして何なの? なんか問題あんの?

お二人のお答えを合成すると講談社意図は以下になる。

--------------------------------------

可愛らしい女の子が出てくるギャグファンタジー彼女たちの巨乳を拝んでありがたいなあ(しみじみ)みたいな形で新入社員に元気になってもらいたい。

--------------------------------------

しかしなにかまだ足りない。

たわわには巨乳ヒロイン複数登場するが、そのうち、電車の中で会える女子高生アイちゃんをわざわざ表象に選んでいる意図が抜けている。

それを加えて、ターゲット提供する価値を明確にしてみたのが以下である

------------------------------

新入社員のみなさんへ。

可愛らしい女の子たちが出てくる漫画*「月曜日のたわわ」

おすすめ電車の中で会える女子高生アイちゃんです。

憂鬱月曜日巨乳を拝んでしみじみと癒され、元気になりましょう。

1~4巻発売中。ぜひ買ってね!

------------------------------

どうだろうか。キャッチ―とは到底言えないが、割と過不足なく講談社意図広告の中身を説明できているのではないか

ギャグファンタジーちょっと違うのではと思ったので単に漫画とした。すみませんyujimi-daifuku-2222氏)

これを、朝の新聞の1ページいっぱいに32ptくらいのフォントで書いて出す。

もしくは品川駅のコンコースに表示する。

絵は、「オタク萌え絵への忌避感」の影響を避けるために載せない。

それを見た時、「この社会子供性的被害から守ろうとしてくれる」という信頼感はどう変わるだろうか。

おそらく、性的被害経験者はそうでない者と比較して、信頼感が有意に下がることが予想される。

理由は、「電車の中の女子高生性的コンテンツとして楽しむこと」と痴漢等の具体的な性的被害への危機感リンクするのは、主に被害実体験を持つ者だからである

上記が納得いかない、という人もいるだろうから、その作用機作を証明するために同様の実験をするといい。

例えば、「痛みを伴うことを笑いの対象とする」バラエティー番組宣伝する文章掲示し、

「この社会子供いじめから守ろうとしてくれる」という信頼感の変化をみてみるのはどうだろう。

おそらく、いじめ被害者は、加害者比較して、信頼感が有意に下がることが予想される。

いじめ被害者は「バラエティ番組で人を痛めつけることをコンテンツとして楽しむこと」といじめの具体的な被害への危機感リンクやすいかである

ここまで書いて、なぜ私は1mmも自分の成果にならない実験の話をしているのだろう、と我に返ったが、まあいい。このまま投稿する。

夜中のテンションにまかせて書いたので、同業者諸氏に粗を指摘・改善いただいたうえで、この実験を例の計量経済学先生にしてもらえると嬉しい。

たわわ広告への反応が、「風紀委員的な正義感」に基づいたものなのか、「被害経験に基づく社会への信頼感の低さ」に基づいたものなのか、より明確にできるだろう。

以上。

ところでMSイグルーもいいが、過剰なノスタルジーにのたうち回れる0088ポケ戦もよかった。

2021-11-02

anond:20211031163129

ぶっちゃけWikipediaしかないだろ。

なろう系ファンタジーは意外に時代の幅が広くて、

中世っぽい感じの作品もあれば、ほとんど近現代的な作品もある。

自分作品モデルにしたい時代を絞ってWikipediaを読み漁ろう。

あとはGoogle Scholarとかで公開されてる論文検索したり、

その時代の風俗についての専門書を図書館で借りたりしよう。

小説ベースWikipediaレベル知識でいいんで、

ちょっとしたところで専門知識をぶっこめれば周囲と差をつけられるぞ。

2021-09-12

けものフレンズはいますぐいい加減な動物解説をやめろ

けものフレンズにおけるギンギツネの扱いが「アカギツネの亜種」からアカギツネ黒変種」に変更されたことは記憶に新しい

https://twitter.com/kemo_project/status/1339435343372685312

なぜ亜種として扱われていたかというと、wikipediaにそう書いてあったか

https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%82%AE%E3%83%84%E3%83%8D&oldid=80686218#:~:text=Vulpes%20vulpes%20fulvus

