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2024-04-19

なぜ絵師は生成AIを憎むのか ~機械翻訳との類似性に着目して~

絵を描かない連中が永遠に理解してくれないから、屋上屋を架すことになった。いい加減理解してくれ。

審美眼がないねんお前ら

暴論だけど、言ってしまえばこの一言に尽きる。

少しでもデジ絵を触ればわかるんだが、生成AIで出力しただけの画像は、見ればもうAI産だとわかる。なんもしてないんだなって。こいつ何も考えてないってわかるんだよ。手が3本生えてるとか、髪がめちゃくちゃとかじゃなくて。もうコンテキストがない。わかるかなぁ。

絵を描くときには基本的目的があって筆をとってるわけ。そうすると、何処を描き込んで、どこを描き込まないかっていう、気圧の差っていうか、そういうのが産まれるわけ。

これは絵を描くことが楽しいバーサーカーでも同じ。そういうやつはだいたい、普通はそんなことまでやらんってことをしてくる。こいつやりおったって。そういう、画面の向かいのニンゲン意思が伝わってくる。何を伝えたいのか、なんとなく伝わってくるわけ。これはなにも高尚なメッセージじゃなくても、「金髪のチャンネー最高!」とかでもいい。本当に何でもいいが、おれたちはそのメッセージと、メッセージの伝達方法の工夫を楽しみにネットの絵を見てるわけ。

でも、生成AIから「出しただけ」の絵はそうじゃない。そういうのはもう気圧がめちゃくちゃ。おまえこの絵のどこを見てほしいの?何を伝えたくて書いたの?何もわからない。その結果、おれたちはどうでもいい天井のシワを見つめて、お前たちが伝えたいのはこれなのか……?っておそるおそるプロフを見に行って、やっぱAIじゃねーか!ってなる。全く無駄行為だったわけだ。そこに意図なんてなかった。誤解したおれが悪かった。そんなことを繰り返した結果、絵を見た瞬間に「それが生成AI産なのか」がわかるようになった。

最近はもう「その雰囲気」を感じ取っただけで見るのをやめてる。昔から知ってる神絵師だけをフォローして、新しいメッセージを、たまにしか降ってこない甘露を、延々と待つようになった。pixivをディグるのはもうやめた。イラスト凝視しても得られるリターンが担保されないので、虚しいからだ。

リターンがなければ、無視すればよろしい。それが黄金則だ。絵師と生成AI絵師別世界棲み分ければ良い。実際、生成AIにもメリットと独特の良さがある。それは認めるところである

だがしかし絵師には絵師なりの理由があって、今日まで生成AI許すまじと論争を続けている。ある問題があるからだ。

それは、生成AI丸出し、なんのコンテクストもない画像が、何故か一部民衆に受容されつつあるということだ。

他の、著作権がどうのという問題は、絵師共通で抱えている嫌悪感すり替えに過ぎない。無視したいが、なぜが周りの民衆無視しないから、何かの理由を付けて批判せざるを得ないのだ。

冒頭で、審美眼がないと言った。それは一部の生成AI絵師もそうだが、何よりあれを「手書き並のクオリティ」と持て囃す消費者層を形容した言葉だ。

少しでも絵を触ったことがあれば、生成AIファーストインパクトは「へーすごいね。でも仕事にはならないな。すげーおもちゃだ」だっただろう。それなのに一部の消費者層は、これを大変有り難いと言わんばかりに使い始めたわけだ。

おい待てと。これのどこがいいんだと。じゃあお前らはいままで俺たちが描いたもののどこを見てきたんだと。

当然、嫌悪感を抱く。だが、「だってそれ生成AIで出しただけじゃん!」と伝えても、彼奴等は首を傾げるばかり。

最近は、どうみても実写丸出しの自称アニメ」がニュースに載った。何より驚いたのは、あれにゴーサインを出した報道である。絵に対する恐ろしいまでのリテラシーのなさだ。あれのどこが良いと思ったのか、まるで理解できない。仮にもアニメ制作会社関係のある会社の振る舞いがこれかと、閉口したものだ。

