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「『ドラゴンボール』と『ナルト』の元担当編集が語る「ジャンプ」の裏側 ― 絶対に敵わない『ワンピース』に勝つために『ナルト』が取った戦略とは【鳥嶋和彦×矢作康介×鵜之澤伸×松山洋】」
での鳥嶋の発言に、元ジャンプ漫画家木多康昭がtwitterで反論していた。
https://news.denfaminicogamer.jp/interview/191227f
https://twitter.com/KitaYasuaki/status/1211312539792891905
https://togetter.com/li/1448906
鳥嶋の
「さっき矢作が言った、新人の新連載で表紙にするっていうのは、じつは僕が戻ってからなの。」
実際、ジャンプの表紙を調べれば鳥嶋編集長時代(1996年から5年間)以前にすでに新人の新連載が表紙になっている。
これはジャンプを離れて現在はヤンマガで連載していて、なおかつ加藤浩次なんて比じゃないほどの「狂犬」である木多康昭だからこそできた証言だ。他の編集者や漫画家にはできない。
鳥嶋の過去の証言が間違っていると指摘できるのは、同時代のジャンプを経験していて、なおかつ集英社(グループ)を離れている利害関係のない元編集者や漫画家ぐらいなものだろう。
ちなみに矢作も
『ジャンプ』としては、新連載は新しい漫画家でやりたいと。まったく世の中に出ていない作家、この漫画で初めて世に出る作家を、新連載号の表紙にするんですよ。そんな雑誌なんて『ジャンプ』しかないですよ、たぶん世界中で。
と発言している。
他の(少年)誌はそもそもアイドルの写真が表紙なので比較しにくいのだが(アイドルの横に新人新連載の大きめのイラストがある表紙ならいくらでもある)、調べてみると世界どころか最近の日本ですぐに見つかったw
たとえば、週刊少年サンデー2016年47号は新人の新連載「RYOKO」が漫画単独で表紙になっている。
とはいえ、めったにないことではあるので恒例化しているジャンプが珍しいのは確かである。
Vジャンプ時代(~1996)の鳥嶋は、復帰するまでジャンプを読んでいなかった節があるし。
それはね、オレはもう卒業生だから言っちゃうけど、『ドラゴンボール』は止めたかったのに止めさせてもらえなかったんだよ。はっきり言うと、僕の前の編集長とその前の編集長の判断だよね。
あの時、僕が『Vジャンプ』にいて、鳥山君を助けてあげられなかったのは、今もって悔いている。魔人ブウ編はやるべきじゃなかったよね。
鳥山明が本当にドラゴンボールの連載がつらくなったのはフリーザ編終了後のセル編とブウ編、1991~1995年のこと。
この4年間のため、鳥山明は「燃え尽き」てしまい、以後長期連載はしないようになったと自ら語っている。
(鳥嶋は「真っ白」と喩えている)
この鳥山明が本当に苦しんでいる時期、鳥嶋はなにをしていたかというと、立ち上げ期のVジャンプで週刊連載をしている鳥山に、
もこの時期だし、継続で
の仕事も行っている。
この週刊連載と平行して行った大量の仕事に関しては、鳥山自身は後に「ムチャクチャ」だったと振り返っている(『超事典』でのインタビューより)。
これほどに作家を酷使しておいて、よく「助けてあげられなかった」なんて言えたものだ。
責任を前々編集長(後藤広喜)と前編集長(堀江信彦)に押し付けているが、鳥山明の燃え尽きの責任の一端は確実に鳥嶋氏にもあるだろがよ!