wikipediaでギンギツネの学名とされているVulpes vulpes fulvusをググると、2017年以降に発生したけものフレンズ関係情報しかでてこない

英語検索するとこれはEastern American Red Fox学名であって、ギンギツネとは別になんの関係もないことがわかる

2015年IPができた当時は、有象無象コンテンツの1つであり情報の正確性にコストを払えないというのも理解はできる

しかし、さまざまな動物園WWFコラボしたり、National Geographicから情報提供を受けている2021年現在においても未だに改善されないのは甚だ疑問である

イリオモテヤマネコ学名をPrionailurus bengalensis iriomotensisとするかPrionailurus iriomotensisとするかのように、学術分野においても今なおバトルしているような箇所について最先端情報を追って反映するべきだ、と言っているのではない

動物に関する専門知識も持たないような俺みたいな素人が、Google Scholar検索したり、Mammal Species of the Worldをめくったりして、1日調べれば確認できるような簡単な誤りをなくすべきだ、と言っているのだ

少し前にサ終したぱびりおんでもいくつも誤りを指摘した。覚えている限りでは、

オオタカは対趾足ではなく三前趾足だとか

鳥類求愛行動を指すディスプレイという語の使い方が変だとか

イワハイラックス学名はHeterohyrax bruceiではなくProcavia capensisじゃないかとか

どれもちょっと調べればわかることである。というか俺はどれも聞いたこと無い言葉だったからググって調べたのだが、テキストの監修でそういうことは行われていないのだろうか

幸いにしてこれらの指摘は、最後のものを除いてすぐに対応された。最後のに対しては「KFPがそう言ってるから変えられへんねん」と言われたが

ぱびりおんサ終直前に、ゲームテキストで「フタユビナマケモノは泳げない」という趣旨記述があることに気づいた

様々な調査を経て、これもやはりwikipediaの誤りであると俺は結論づけ、いつものようにサポートから問い合わせた

https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%83%8A%E3%83%9E%E3%82%B1%E3%83%A2%E3%83%8E&oldid=84413949#:~:text=%E3%83%95%E3%82%BF%E3%83%A6%E3%83%93%E7%A7%91%E3%81%AF%E6%B3%B3%E3%81%90%E6%99%82%E3%81%AB%E9%A0%AD%E3%81%8C%E6%B0%B4%E4%B8%8A%E3%81%AB%E5%87%BA%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%9F%E3%82%81%E6%B3%B3%E3%81%92%E3%81%AA%E3%81%84

返信は「サ終するからなおさへんで」だった。それはそう

よく調べると、フタユビナマケモノは泳げないという記述けものフレンズ公式2018年ツイートしていた

https://twitter.com/kemo_project/status/1053488534244315136

そういうわけで、俺が調べた様々な資料や、専門家メール質問した際の返信などを添えて、「多分間違うてるから、そっちでももう一回よう調べてくれへんか」とけものフレンズ公式の問い合わせ窓口に改めてメールを送った

1ヶ月程度の間を空けて都合3度メールを出したが、ついぞ返信が来ることはなかった。じゃあもういいです

2021-08-13

学術書の類を読むときプロによる書評も一緒に読め

ブレグマン(2021)『Humankind 希望歴史』を勝間さんがブログで紹介しているが、その記事ブコメ地獄と化している。

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/katsumakazuyo.hatenablog.com/entry/2021/08/12/162845

「なんとなくだが俺はこう思う」「著者はチェリーピッキングしててクソ」みたいな主張がエビデンスなしに書かれており(そもそも君たち原書読んだ?)、それらにスターが当然であるかのように集まっている。これらは理性的議論でもなんでもなくただのエコーチェンバー現象である。やはり、ブコメという文字数制限があるメディアできちんとした議論を行うのは無理があることが分かる。