どうせ伝えても伝わらない。そのうち、この嫌悪感を「そういう層」に伝わるような問題点にすり替え問題を論ずるようになった。やれ著作権が、権利が、そういったものに。

だが、それらは理論上は手描きでも可能で、AI独自問題じゃないということは、誰にだってわかる。だから平行線なのだ

このままだと何様だよで終わるので釈明させてくれ

この感覚は、なかなか伝わらないらしい。だから比較的広い層に伝わりそうな類例を持ってきた。

それが機械翻訳翻訳者関係性だ。

機械翻訳もまた著しい発展を迎えた界隈である。が、機械翻訳だけで全てが事足りるとは思っていないはずだ。

これはアカデミックに属したことがあればわかるが、英語論文機械翻訳して読む、という行為にはまったくの意味がない。著者が伝えたい事実を、機械翻訳考慮しないからだ。そのうえ、業界の慣習を無視した翻訳がなされるので、その翻訳された文章意味はない。なんとなく読んだ気になるだけだ。

小説もそうだ。ハリーポッターでもなんでもいい。あれらの「機械翻訳版」と「訳者監修の日訳版」どっちを手に取るか。当然後者だろう。

そうした現状にあるのに、海外製品公式ドキュメントは多言語翻訳版を機械翻訳によって作成する。「機械学習により作成されたため、不正確な場合があります」と但し書きを付けながら。

これはビックテックであっても例外ではない。訳者を雇う金はありながら、正確な訳を提供しない。

なぜか?日本語話者なんてよく知らないし、どうでもいいからだ。

その結果、ネットには不正確な日本語が溢れている。

日本話者にとって、日本語の質なんてどうでもいいからだ。

それでも有り難がる連中がいる。英語を読めない層だ。そんな不正確な日本語読んでる暇があったら英語勉強した方が早いよと伝えても耳を貸さない。それで満足している層に恐怖する。機械翻訳版を読んで何かした気になっているニンゲンの、その感性に恐怖している。それは天井のシミなんだって。そこに別の人間が伝えたかったメッセージ存在しないんだと、伝えても伝わらないことに恐怖している。

この関係性が、生成AIとその消費者層に類似している

というわけだ。

現在抱えている嫌悪感のその本質は、「メッセージ性も何もない破綻した絵を持て囃す連中の審美眼が信じられない」ということになる。

さらに恐ろしいのは、彼らが生成AIの発達とともに、その審美眼と理性を失ったわけではないということだ。

彼らとて、三歳児の落書きと、絵の修練を積んだ人間の描いた絵の区別はついていた。だから絵師たちは自分たちが絵に込めていたメッセージ市井に伝えられているのだと信じることができた。それを感じ取ってくれているからこそ、自分市場に支持されているのだと信じることができた。

が、今は違う。

生成AIから出しただけの画像手書きとの区別もつかない連中がいるのだと知ってしまたからだ。

から自分の支持者の中にそんな「肯定派」がいないか魔女狩りもしたくなる。それを肯定する気にはなれないが、その絶望理解できる。

そうせざるを得ないのは、少しでも正気に戻ったら「生成AI丸出しの画像クオリティでいいなら、おれたちこんなに心身削って絵を描く意味ないじゃん」と気付いてしまうのを避けているからだ。

高精細なイラストなんていらなかった。市場がそれを求めていなかった。顧客は、一分で生成された「なんかよさげ画像」に吸い寄せられていく。なんだよ。それでいいなら、おれたちこんなに描かなくて良かったじゃん。

そして、この価値観が行き着く先は、「誰も作品に込めたメッセージ理解してくれない」「誰も自らの磨いた技術評価してくれない」という絶望世界だ。

それが繰り返されれば、当然続ける意味もなくなる。そして現在伝統製法によるイラスト制作技術は失われ、生成AIによる模造品が市場に氾濫することになる。廃業なんて話じゃない。業界自体喪失だ。絵にメッセージを込めるという行為時代が廃れるのだ。

その絶望を「肯定派」は理解せず、やれ既得権益がどうのと批判を繰り返す。そうした後にやってくるであろう世界も知らずに。

2024-04-04

批判する人は中身読んでいない」脅迫されたトランスジェンダー

https://www.sankei.com/article/20240404-3VJANQVSIZMGTAGVEKYJNPZAXY/

訳者解説担当した精神科医昭和大の岩波明特任教授は、産経新聞インタビューに応じ「本書は非常に丁寧に書かれた学術的にも価値のある本だ。批判する人も、まずは本書を読んでからしてほしい」などと語った。

「あまりにも簡単に発行中止を決め、驚いた」。岩波教授はKADOKAWAの判断をこう振り返る。

岩波教授は「海外9カ国で普通に出版されている本の出版めぐり、なぜ謝罪までしなければならないのか。出版社の姿勢のもの根本的な問題がある」。

同書は米ジャーナリストアビゲイルシュライアーさんによるノンフィクションブームに煽られ性別変更したものの、手術などで回復不可能ダメージを受け後悔する少女らを取材している。