(言い訳としては、鳥山明の苦難は連載の際限なき長期化であって、Vジャンプでの仕事は気分転換になっていた、仕事量の問題ではない、というのが考えられる)
鳥山明を育てたのも鳥嶋なら、漫画家として燃え尽きさせたのもまた鳥嶋なのである。
(鳥山が完全に消耗し終わることから救ったのは、連載終了を判断して、そのための各種交渉を行ったブウ編の担当編集者武田冬門である)
本文はここまで。
以下は補足点となる。
このホッテントリ対談記事で鳥嶋和彦らが語ってることだけど、ほんとそう思う。
『ドラゴンボール』と『ナルト』の元担当編集が語る「ジャンプ」の裏側 ― 絶対に敵わない『ワンピース』に勝つために『ナルト』が取った戦略とは【鳥嶋和彦×矢作康介×鵜之澤伸×松山洋】
https://news.denfaminicogamer.jp/interview/191227f
鳥嶋氏:
というか、1話19ページを、ちゃんと次週も読みたくなるような引きで作っていないから。もっと言うと、雑誌にライブ感がない。
今の子どもたちは単行本は読むけど雑誌は読もうともしない、という話から始まっての、この発言だけど、ほんとそのとおりで、昔の漫画はファンタジーとかSFとかでなければ、正月には正月のエピソードを描き、2月にはバレンタインの話を描き、夏には海の話を描いたりしてた。しかし今の漫画は、季節ガン無視で、漫画内時間ばかりを優先するから、夏に冬の話を描き、冬に夏の話を描いたりしてしまってる。いくら温暖化でリアルに季節感がなくなってたとしても、これはないよ。だったら漫画内で季節イベントやらないほうがまし。
あくまでも個人的な独断と偏見で下した結論だけれども、先日のアイマス2にまつわる騒動は、詰まるところ「注目されているほど売れないから」という点に集約されるんじゃないかと思ってる。
ゲームを楽しんだり、(ニコニコ動画などの)二次創作作品を楽しんでいる限りにおいては意識され辛いけど、ゲームソフトとしての「アイドルマスター」ってそんなに売れてない。Xbox360で最初に発売された「アイドルマスター」は一年がかりで10万本をやっとこさ到達した。そういう規模のソフトだった。
http://gamez.itmedia.co.jp/games/articles/0801/18/news109.html
まず登壇したバンダイナムコゲームスの鵜之澤伸副社長によると、Xbox 360版「アイドルマスター」は、限定版(7650本)と11月1日に発売した廉価版を含めて10万本のセールスを記録したとのこと。
その次に出た「ライブフォーユー!」も大差ないだろう。さらに次に出たPSP版の「SP」は三種類出て合計約20万本、DS版は約5万本だ。意外と少ないと感じた人は多いと思う。
他のハードで10万本売れたソフトといえば、Wiiでは「縁日の達人」、PS3では「プロ野球スピリッツ5」、NDSでは「仮面ライダーバトル ガンバライド カードバトル大戦」、PSPでは「MAPLUS ポータブルナビ」あたりである。知名度ではダントツでも、ソフトの販売本数という観点から見れば「アイマス」はこのあたりと「同格」なのだ。
さらに、投入するハードウェアがXbox360であるという点も考慮しなければならない。
最近小型化された新型が発売されたこのゲーム機だが、それでも全くと言って良いほど売れてない。
ハードでは9月9日に新型Xbox360(4GB)が発売されたが、販売台数は約700台と静かな出足となっている。新型の販売台数の割合はXbox360全体の2割弱と貢献度は低く、販売水準を引き上げるまでには至っていない。
それでいて700台である。PS3と同価格の通常版もPS3の僅か1/9の2,000台強。はっきり言う。Xbox360はもう日本で浮かぶ目はない。
そんな状況下で、さて「アイマス2」である。どれくらい売れるだろうか。既存のファンの大多数はおそらく購入してくれるだろう。ではさらなるファンの開拓は出来るだろうか。答えは「NO」だと思う。だからおそらく、前作と大差ない販売本数に落ち着くと思う。
となれば、最大10万本を前提にした開発計画を立てなければならない。はっきり言って、出来る事は少ない。
しかしファンの期待は膨らむことはあっても萎むことはない。新要素は「あって当然」と考えているだろう。メーカー側の都合としても、ただ単に既存作品を拡張した程度のものは出したくない、もしくは出せない。だからプレイ要素の取捨選択を迫られる事となる。新しい試みの代償に、既存の要素を切り捨てなければならなくなる。
その結果が一連の「男性キャラ3人の投入」「既存キャラ4人のリストラ(NPC化)」「オンライン対戦廃止」なんだと思う。
今回の騒動、ソフトを投入するハードウェア選定を誤ると、メーカーは当然としてそのソフトのファンも不幸になるという教訓になったんじゃないかなと思う。
また、ハードウェアのシェアの話になると「シェアが低くても面白いソフトが一杯あるから別に構わない」という声が出てくるけれども、今回の騒動はそんな考えに対して一つの答えを提供してくれたんじゃないかな。「ある程度のシェアがなければ、ファンが求める続編を作る事もままならなくなる」と。
特に「アイドルマスター」は、実態の販売本数に対する知名度があまりにも高くなりすぎた(知名度を上げる事は企業努力としては正しい事なんだけれども)。そのアンバランスさが今回の事態を招いたような気もする。
おそらくバンダイナムコが描いた未来は、ニコニコ動画などでネット上の知名度を高め、それらを直接の収益源であるゲームソフトや関連商品(CDやグッズなど)の販売増加につなげていく、そんな感じだったと思う。
しかし、知名度は高まっても(様々な要因があって)ソフトの購入者の増加には繋がらなかった。だから次回作も前作と同程度の販売予測しか立てられなくなった。