こういう学術書やそれに近いものを読むときに私が習慣としていることがある。本を読む前にプロによる書評を読め。

ここでのプロというのは、新聞でそういう書評をいっぱい書いているプロレビュワーのことではなく、プロ学者のことである

例えば、"Bregman Humankind book review"とかでgoogle scholarなどを調べると、文化人類学者によるこの書評がヒットする。

A Sceptical Review of Bregman’s 'Humankind: A Hopeful History'

https://www.newenglishreview.org/custpage.cfm?frm=190173&sec_id=190173

この書評によれば、「過去において狩猟採集生活住民同士が戦争ばかりして殺し合っていたというのは基本的には嘘」というブレグマンの主張は文化人類学的には嘘っぱちである

"As a journalist he not only knows very little anthropology but also has an irritating folksy style"(ジャーナリストのブレグマン文化人類学についてほとんど何も知らないだけでなく、イライラするほど垢抜けない文体を用いており)、"This is reminiscent of a very bad undergraduate essay"(これはとても下手な学部生のエッセイを思い出させるような主張だ)、などとやたら攻撃的な評がなされており、それはそれで大丈夫かという気持ちにはなるが、少なくとも一人の専門家視点から見た学術的な評としては参考になる。もちろんこの書評が真理で『Humankind』は読む価値なし、とここで主張したいわけではない(私は文化人類学者ではないのでその判断はできない)。

このような視点批判的に本を読解することは、当該分野の知的蓄積を持っていない素人には不可能である。誤った知識を盲信しないために第三者によるファクトチェックには目を通しておいた方がよい。逆に、その道の専門家が「よく書けた本である」と肯定的に評していれば、ある程度安心して読むことができる。

プロによる書評をどのように探すか

日本語書籍なら「(書名) 書評」でググる学者による書評に絞りたい時は「(書名) 書評 教授」でググったり「(書名) (著者名)」でGoogle scholarしたりするとよい。

英語書籍日本語翻訳された本を読むときもこれで原著の評判を調べる)なら「(書名) (著者名)」でGoogle scholarするのがおそらく一番よい。ある程度有名な本ならプロによって書かれた書評学術ジャーナルに載っており、それがだいたいヒットする。特にいわゆる文系学術ジャーナルには毎号Book reviewコーナーがよくあり、そこに載っている書評は「本の主張まとめ」→「本の批判検討」→「本の評価」というフォーマットで書かれていることが多いため大変読やすい。ただ一つ問題があり、これらのジャーナルはほぼ有料である研究機関所属するか金を払うことによりこの問題解決する。

また、twitterで「(書名)」で調べ、研究者っぽい人による短評ツイートを探して読むという方法もある。研究者のTwitterはだいたい実名かつ顔写真アイコンソース:私の印象)なので、それで目grepしてからプロフィールをチェックするとよい。ちなみに関心がある分野の研究者のtwitterアカウントは普段からフォローしておくとたのしい。

余談:近年のポップな人類歴史書の怪しさについて

冒頭で「ブコメがやべえ」と批判したが、こういう風呂敷を広げまくって人類史を俯瞰したぜと主張する売れ筋本に警戒心を抱いてしま気持ちはよく分かる。なぜなら、最近のそういう本に対しては「適当こくな」と専門家からツッコミが入ることが実際に多いから。

例えば、Humankindの書評として上に挙げたものを書いたC.R. Hallpike先生は、ハラリの『サピエンス全史』に対しても批判的な評を行なっている。

Review of Yuval Harari's Sapiens: A Brief History of Humankind.