岩波教授は「本書は、これまでの研究成果を紹介し、関係者インタビューを重ね、さまざまな側面からトランスジェンダー問題を取り上げている。ジャーナリスト作品だが、学術的にも非常に価値がある本だと思う」。

2024-02-27

anond:20240227191741

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%93%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%AF

賢者歴史から学び愚者経験からしか学ばない」と語ったといわれており[629]、竹下登はその言葉座右の銘にしていた[630]。

ただし、この言葉についてビスマルク自身が残した記録は知られておらず、さらビスマルクが語ったとされる言葉が文献に登場した初期の内容、その後にドイツ語英語で広まった表現現在日本語翻訳されているもの、それらは互いに異なるものである。その時々の訳者引用者の解釈が影響を与えながら社会的に作り上げられてきた可能性がある[631]。

2024-02-14

anond:20240214005459

言語文化の違いを翻訳する時に適切に置き換えるプロ作業が望まれているのに

これがローカライズ範疇だよね、それは必要って俺も言ったよね

作品作者の思想が気に食わないか訳者の私が矯正してやるというポリコレ仕草

「家父長制がむかついたから着替えてきた」とかセリフ改変してアニメキャラに言わせるのは

翻訳家による作品私物化思想矯正だよね

anond:20240213162720

言語文化の違いを翻訳する時に適切に置き換えるプロ作業が望まれているのに

作品作者の思想が気に食わないか訳者の私が矯正してやるというポリコレ仕草

何様やねんて反発されてんだろうな

日本会社側も契約条項ちゃんとして、職掌を超えた作品改変があるようならつっぱねる方がいい

……いいんだけれども、セクシー田中さんの件などで

日本出版社テレビ局契約ちゃんと履行するのか、作者の意向は守られてるのかと

こちら側も契約相手としての適格性を疑問視されてるような現状だよね

2023-07-31

ある奴隷少女に起こった出来事』の翻訳炎上した件について

5つ星のうち3.0 翻訳がまずい

2023年6月10日日本レビュー済み

奴隷本人が書いたノンフィクションという点で貴重だし、内容には考えせされらる。

ただ翻訳がまずい。主語が抜けていたり、接続詞おかしかったり、読んでいて頻繁に違和感を覚える。なぜプロ翻訳家に翻訳させなかったのかはなはだ疑問だし、研究者でもなんでもない訳者物語を一部省略させるのを許したのかも分からない。とてももったいなく思う。

https://amazon.co.jp/gp/product/4102201114

翻訳ってカンタンにとらえられがちだけど、文化や背景をかなり深く理解していないと正確な翻訳はできない。

ぐぐったら外資系コンサルタント?とのことで、何か強烈なコネ政治力が働いたものと思われるが、

2017年くらいはまだまだそういう「昭和」なバタ臭いコネとか談合がある時代だったな、となつかしくなった。

今回のビックの件でもそうだし、昭和のままの企業はいずれ淘汰される。

コロナは良くも悪くも、日本人を浄化してくれたと思う。

2023-07-11

訳者はできるだけ作者に近い年齢の人にやってほしいな…

年寄り臭さが滲み出している訳だと興ざめししまう……

原書読めってことか…

2023-06-25

表現規制旗手フェミニズムからイスラム教徒に移る

今後10年以内に日本国内イスラム教徒の数は10倍になりモスクも増えるだろう。すると何が起きるか、BL,GLといった同性愛表現弾圧が始まる

悪魔の詩訳者殺人事件を起こした宗教グループは間違いなくコミケを標的にするだろう

2023-06-18

ローズマリー・サトクリフローマンブリテンシリーズ本一覧

※ほぼメモ書きです。

 ローズマリー・サトクリフ(Rosemary Sutcliff, 1920-1992)といえば、『第九軍団のワシ』をはじめとするローマンブリテンシリーズで有名な作家である。このシリーズは、一般ローマンブリテン三部作(『第九軍団のワシ』、『銀の枝』、『ともしびをかかげて』)ないし四部作(『辺境オオカミ』も加える)と呼ばれている。岩波書店でもそう書いている。

https://www.iwanami.co.jp/book/b269788.html

 一方、英語版Wikipediaのサトクリフの項目を見ると、『第九軍団のワシ』シリーズは他にもある。要は、4部作で終わっているというわけではないのだ。ファンサイトSutcliff Wikiでは、正式名称ではないとしつつ、"Dolphin Ring"と呼称している(一方、第九軍団のワシ、銀の枝、ともしびをかかげてを指してRoman Britain Trilogyという言葉遣いもされている。実際、1980年にThree Legionsというタイトルでセット本が出ている)。その作品群について整理しておく。

(1)作中時系列

2世紀:第九軍団のワシ(The Eagle of the Ninth)

3世紀:銀の枝(The Silver Branch)

4世紀辺境オオカミ(The Flontier Wolf

5世紀ともしびをかかげて(The Lantern Bearers)

5世紀:落日の剣(The Sword at Sunset)

6世紀夜明けの風(Dawn Wind)

9世紀:剣の歌(Sword Song)

11世紀:盾の輪(The Shield Ring

(2)出版順(訳者無記名は猪熊葉子

1954年:第九軍団のワシ(Oxford University Press)→岩波書店1972年

1956年:盾の輪(同)→山本史郎訳『シールドリング ヴァイキングの心の砦』原書房2003年

1957年:銀の枝(同)→岩波書店1994年

1959年ともしびをかかげて(同)→岩波書店1969年

1961年夜明けの風(同)→灰島かり訳『夜明けの風』ぽるぷ出版2004年

1963年:落日の剣(Hodder and Stoughton)→山本史郎山本泰子訳『落日の剣 : 真実アーサー王物語原書房2002年(2巻本)

1980年辺境オオカミ(Oxford University Press)→岩波書店2002年

1997年:剣の歌(The Bodley Head)→山本史郎訳『剣の歌 ヴァイキング物語原書房2002年

 これらの作品群がファンWikiDolphin Ringと呼ばれているのは、言うまでもなくアクイラ一家のあのイルカ指輪(=古代ローマ人のハンコ)が共通して登場するからで、時代の流れとしても共通した設定を持っているかである。ただ、『三銃士シリーズのような一貫した主人公陣営を描いているわけではない。第九軍団のワシの主人公マルクス・フラーウィウス・アクィラ(訳書には従っていない)は、元々属州ブリタンニア駐屯するローマ軍団に属していて、家のルーツエトルリアにあるから、もとはといえばイタリア半島人間なわけだ。ところが、彼が色々あってブリタンニア定住を決め込んだことが指輪運命を決めている。『銀の枝』の主人公ティベリウス・ルキウス・ユスティニアヌスジャスティン)とマルケルス・フラーウィウス・アクィラ、『辺境オオカミ』のアレクシオス・フラーウィウス・アクィラ、『ともしびをかかげて』の主人公アクィラ(上の名前は不詳)は、いずれもマルクスの子孫にあたる。

 もっとも、ローマ軍団が描かれているのは『辺境オオカミ』までであり、『ともしびをかかげて』はローマ軍団がいなくなったあとのブリタンニアを描いている。基本、サクソン人とブリトン人との戦争が描かれる。『落日の剣』はその後日譚にあたるが、主人公アンブロシウス・アウレリアヌス(この人は実在人物で、サクソン人と戦っていたブリトン人指導者)の甥アルトス(アルトリウス)となっている(もちろんアクィラも登場するが)。つまり本書はアーサー王伝説の翻案なわけであるしかも『ともしびをかかげて』よりも長い。『ともしびをかかげて』は、20年ほどを描くが、後者は40年ほどのスパンがある。本書は明らかに大人向けであり(ファンWikiにもFor Adult Readersとある)、児童書である他書と毛色がかなり異なる。

 『夜明けの風』はアルトスよりも100年ほどあとの時代で、デオルハムの戦いで壊滅したブリトン人王族の生き残りオウェインが指輪を持っている。『剣の歌』では主人公ヴァイキング少年ビャルニ(指輪は、ウェールズで暮らす少女アンガラドが持っている)になっている。そして時代的にはもっと最後にあたる『盾の輪』の主人公もまたヴァイキング少女フライサと孤児ビョルン(後者指輪を持っている)で、湖水地方に立てこもってノルマン人抵抗する様が描かれる。