https://aipavilion.github.io/docs/hallpike-review.pdf

ちなみにこのHallpike先生は、未開社会フィールドワークを行なった経験から最近のポップな歴史書は文化人類学デタラメばっか書きおって」と心底お怒りらしく、全員(チョムスキー含む)まとめてぶった切る本まで書いている。Hallpike先生過激な主張を好むことも踏まえると(参考: https://twitter.com/profdanhicks/status/1336981539893161984 )、この本に対するプロ書評が見つからないのは残念である

C.R. Hallpike(2018). "Ship of Fools: An Anthology of Learned Nonsense About Primitive Society".

https://www.amazon.com/Ship-Fools-Anthology-Nonsense-Primitive-ebook/dp/B07HX4188K

また、このような人類歴史スキャンダルとして最近話題になったのが、スティーブン・ピンカー(2019)『21世紀啓蒙』における「学術ルール違反事件である

ピンカーが書中で「科学史家による主張」として紹介していた言説が、脚注をたどると科学史家でなく社会心理学者によるものであったことが分かり、さらピンカーによって引用されていた文章は実際には同じ論文内の別部分の文章を継ぎ接ぎしてピンカーにとって都合の良いように捻じ曲げられていた、という事件である。詳しくは以下のツイートを参照。

https://twitter.com/mccormick_ted/status/1419672144368308225

もちろん『21世紀啓蒙』におけるピンカーの主張自体に対するプロからの異議申し立て存在する。

https://www.abc.net.au/religion/the-enlightenment-of-steven-pinker/10094966

というわけで、売れている学術書を無邪気に読むことすら危うさを孕む行為であるメディアリテラシーだいじ。

2021-07-02

anond:20210702165607

SFアイデアの新奇性、センス・オブ・ワンダー重要なのであって、今さらヴェルヌやウェルズを読んだところで、価値はない(ギブスンやディックも同様)。

そういう手合いは学術論文を読んでくれ

arXivでもgoogle scholarでもよりどりみどり

英語が読めないとか数式がわからんとか泣き言言ってるヘタレに「アイデアの新奇性、センス・オブ・ワンダー」なぞいう資格はない

誰かが作ってくれたもの大人しく消費すべし

2021-01-25

anond:20210125181054

Note や なろうは確かにそうだな。だからレースがあるってのは理解できるし異論なんてあるはずもない。

ただ arXiv は玉石混合ってほど大量に論文 upload されねえんだわ。自分の分野くらいなら余裕で追える。

というか Google scholar で出る論文がもはや arXiv だし arXiv で公開されたらもう常識になってしまう。

arXiv 引用論文を書いてしまう。

雑誌掲載された時点ではもうとんでもなく遅いんだ。

雑誌を追っている研究者はもはやいないんだぜ。

自分の分野じゃなくてもとりあえず Google scholar で調べて arXiv 出てきて読む。

雑誌を横断的に調べるのは無理で Google scholar でいい。

書いているうちに Google scholar が凄いだけな気がしてきた。

2020-07-21

論文査読していると心が荒む

時々論文査読を引き受ける。私がポンコツ研究者なせいか基本的にひどい論文しか来ない。今も1本の論文査読レポートを書いている最中だけれど、このままだと罵詈雑言を書きそう。ちょっと心を落ち着かせて教育的な優しいコメントを書きたいので、少し毒を吐き出させて。

introductionから支離滅裂でこの研究をやる意義も何をやりたいのかもわからんなんていうのはよくあるけれど、この場合論文の書き方の問題からまだ救いがある。こういうのもすごいストレスたまるけど。もっとひどい論文もあって、そもそもデータからしておかしい。

著者が〇〇の効果だと主張するそのデータ観測機材を誤った使い方をすると出る典型的ノイズで、機材の仕組みが理解できればそれがノイズにすぎないって分かるようなのとか。

「××率」を測定しましたと書かれているけれど、示されているデータは「率」でないただの「××」の値。その値だけではいろいろな条件に影響されて何も論じられないから「率」にするのが一般的なのに、Materials and Methodsを読む限り「率」を出すための基準の値はとっていないっぽい(本当は基準の値を測る方が大変)、とか。