 見ての通り、厳しい立場に立たされた者を主人公にするというプロットはほぼ一貫している。『第九軍団のワシ』は父親不名誉(ちなみに時代はあのハドリアヌス帝の治世にあたる)、『銀の枝』はカラウシウス帝に忠義を尽くした故に叛逆者となってしまった二人(なおこの頃の皇帝といえばディオクレティアヌスだ)、『辺境オオカミ』は軍人としての失態だが、同時にローマ帝国辺境民族ピクト人)との戦いが背景にある。『ともしびをかかげて』は撤退するローマから脱走して敢えてブリタンニアに残った主人公の苦労が描かれるが、彼の立場を厳しくしているのは、サクソン人のブリタンニア侵入である。サクソン人と戦う側が主人公になっているのは『夜明けの風』が最後で、『剣の歌』以降はヴァイキング主人公になっている。アングロ・サクソン人ブリテン征服が一段落して平和になったと思ったらデーン人がやってきたわけだ。さらにそのデーン人ノルマン・コンクエストで痛めつけられる(ノルマン・コンクエストは、思いっきり誇張すればデーン人(+アングロ・サクソン人)対ノルマン人の戦いであり、こいつら全員元をただせば海賊である)。ローマ人、ピクト人ブリトン人、サクソン人、デーン人ノルマン人イギリス史に登場する諸民族の融和がシリーズのコンセプトとなっている(それは第一作の時点から明らかで、イルカ指輪は父を殺害したピクト人長老マルクスに返却している)。

 出版年代を見ると、最初の『第九軍団のワシ』とシリーズ最終作となる『盾の輪』がもっとも早く出ていることが分かる。そして63年の『落日の剣』まではほとんど2年おきに出している。それから間が空いて80年の『辺境オオカミ』と遺作の『剣の歌』がある。特に『剣の歌』は推敲が十分でないように思われる箇所もある(作業途中で亡くなってしまったのだろう)。日本語訳では『ともしびをかかげて』が一番早い(おそらく、内容的に最も評価されているのではないかと思う。カーネギー賞もとっているし)。明らかに児童文学ではない『落日の剣』はともかく、児童文学作品でも猪熊訳と山本訳(と灰島訳)とに分かれる。版権取得の問題かもしれないが、あるいは猪熊作業量の限界だったのだろうか(1928年まれだし)。そもそも夜明けの風』は『ともしびをかかげて』の割と直接的な続編といって良いだろう。なお、自分の親は子どもの頃に『第九軍団のワシ』と『ともしびをかかげて』を読んでいたようだ(サトクリフ名前を出したら「あの小説か」と反応があった。結局「三部作」を貸している)。年齢が結構高い人でも、その二つは知っているのではなかろうか。

 英語圏では多分されていない「四部作」(第九軍団のワシ~ともしびをかかげて)という言い方も理由がないではない。この四つはシンメトリカルな構成をしている。『第九軍団のワシ』『辺境オオカミ』と『銀の枝』『ともしびをかかげて』(つまり13・24)と並べられる。前者では、主人公は百人隊長として失敗したあと、北方辺境名誉回復を遂げる。後者では、大陸への渡海という選択肢を捨て、ブリテン南部で戦う。「四部作」はアクィラ家のアイデンティティローマからローマンブリテンへと移り変わっていく物語なわけである(既に『銀の枝』でカラウシウス帝の口からローマ帝国亡き後にどうローマを残すのかというテーマが語られる)。そしてもはや「アクィラ」という名前が語られなくなった世でも、困難に立ち向かうアクィラ家の精神は、イルカ指輪象徴されてあとからきた民族へと受け渡されていく。そして現代イギリス人にも・・・というのがサトクリフの言いたいことなのだろう。

2023-06-01

[]2023年5月増田

記事文字数文字数平均文字数中央値
012654276289104.142
02246224145198.142.5
031952216775111.140
042103242969115.546
052406265219110.244
062214251374113.547
072353263879112.144
08242923747197.839
09267026538399.441
10268126660799.443
11272525936695.242
12256423469191.543
131774179320101.141
14266024549492.337
152650269007101.542
16269326452198.240
172587260952100.944
18300727582091.740
19266925763496.542
20215219975192.840
212489275719110.844
223062322298105.340
23317030028094.742
24260922020184.439
252405247212102.844
262445259218106.044
272336260721111.643
282478280841113.344
292494273456109.646
302544276585108.746
312568266373103.743
1月780057956877102.042

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2023-05-30

anond:20230530175114

何かを決め付ける気はねーけどさ

1.「変な意図による歪められた訳だ」

2.「歪めたのは訳者だ」

という二つのポイントを含む元増田の主張に対して2にしか反論しないのか?って疑問なだけよ 

anond:20230530174615

パンチのあるタイトルと、強烈な目次と、上記のような思想訳者編集者という素敵な組み合わせで話題になっている『射精責任』(邦題)ですが、どうも訳者村井理子氏が恣意的な訳し方しているようです

この分だと本書の中身も意訳だらけになって、訳者村井理子氏による利己的な内容に(リコだけに)書き換えられているかもしれません

そもそも元増田の主張は「タイトル訳者に歪められている」「この分だと中身も歪められてるかも」というものなので

前者が否定された時点で元増田が長々と書いた文章は全て無駄ですね

anond:20230530174438

うんだからあ、

邦題射精責任』が【訳者村井理子によって】歪められている可能

訳者村井理子によって】の部分にだけ反論するっていうことなのかなって

言ってるんだけど

日本語で書いてるのに何で伝わらないの?

anond:20230530173516

元増田じゃないけどそんなことあるかいなと思うんだが

訳者意見タイトル決めに入らないなんてことある

「私一人で決めた訳じゃない」とかなら理解するが

anond:20230530173049

ええ

タイトルなんて重要なところに訳者意思が入らないもんなの?

訳者の一存では決まらない」ぐらいならわかるけど。

(だから元増田訳者編集者の共同作業でゆがめた~みたいなニュアンスなのでは?)

anond:20230530173250

邦題射精責任』が訳者村井理子によって歪められている可能

タイトル訳者が決めているものではありません


で完全否定

邦題射精責任』が訳者村井理子によって歪められている可能

村井理子

@Riko_Murai

男性は、ほんのわずかに気持ちいいことのために、本当に女性人生危険晒すのでしょうか? ええ。晒します。そんなことは毎日起きています。道端に咲くタンポポぐらい、ありとあらゆる場所にある話です。

――ガブリエルブレア

射精責任 - 太田出版 https://ohtabooks.com/publish/2023/07/19181958.html

@OHTABOOKS_PR

より

ohtabooks.com

射精責任 - 太田出版

全米騒然! ニューヨークタイムズベストセラー選出 世界9カ国で翻訳 刊行からSNS話題沸騰!! 男性は、ほんのわずかに気持ちいいことのために、本当に女性...著『射精責任作品案内。/ISBN:97847783187892023年7月19日搬入発売。

午前11:47 · 2023年5月29日

村井理子

@Riko_Murai

本書で議論されているのは、「望まない妊娠責任100%男性にある」という点です。中絶の原因となる〈望まない妊娠〉という点が非常に重要なのです。避妊責任アンバランスさにも言及がありますので、よろしければお読み下さい。

午後6:17 · 2023年5月29日

ふじさわ📚編集者

@FUJISAWA0417

📚全米ベストセラー🏆日本でもTLを騒がせ続けてきた話題作『射精責任』、いよいよ予約開始です👏営業に「売れる未来が見えない…」と後ろ指刺されながらも、ヘルジャパンをぶっ壊すために版権取っちゃったので😇皆さんの力で日本でもベストセラーにしてくださいませ🙏予約だ👉

ふじさわ📚編集者

@FUJISAWA0417

Amazon売れ筋ランキング(全体)、2桁台、来た!すごい!!みんなの力で!!『射精責任』をベストセラーにしてくれ!!!日本を変えよう!!!!!私たちの肉体的、精神的痛みに、NOと言おう!!初版刷って少しでも安くこの本を広めよう!引き続きよろしくお願いしま!!!

ふじさわ📚編集者

@FUJISAWA0417

男は絶対責任を負わないぞという社会に対するミラーリングワードです。女はすでにしっかり責任を取ってるし、そこから逃れらないって話も書いてあります。7月刊行予定で頑張ってます。読んでね。



パンチのあるタイトルと、強烈な目次と、上記のような思想訳者編集者という素敵な組み合わせで話題になっている『射精責任』(邦題)ですが、どうも訳者村井理子氏が恣意的な訳し方しているようです。

Munehiko Matsuyama /松山宗彦ポーカー翻訳

@donkeydragonfly

タイトルインパクト訳者村井さんの百人組手上等の構えで話題沸騰中の「射精責任」だが、原題をそのまま訳すと「責任ある射精」となる。この二つ、微妙ながら大事ニュアンスの違いがあるように思えるのだが。

💫T.Katsumi🏳️‍🌈📢

@tkatsumi06j

そのまま訳すなら、

責任ある射精を」でしょうか。

原作者にどう伝えているのかは気になるところです。「逆翻訳してこう伝わります」と伝えたのかどうか。出版翻訳ではそこまでして著者と密に確認したりしないのかもですけれど、なにしろ書店に並ぶ本の表紙ですから。副題の訳も気になっています