これ以上は詳しく言わないけれど、そもそも観測実験自体まともにできていないのがたくさん。しかも、何にも使いようがないようなデータ、というよりむしろデータですらない数字なのに、それを取るのに1年とか2年とかかけてフィールドワークをしていたりする。どうやら、大抵の場合第一著者が大学院生若いポスドクみたい。こうして研究費と、そして何より若者の貴重な時間無駄に費やされていると思うとすごく辛い。

なんで指導教員とか周りの研究者はきちんと教えないかな。急に盛り上がってきた分野だからちゃん指導できる研究者は限られているかもしれない。ジャーナルのEditorすら「こういう理由で、残念ながらこれ全部屑データですよ」と伝えてもあまり理解されていないっぽいこともあるし(EditorはMajor revisionの決定にしていたけど、そもそもこのデータセットでは有効なreviceができるわけがないし、欠けているデータ絶対に後から取れないんだが)。観測手法とか実験方法とかは少しgoogle scholarで調べれば出てくる。最近は関連した専門書も少しずつ出てきた。教員観測実験方法に詳しくないなら、せめて正しい研究の仕方を勉強する方法くらい教えてやってほしい。本当はその大学に乗り込んで代わりに学生指導をしてやりたいのだけど、匿名査読者ではそういうわけにもいかない。

こういうのはヨーロッパアジアが多い。日本からのはたまに。そういえばアメリカオーストラリアからは来たことがない・・・けど、私の手元に来ないだけだな。割といいジャーナルにpublishされちゃった論文結構ひどいのを見たことがある。Refereeもeditorも誰か気付けよ。てか、分からないならreferee引き受けんなよ。

2020-07-04

今、Webでの検索力ってどうやって高めればいいんだ?

ネットミームではなく、代替肉のような、あるテーマに沿って検索し、まとめたいとする。


  1. 検索ワードを探す。代替肉以外に、培養肉、クリーンミートなど類似ワードを揃え、検索式を作る。ノイズになっているキーワードもまとめる。日本語英語検索するとする。
  2. 日本語英語Wikipedia概要をつかむ
  3. OneNoteなどWebクリップ機能を使って、閲覧したサイトを保存しておく。
  4. 企業名関係者名、将来ロードマップ市場規模問題点などをまとめる。食には宗教関係するため企業を調べるとき国籍にも注意する。
  5. 投資家投資額を調べる。
  6. AmazonGoogleブックス書籍が出ていないか調べる。著者名、参考文献をたどる。
  7. オープンアクセス論文を探す。Google ScholarMicrosoft Academic Search、Dimensions.aiなどで論文を探す。
  8. 研究積極的にしている大学を探す。論文を書いた人物大学から。同じ大学研究室にいる人がいないかを探す。
  9. googleだけでなくbingなど他の検索サービスを使う。最近動画も出てきているため、YouTubeでも検索する。
  10. 企業名研究者名などがわかったらTwitterアカウントがないかを調べる。
  11. リンクトイン研究者名を調べる。
  12. Slideshareなどを探す。紙面の都合で省かれていた論文の図以外に発表資料がある。発表資料の方がわかりやす場合が多い。


思いつくのはこんなところか。

検索ワードの抜けがいかが困る。企業名網羅するのはかなり困難だ。新しく出てきた企業や、いつのまにか畳んでいる場合がある。


追記

培養肉と書いてしまったが、話したかったのはあくま検索方法だ。汎用的な検索方法というべきか。

培養肉なら英語でまとまっているのがあるだろうと指摘があるが、既に詳しいサイトがあるのを知っている。

http://elliotswartz.com/cellbasedmeat/cleanmeat301

こういうある時点での情報網羅的に整理したい。

review paperを読めばいいというコメントがあったが、自分レビュー論文を書くのに近い。


ネットミームとわかりにくいことを書いたが、togetterのような瞬間的なものを想定していた。

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