モーリーン@読書ノート作る人

@maureen_kanae1

この原書”Ejaculate Responsibly”をポチった。タイトル動詞から名詞に変わるだけで印象がガラッと変わる。

原書責任を持って射精しなさい」

名詞の方が責任所在を探すニュアンスが強いな。タイトル大事

モーリーン@読書ノート作る人

@maureen_kanae1

翻訳者さんにとってこれは火を見るより明らかなことであるはずだから、『射精責任』という題名にするまでの決定プロセス意図を知りたい。

原題の方が男性側を咎めるような、諭すようなニュアンスがあるからかなあ。


かに射精責任』と『責任ある射精を』では受け取る印象が全然変わってしまますね。

射精責任』だと自慰行為による射精ですら責任を負わなきゃならんのかという気分になってしまます

この分だと本書の中身も意訳だらけになって、訳者村井理子氏による利己的な内容に(リコだけに)書き換えられているかもしれません。

しかしたら原書グローバルな視点で書かれている良書なのかもしれませんが、日本特有ミサンドリーベースのラディカルフミニズムによって原書作者のガブリエル・スタンリーブレアさんの思惑とは違う方向性に歪められてしまっている可能性が否定できません。

今のところ、ツイッター上で本書を絶賛しているのは(発売もしてないのに)、いかにも男性への憎悪毎日生きづらそうなミサンドリストばかりの印象でした。

そういった層にリーチをかけるために意図的にこういう訳し方したのでしょうか?自分が一から書いたわけでもないのに、海の向こうの人が書いた原書をダシに男性攻撃を煽るのは村井理子氏の翻訳家としての、そして太田出版出版社としての理念を疑います

発売は7月だそうです。

2023-04-09

anond:20230408110600

バトラーは悪文ひどくて原語で読むやつなんていないから、訳者の間違いがそのまま流布しちゃうんだね

2022-12-12

anond:20221211132121

改訳を出せるわけでも誤訳の指摘ができるわけでもない人の

僕が私が考える理想翻訳論に付き合ってあげるほど著者も訳者出版社も読者も暇ではないという感想しかない

anond:20221211132121

「何をするにあたって」原典にあたるという当然の事を重要視するか、って話ではあるよね

これメチャクチャ思いました。過去査読云々の論争を思い出しちゃいましたよ( anond:20181009070341 とか、 anond:20181011090428 とか、このへんの話ね)。「翻訳するとき原典から訳すのが当然だろ!」「いや、別に重訳でも意味が取れてればそれでいいじゃん……」「出版スピード感大事だし……」っていうやり取り、まんま過去の「論文は全部査読するのが当然だろ!」「ええ、別に査読で載せても、後続の論文でしっかり吟味されてればそれでいいじゃん……」「出版スピード感大事だし……」っていうやり取りとソックリというか。増田は「なんで原典にあたるという当然のことを重要視しないんだろう……」って思っちゃうんですけど、理系経済学の人たちも「なんで査読という当然のことを重要視しないんだろう……」って思ってたわけですよね。まあだからあんまり自分野の基準で他分野にケチつけるのはよろしくないなぁと、自戒を込めて。

はてなブログというサービスが無くはてなダイアリーをみんな書いてた時代

はてなダイアリーで「理数系分野でも研究の際には原典読んだ方が良くない?」みたいな事を言った人がいて、それに対し色んな意見が出たのを思い出す。

ただこれは物理学勉強してる人達ニュートンプリンピアを読んでないのはおかしい、みたいな極端な意見であり増田の言ってる事とは大いに違うし

あとそれを主張してた人が死んでしまったので批判はあまりしたくない

じゃあ、まずは数学理論物理の専門書を翻訳する際に原典にあたる必要があるかと言う話をさせて貰うけど

数学理論物理ではフランス語ドイツ語ロシア語辺りの本が英語翻訳されて、英訳だけ読んだ専門家が各国の言語に訳す例なんて珍しくも無い。

そして読む側も著者も訳者も誰も問題視してない事が多い。

皆が数学理論物理論理が完全に再現されているなら問題ないという立場からこのような事態が起きている。

翻訳だって訳す能力より専門分野に関する知識の方がずっと重要視されるし、論理的な構成に変更が無いなら文章の省略・追加・順番変更など平気で起きる。

あと最近数学の専門書の話なんだが、日本語の本を英語翻訳する際に日本語が分からない人が訳してる例なんかもあったりする。

訳者だって数式は別に分かるし日本語で書かれた数学の文は今なら機械翻訳通せば大体分かるからね。

主要な定義定理命題は著者の英語で書かれた論文と同じ分野内英語の本見れば同じものが見つかるので

元の本の論理再現するのは可能な訳だ。

こんなやり方で訳しますよって提案原著者はOKを出してしまう訳だ。

訳者が同じ専門分野で業績ある人だから問題ねえやってね。

こうしてみると一般論として重訳は問題かと言うと全く問題視されない分野もあるという話になるので

一般論で主張するのは無理だよ北村紗衣さん、と言いたい訳です。

ただ山形浩生ピケティ経済学の本を英訳から日本語に訳すのに批判をするのもアリだとは思う。

でもその場合やっぱ日本語訳と原著の両方を読んでから批判した方がいいんじゃないかな。

2022-12-09

anond:20221209135746

石塚

山形氏による訳は大変優れている

フランス語は専門外の人が訳す場合がありしばしば誤訳に悩まされ原著確認する必要に迫られた

・重訳であることによる誤訳は見当たらなかったように思う

不適切な訳があるなら具体的に指摘して直させればよい

経済に詳しい人が訳すべき本であり訳者の選定に誤りはなかったと思う

・あのような専門書の翻訳を引き受けるフランス語翻訳はいないのではないか

anond:20221209163603

このへん、文学研究経済学研究とのあいだの感覚の違いだよねえ。

文学研究、というか人文系あいだには

という感覚があるわけよ。したがって、

という結論になる。正直、こんなのどれも人文系研究者としては当たり前すぎて、反射で「いや直訳させろよ」って思っちゃう案件なんだよな。

ただこれは人文系が、文学作品とか、歴史上の人物書簡とか、とにかく細かな原文のニュアンス大事にする学問からであって、経済学の人が「いや、細かなニュアンスが多少おかしくても、経済学理論問題なく訳せてれば重訳でええやん……」って思う気持ちはわかるし、出版社が「文学作品ならともかく、こんな話題作なら、仕事が遅いフランス語訳者よりささっと出してくれる英語訳者に頼みますわ……」ってなるのもわかる。

外国文学場合は、そもそも読者層が上に書いたような「人文系論理」を内面化してる場合が多いから、多少進みが遅くても直訳した方が出版社利益になるんだよね。「あの○○をちゃんと原文から訳してくれたのか!」って評判になるので。

このへんの制約が緩めなのはジャンル文学かな。『三体』もエーレンデュル捜査シリーズも重訳だけど、みんな気にしてないし。エーレンデュル捜査シリーズなんてアイスランド語固有名詞表記メチャクチャだけど普通に受容されてるからな……。ただこの2作に関しては、「『三体』中国語版は当局意向で改変がなされており、劉慈欣の意向が反映されているのは英語版」とか、「アイスランド語マイナー言語であり、『アイスランド語ミステリコンスタント翻訳できる人』はほぼいないので、重訳でも仕方ない、ないよりマシ」とか、そういう擁護論を組み立てることもできる(実際、ワイはこの理由があるので納得してる)。でもピケティはねえ……フランス語でこんな擁護は無理でしょ……なので北村さんが怒るのもわかるんだよね。

ブコメへの返信はanond:20221211132121で。

anond:20221209135746

北村氏は一貫して版元を批判してる。ただ、訳者本人に対して悪感情があるのは事実っぽい。そもそも、以下ツイートRTしてからその呟きだし。

https://twitter.com/koheisaito0131/status/1599927813234393088

この山形浩生日本では、トマ・ピケティとかアダム・トゥーズとか翻訳してるわけで。そりゃ歪んだ受容になるよな、と。

以下、北村氏のツイート掘って出てきたもの

https://twitter.com/Cristoforou/status/1600392912927600640

最初から私は主に版元を批判してますけど。まあ、訳者も受けるなよ…とは思いますが、ほぼ版元の責任でしょ?

https://twitter.com/Cristoforou/status/1599969809978257409

ピケティ21世紀の資本』は英語からの重訳です。訳者本人が「下手な直訳よりうまい重訳のほうがずっと歪曲は少ない」って自己弁護していますけれども。ピケティちゃんと訳せるうまいフランス語翻訳者がいないとでも?

https://cruel.hatenablog.com/entry/20140711/1405091495

https://twitter.com/Cristoforou/status/1600420864217952256

まさに「蟻の一穴」です。売れ筋で今後も読まれそうな本がそうなるっていうことは、今後に良くない例を残しまから

個人的には、「翻訳の速度優先して仏語訳できる訳者さなかったのは版元の怠慢じゃないの? それやってるとフランス語翻訳文化どんどん衰退しない?」は的を射た批判だと思う。

ただ、この増田を書いている自分経済学には門外漢なので、山形氏はブログを読んでいる範囲経済学知識がめちゃくちゃある分、「重訳でも内容に極端な間違いが発生することはあるまい」と版元が判断したのはそれほどおかしくはないようにも感じる。結局本が売れなかったら出版文化自体が続かないし。

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